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「POCO F6 Pro」徹底レビュー:Xiaomiの高性能・高コスパSIMフリー機の実力

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XiaomiのPOCO F6 Proは、2024年5月下旬に発売されたばかりの高性能・コスパ抜群のSIMフリーAndroidスマートフォンである。

POCO F6 Proは、AppleのiPhoneやGoogleのPixelなど、他社のフラグシップ機に匹敵する性能を、7万円を切る驚きの低価格で提供しているのが最大の魅力だ。

iPhone 14にも匹敵するパフォーマンスの「Snapdragon 8 Gen 2」、120Hzのリフレッシュレートを持つOLED(有機EL)ディスプレイ、Pixel 8 Proと同じ50MPのメインカメラ、120Wの急速充電など、高価格帯スマホに劣らない機能を揃えているにも関わらず、6万円台から購入できるのは破格だ。

本記事では、実際にPOCO F6 Poを購入して使用している筆者が、POCO F6 Proの実生活での使い心地やパフォーマンスを詳細にレビューしていく。

POCO F6 ProとiPhoneで撮影した写真の比較、CPU・GPUのパフォーマンスのベンチマークテスト、XiaomiのカスタムOSやアプリの使い勝手まで、実際に使わないと分からない点を重点的に取り上げる。

お手頃な価格帯ながらスペックに妥協しないAndroidスマートフォンを探している人や、昨今の円安を受け価格が高すぎるiPhoneから乗り換え先を探しているiPhoneユーザーまで、ぜひ参考にして欲しい。



POCO F6 Pro 開封の儀:嬉しい充電器・ケース付き

XiaomiのAndroidスマートフォンは、楽天のXiaomi公式ストアや、AmazonなどでもXiaomi公式によって販売されており、キャリアの店舗などに行かなくても、簡単にSIMフリー機をネットで購入することができる。

2024年6月22日現在も、Amazonでは長らく品薄が続いており購入できないが、楽天のXiaomiストアからであれば購入することができる

一昔前までは、AndroidのSIMフリー機を購入するために海外通販サイトなどを経由して個人輸入することもあったが、日本でもSIMフリー端末や格安SIMが普及したことによって、容易に入手できるようになったのは嬉しい。

筆者は、メモリ12GB、ストレージ256GBのモデルを購入した。

POCO F6 Proは、以下のような黒と黄色のボックスに入って届く。

同梱されているのは、POCO F6 Pro本体と、120Wの急速充電器(USB-A)、充電ケーブル(USB-A to USB-C)、TPUケース、説明書類だ。

最近のiPhoneなどはもはや電源アダプタが付属すらしていないので、120Wという凄まじいスピードでの急速充電が可能な充電器が同梱されているのは嬉しい。

付属のケースは、TPU素材の柔らかいケースだ。高級感があるわけではないが、目立つこともなく、無難なデザインだと思う。

POCO F6 Proの外観の特徴として、大きな背面カメラが3つ+フラッシュが1つ付いているため、本体よりもカメラ部分が出っ張っていることが挙げられる。

机の上に置く際などに、カメラが直接当たってしまうのが気になるが、付属のケースをつけると、背面にカメラを保護する出っ張りが設けられており、置いた時にカメラが直接地面に当たらないようになる。

POCO F6 Proのデザイン・質感レビュー

POCO F6 Proと、iPhone 12を横に並べてみた様子が以下である。POCO F6 Proの液晶サイズは6.67インチと無印iPhoneより縦に大きく、iPhone 15 Plus(6.69インチ)などに近いサイズ感だ。

本体色はブラックホワイトの2色展開だが、筆者が購入したのはブラックである。

背面はマーブル調の模様で、ざらざらしたスレートのような加工が施されており、指紋などが全く目立たないし、見た目としても結構高級感がある。光の当て方によっては、ラメっぽくキラキラ見える。

カメラモジュール部分はガラスで、iPhoneの背面にも似た加工になっている。

フレームにはマット仕上げのアルミニウムが採用されており、サイド部分も高級感がある見た目である。

本体重量は209gで、iPhone 15(171g)とiPhone 15 Pro Max(221g)の間、iPhone 15 Plus(201g)と同じくらいの重さだ。

男性であれば、片手で持って操作するのは可能だと思われるが、女性の場合、画面上半分は両手で操作しなければ厳しいかもしれない。

またPOCO F6 Proは、IP54の防塵・防水性能を備えており、ウェットタッチディスプレイという濡れた手での画面タッチにも対応している。

雨の日や、手を洗った後の操作などにも対応することができるようだ。

「IP54」とは、以下のような防塵・防水性能を意味する。

  • 塵埃の侵入を完全に防止できないが電子機器の動作には問題がない
  • あらゆる方向からの水の飛まつによって機器が影響を受けない

水中に沈めることができるレベルの防水ではないが、日常生活で生じうる水滴の影響は、基本的にすべて防ぐことができそうだ。

総合して、外観に全く安っぽさはなく、フラグシップと言っても良い高級感を感じる。

背面のラメっぽさが若干田舎のドンキ感(失礼)を漂わせているが、この価格帯で、この質感が実現できるXiaomiのコスパに驚かされる。

POCO F6 Proのディスプレイレビュー

電源を入れてすぐ、極狭のベゼル、フロントカメラのパンチホールが目を引く。

POCO F6 Proは画面内指紋認証を採用し、顔認証センサーが最小限であるため、iPhoneのようなディスプレイ上部の黒い帯「ノッチ」がなく、フロントカメラの小さな円だけが切り抜かれており、表示スペースが大きく確保できている。

ディスプレイと本体端の間の余白であるベゼルも非常に狭く、iPhoneと比べても僅かにPOCO F6 Proの方が表示領域が広いように思われる。

また、画面の明るさも十分だ。6月の天気の良い日に、直射日光の下で画面を見ても、問題なく視認できた。

POCO F6 Proのスペックシートを見ると、明るい日光下では最大1200ニトの輝度で表示できるとのことで、iPhone 14のピーク輝度と同等だ。

POCO F6 Proの画面サイズは、6.67インチのAMOLEDパネル(有機EL)で、解像度はWQHD+(3200 x 1440ピクセル)を誇り、ビデオや写真を閲覧しても、非常にディスプレイが高品質であることを感じられる。

設定からディスプレイの解像度を変更することもでき、バッテリーの節約のため、自動でWQHD+とFHD+を切り替えさせることもできる。

テキストなど通常の使用時は、ここまで高精細な画像は必要ないので、ゲームをする際や、Netflixを視聴する際に、WQHD+を活用したい。

また注目すべきは、120Hzのリフレッシュレートに対応している点だ。

スマートフォンの画面リフレッシュレートは、60Hz、90Hz、120Hzが主流で、60Hzが最も標準的で、通常のアプリ使用には十分だが、ゲームなどの高速な動きを伴うコンテンツでは動きがカクつく場合がある。

120Hzは現在のハイエンドスマートフォンで採用されている最高水準のリフレッシュレートだ。あらゆる動きが非常に滑らかヌルヌル動くようになり、ゲームなどの動きを伴うコンテンツを楽しむのに最適だ。

ただ、常時120Hzで表示していると、バッテリーの消耗が激しくなる。

POCO F6 Proは、設定でリフレッシュレートも変更することができ、使用するアプリに応じて120Hzと60Hzを自動で切り替えてくれる設定も用意されている。

現状最高水準の強化ガラスである「Gorilla Glass Victus」ではなく、Gorilla Glass 5が採用されていたりと、一部の点でコスト面での妥協が見られるものの、極狭ベゼルや120Hzなどユーザーの体感に大きく影響する部分はトレンドを押さえており、総合的な満足度は高い。

POCO F6 Proのカメラレビュー(夜間性能すごい)

POCO F6 Proで撮影

POCO F6 Proのカメラは、背面にトリプルカメラセットアップを採用しており、50MPのメインカメラ、8MPの超広角カメラ、および2MPのマクロカメラで構成されている。

フロントカメラは16MPのセルフィーカメラが搭載されており、メインカメラには劣るものの、そこそこの品質でオンライン会議なども可能だ。

このセクションでは、それぞれのカメラの性能を、実際に撮影した写真とともにレビューしていく。

結論から言うと、光学手ブレ補正のおかげもあってか、POCO F6 Proの夜景の描写クオリティには驚かされた。

なお、掲載している写真はWordpressにアップロードする過程で圧縮されているため、ここで表示されているものは縮小版である点には注意して欲しい。
写真の一部を切り出して細部の写りの比較などを行っているので、画質よりは描写力の比較に注目して欲しい。

メインカメラの日中使用

まず、50MPのメインカメラは、光学手ブレ補正(OIS)を備えた、3つのカメラの中で最も高性能なものだ。

6月の18時前の若干夕暮れ時に、POCO F6 Proと、iPhone 12を持ち出して、撮影した写真を比較してみた。

iPhone 12しか手持ちの端末がなかったため、比較対象のiPhoneが若干古い。
ただ、プロカメラマン級のこだわりがあるわけではない一般ユーザーが、日常生活で満足なクオリティの写真を撮影できるかどうかのテストとしては、適切であろう。

まず、POCO F6 Proで撮影した画像が以下だ。あとで登場するiPhoneで撮影した写真と比べて、赤色、緑色などが鮮やかに描写されている。

POCO F6 Proで撮影

次に、同じ場所をiPhone 12で撮影した様子が以下である。iPhonenの方が明るい写真が撮れる傾向にある。

iPhone 12で撮影

細部の写りを比べてみると、圧倒的にPOCO F6 Proの方が高精細である。

左半分がPOCO F6 Proで撮影した画像をズームインしたもの、右半分がiPhone 12で撮影した画像をズームインしたものだ。

POCO F6 Proは、さすが50MPだけあって、屋根の模様もくっきり描写されており、影も飛んでおらずダイナミックレンジの広さも感じられる。

左:POCO F6 Pro、右:iPhone 12

メインカメラの夜間使用:クオリティやばい!

完全に日が落ちて暗くなった夜間に、ビルと道路の夜景を撮影してみた。

まず、POCO F6 Proで撮影したのが以下の写真である。細部まで非常にくっきり写っており、スマホで手持ち撮影しているとは思えないほどだ。

光学手ぶれ補正のおかげで、手持ち撮影ながらシャッタースピードを遅くすることができており、ちゃんと走っているタクシーのモーションブラーまで得られている。

POCO F6 Proで撮影

同じ場所を、同時に、iPhone 12で撮影したのが以下の写真である。

照明などのハイライトが白飛びしているし、シャッタースピードが速いまま、ISOを上げている関係で、タクシーのモーションブラーはなく、ノイズも目立つ写真になっている。

iPhone 12で撮影

再び、POCO F6 Proで撮影した写真と、iPhone 12で撮影した写真を拡大して横に並べてみたものが以下だ。

左側がPOCO F6 Pro、右側がiPhone 12である。

POCO F6 Proの写真は、白飛びがなく、暗い部分と明るい部分がともに描写できており、交通標識など細部もくっきり見える。

左:POCO F6 Pro、右:iPhone 12

総合的にみて、POCO F6 Proのメインカメラは、日常使用には全く問題ないどころか、やはりハイエンド機に匹敵するクオリティを持っていると言って良いだろう。

もちろんiPhone 15 Proなど最新・最高級機種のカメラには劣るであろうし、ミラーレスカメラなど写真専用機にも勝てないだろうが、格安スマホを使いたいが、カメラもできるだけ妥協したくないと言うユーザーにピッタリだろう。

超広角カメラとマクロカメラ

POCO F6 Proのカメラアプリ上で、超広角の8MPカメラや、2MPのマクロカメラに手動で切り替えることができる。

同じ場所で、50MPのメインカメラで撮影した写真と、8MPの超広角カメラで撮影した写真を比べてみると、以下のようになる。

まず、メインカメラで撮影した写真がこちら。

そして以下が超広角カメラで撮影した写真だ。手前の電柱全体が映り込み、かなり広い画角での撮影が可能であることが分かる。

50MPのメインカメラと比較すると、やはり画質は劣るものの、複数人で自撮り撮影するような画角が必要なシチュエーションで役立ちそうだ。

一方、2MPのマクロカメラは、被写体に近づいた撮影に特化している。解像度は低いため、美麗な画像を求める場合には限界があるものの、メインカメラでは難しい超近距離まで迫っての撮影が可能である。

ドキュメントスキャンモードも地味に便利

POCO F6 Proのカメラアプリには、「ドキュメント」モードがあり、紙のドキュメントを撮影すると、切り抜き・台形補正を自動で行って、スキャンしたような画像を作ることができる。

例えば、ざっと書いた手書きの付箋を机の上に置いて撮影してみる。

すると、付箋の周りの不要な部分が切り取られ、カラー・白黒などを選択してドキュメントスキャナのように文書を保存することができる。

ちょっとした書類を撮影して保存し、紙は捨ててしまいたい場合などにとても便利だ。追加でアプリを購入しなくても、デフォルトで利用できるのがありがたい。

メインカメラは8K/24fpsでのビデオ撮影にも対応

ビデオについても、かなり見栄えの良い動画を撮影することができる。光学手ぶれ補正がついているおかげで、映像のブレも少ない。

解像度は1080p, 4k, 8kなどから選択することができ、8k映像だと撮影できる時間に制限はあるが、より高画質な映像を撮影することができる。

GoProのような映像をクロップすることで実現する「スーパー手ぶれ補正」機能もあり、アクションカメラのような動きのある映像も撮影できる。

総じて、POCO F6 Proのカメラは、この価格帯においては非常に高い性能を有していると言えるだろう。特にメインカメラの性能が抜きん出ており、逆に言うと、超広角カメラとマクロカメラはあまり使い所がないかもしれない。

メインカメラだけで、日中から夜間の撮影まで、一般的なユーザーのカメラニーズはバッチリ満たしてくれるはずだ。

POCO F6 Proの CPU・GPU パフォーマンス

POCO F6 Proは、QualcommのSnapdragon 8 Gen 2チップセットを搭載しており、1年前に発売されたサムスンのフラグシップ、Galaxy S23シリーズなどと同じ非常に高性能なCPUである。

実際使用していても、アプリの切り替えもスムーズで、まず遅延を感じることはない。

1世代前のチップとはいえ、最近のモバイル向けCPUは総じて性能が良すぎて、一般人が使用する限り、1世代前であろうと後であろうと大きな違いを体感することはなさそうだ。

また、CPU性能を測定する主要なベンチマークテストである「Geekbench 6」アプリを使って、POCO F6 Proのスコアを計測してみた。

一般にGeekbenchの結果は、iPhoneは少数の高性能コアを搭載しているためシングルコア性能が高く、Snapdragonを搭載したAndroid端末は多数の並列コアを搭載しているためマルチコアスコアが高い傾向にある。

結果は以下の通りで、シングルコアではやはりiPhoneが優勢であるものの、マルチコアスコアも踏まえると、POCO F6 Proは、概ねiPhone 13やiPhone 14に匹敵する性能を有すると言ってよいだろう。

機種チップSingle-Core ScoreMulti-Core Score
POCO F6 ProSnapdragon 8 Gen 214215189
iPhone 14A15 Bionic22435476
iPhone 13A15 Bionic21995216
iPhone 12A14 Bionic20154501

一方、GPUのパフォーマンスにおいては、POCO F6 ProはiPhoneを上回るほどの高い性能を有する。

例えば、高負荷の3DオープンワールドRPGゲームの「原神」でも、最高設定でスムーズなフレームレートを維持し、快適なプレイが可能である。

ゲーミング性能を測定するベンチマークとして知られる「3DMark」の「Wild Life Extreme」という4K UHDの3Dグラフィックを1分間走らせる高負荷のテストを試してみたところ、平均FPSは20.48となった。

3DMarkのアプリ上で記録のあるiPhone 15 Proのスコアの分布の下位30%に入るほどのスコアなので、POCO F6 Proのゲーミング性能は相当高いと言っていいだろう。

ちなみに、海外レビューサイトのTom’s guideが掲載している「Wild Life Extreme」の平均FPSの一覧を見ると、iPhone 14 Pro Maxが19.9 FPS、iPhone 14が15.5 FPSとなっており、ミドルレンジの格安Androidスマホとしては目覚ましい性能だと言える。

大容量バッテリーと120W急速充電

POCO F6 Proは、5,000mAhもの大容量バッテリーを搭載している。iPhone 15 Pro Maxのバッテリーが4,422mAhとされているので、5,000mAhというのはかなり大きい。

3Dのゲームを長時間プレイするなどしない限り、通常使用下では、余裕で丸一日充電なしで過ごすことが可能だ。

さらに、付属の120W急速充電器を使うと、驚きのスピードで充電が完了する。約27分でフル充電することができると謳われており、実際にやってみたところ、10分ちょっとで0%から50%まで達した。

急速充電できているかどうかは、電源接続時に画面に表示されて分かりやすい。

ただし、最近のiPhoneのようなワイヤレス充電には対応していないため、常にUSB-Cでの充電が必要となる。

6万円台という価格を考えれば、ワイヤレス充電については、まあやむを得ない妥協だろう。

Xiaomi独自のHyperOSとアプリ

4年間のセキュリティアップデート保証の「HyperOS」

POCO F6 Proに搭載されているソフトウェアは、AndroidベースのXiaomiオリジナルカスタムOSある「HyperOS」だ。

POCO F6 ProのHyperOSはAndroid 14ベースであり、Android 14で出来ることは基本的に全てできる。

3年間の主要なOSアップデートと4年間のセキュリティパッチの提供が謳われているため、2024年5月の発売から、向こう4年間は安心して使用することができそうだ。

HyperOSには、壁紙のオプションや、ロック画面のカルーセル機能(毎回違う写真が表示される)、常時表示ディスプレイ(Always-on Display)機能などがプラスアルファで付帯する。

スマートホームデバイスなど、他のXiaomiのデバイスを使っている場合、HyperOSによってデバイス間連携機能などを使用することもできて便利だが、他にXiaomi端末を持っていない場合、生のAndroid 14とそれほどユーザー体験の差はないと思われる。

プリインストールアプリはそこそこ邪魔

Androidスマートフォンは、iPhoneと違い、発売するメーカーや通信キャリアごとにオリジナルのアプリが入っているケースが多い。

例えば、 docomoから販売されているGalaxyに一生削除できないdocomoアプリが入っていたりして、不快な経験をしたことのある人も多いだろう。

POCO F6 Proにも、残念ながらプリインストールされているアプリが多数存在する。「Miブラウザ」というブラウザアプリなど、HyperOSに組み込まれたXiaomi純正アプリは、まあAndroidでは良くあることなのでやむを得ない。

これら一連のXiaomi純正アプリは、削除することはできない。ブラウザだったらGoogle Chromeを自分で入れて使えばいいので、目くじら立てるほどではないが。

ただ一方で、多数のゲームアプリや、TiktokやNetflixなど、Xiaomiと関係ない他社のアプリも多数インストールされている。これらは削除できるので問題ないが、削除の手間が生じるので、なぜわざわざプリインストールしてしまうのかという不満はある。

また、AndroidのアプリストアであるGoogle Play Storeと並んで、「App Mall」というXiaomiオリジナルのアプリストアも存在する。

POCO F6 Proを購入して最初にやることは、App Mallを開いて、不要なゲームやアプリを一掃するアンインストール作業かもしれない。

各キャリアの 4G / 5G への対応状況

SIMフリースマートフォンをAmazonなどで自分で購入する場合には、購入する端末が、自分が使っているキャリア(docomo, au, SoftBank, 楽天など)の電波に対応しているかを確認する必要がある。

結論から言うと、POCO F6 Proは、ドコモ、au、SoftBank、楽天モバイルのいずれのキャリアであっても、問題なく快適に利用することができると思われる。

なお、POCO F6 ProはデュアルSIM(NanoSIM + NanoSIM)に対応しているが、eSIMには対応していないため、どのキャリアで契約をするとしても、物理SIMカードを手に入れる必要がある。

5GのSub6にも対応しているため、各キャリアの5G使い放題プランなども問題なく利用できる。

POCO F6 Proの公式ページに掲載されている仕様では、対応する周波数・バンドは以下の通りである。

POCO F6 Proの対応バンド

  • 4G:LTE FDD:1/2/3/4/5/7/8/18/19/20/28/66
  • 4G:LTE TDD: B38/40/41/48
  • 5G:n1/2/3/5/7/8/20/28/38/40/41/48/77/78

一応、4Gと5Gについて、ドコモ、au、SoftBank、楽天モバイルが提供している電波の周波数帯を整理しておく。

4大キャリアの4G周波数帯・バンド

以下が、ドコモ、au、SoftBank、楽天モバイルのバンドである。

各キャリアでメインバンドとして使われている1, 3、またプラチナバンドである8, 18, 19, 28に対応している機種であれば、どのキャリアの回線でも快適に利用できると思われる。

POCO F6 Proは、バッチリこれらの主要バンドに対応しているので、4社どの通信会社を使っても、問題なく利用できると思われる。

BandドコモKDDISoftBank楽天モバイル
1 (メイン)⚪︎⚪︎⚪︎×
3 (メイン)⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎
8 (プラチナ)××⚪︎×
11×⚪︎⚪︎×
18/26 (プラチナ)×⚪︎×⚪︎ (au)
19 (プラチナ)⚪︎×××
21⚪︎×××
28 (プラチナ)⚪︎⚪︎⚪︎△(予定)
41×⚪︎⚪︎×
42⚪︎⚪︎⚪︎×
2024年6月現在の調査に基づく / ハイライトがPOCO F6 Proの対応バンド

4大キャリアの5G周波数帯・バンド

日本の5G回線を利用するには、n77/78に対応していることは必須であるが、POCO F6 Proはちゃんと両方に対応している。

n79に対応していればdocomo利用時にはメリットがあるが、対応していない。

最も高速だが基地局のすぐ近くにしか届かないミリ波(n257)は、まだ十分普及しておらず対応しても恩恵が少ない割に、対応すると端末代が高くなってしまう。それもあってか、POCO F6 Proはミリ波(n257)には非対応である。

BandドコモKDDISoftBank楽天モバイル
n77 (Sub6)×⚪︎⚪︎⚪︎
n78 (Sub6)⚪︎⚪︎××
n79 (Sub6)⚪︎×××
n257 (ミリ)⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎
2024年6月現在の調査に基づく / ハイライトがPOCO F6 Proの対応バンド

※LTE用の周波数を5G用に転用するNR化、いわば「なんちゃって5G」が進められているバンドは収集つかないので省略(n28, n41など)

その他の仕様:指紋認証, Felica, オーディオ

主要な機能やスペックに触れてきたが、その他の細かい仕様も紹介しておく。

画面内指紋認証

POCO F6 Proは、最近のAndroidスマートフォンでは珍しくなくなった、画面内指紋認証に対応している。

筆者が使っている限り、読み取りに失敗することもほとんどなく、読み取りの精度・スピードとともに優れていると感じた。

画面オフ時でも、端末を持ち上げると指先を置くべき場所が白い円で光るので、スムーズにロック解除することができる。

マイナポータル対応だが、FeliCaは対応なし

POCO F6 Proは、残念ながら、日本独自規格のFeliCa(NFC Type-F)に対応していない。したがって、モバイルsuica、QUICPay、iDなどの「おサイフケータイ」関連のタッチ決済を利用することができない。

ただし、NFC Type-A/Bには対応しているので、クレジットカードのタッチ決済に対応している店舗であれば、VISAのクレジットカード・デビットカード等をGoogle Payに登録することで、タッチ決済が利用できる。
対応しているカードの一覧はGoogle Payのページに掲載されている。

また、マイナンバーカードの読み取りにも対応しており、マイナポータルのログインに使用することも可能である。

ただ、マイナンバーカードの読み取り位置が結構シビアで、当初は筆者も何度がチャレンジして読み取れず、マイナンバーカードには対応していないものと勘違いしていたほどだ。

本記事へのコメントで、「カードのチップをカメラの4眼の中央に当てる」というアドバイスを頂いたので参考にして欲しい。

おサイフケータイに対応していないのはデメリットではあるが、GarminやApple Watchなど、スマートウォッチに搭載されたFelicaで代用するか、PayPayなどのQRコード決済アプリを使用することで代用するしかない。

※20240622修正:当初、マイナンバーカード読み取りに対応していないと記載していたが、上述の通り誤りであったため修正。

オーディオ周り

ステレオデュアルスピーカーを搭載しており、Dolby Atmosをサポートしている。音質、音量ともに一般的なフラグシップスマートフォンと大きく変わらないように感じられた。

ヘッドフォンジャックはないので、イヤホンで音楽を聴く際は、Bluetoothイヤホンを用意する必要がある。

総評:低価格ながら素晴らしい処理能力とカメラ

円安の中、iPhone 15の最も安い最小構成でさえ12万4,800円という状況に、Amazon価格で69,980円という価格、楽天ではさらにポイントまでつくので実質それ以上に安価で、圧倒的な低価格端末として殴り込みをかけてきたXiaomi POCO F6 Pro。

およそ半額の格安スマホとは思えないほどの素晴らしい有機ELディスプレイ、日中・夜景ともに十分なクオリティの撮影が可能な50MPカメラ、iPhone 15を超えるゲーミング性能、iPhone 14並のCPU性能と、至れり尽くせりのSIMフリーAndroid端末だ。

10万円超えの高級スマホには腰が引けるが、スペックに妥協したくない、高品質なカメラは欲しいといったユーザーに、特におすすめすることができる。

本体の高級感や、カメラ、ディスプレイ、CPU・GPU性能などを妥協してレベルを下げていけば、もっと安いAndroidスマホは多数存在するものの、POCO F6 Proは、高級スマホと低価格スマホの中間のちょうど良いバランスを取ったスマホだと感じる。

120Wの急速充電も驚くほど速く、バッテリー容量も大きいので、お風呂に入っている間の20-30分間だけ充電しておいて、ベッドの中で寝る時も使用したとしても、翌日丸一日持つレベルのバッテリー持ちだ。

筆者は、解像度もリフレッシュレートも最高にして使っているが、特にバッテリー持ちの悪さや本体の発熱を感じることはない。

コストパフォーマンスの高いAndroidスマホを探している人は、ぜひ検討してみることをお勧めする。

POCO F6 Proでは予算オーバーという人は、2〜3万円から購入できるXiaomiの5G対応スマートフォン「Redmi 12 5G」もオススメだ。

カメラやディスプレイの質は、流石にPOCO F6 Proよりずっと劣るものの、5G対応、おサイフケータイ対応のスマホとしては異常なほど安い。以下の記事で詳細に紹介しているので参考にして欲しい。



Comments

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  1. 購入して試したところマイナンバーカードの読み取りできましたよ
    以前持っていた同社のF4GTより精度は悪いですが、カードのチップをカメラの4眼の中央に当てると読み取りやすいかと思います

    • コメントありがとうございます。
      自分で何度かチャレンジして失敗したため諦めておりましたが、マイナンバーカード読み取りできるんですね・・・!
      位置がシビアではありますが…。記事を修正しておきます。

  2. その後マイナンバーカードは読み取れましたか?
    私の端末も読み出しがかなりシビアで、何回かに1回反応こそしますが、読み込みに失敗してしまい未だ一度も読み取れてません。他の端末では問題なく読み取れるので、この機種の問題かとは思うのですが…

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