スイス企業が運営する「pCloud」は、業界では非常に珍しい一回買い切りの「ライフタイムプラン」を提供しているクラウドストレージサービスだ。
筆者自身も、5年ほどpCloudのライフタイムプランを愛用しているが、月額サブスク料金なしで、スマホで撮影した写真のバックアップや、仕事のファイル共有に使えるので、本当に助かっている。
そんなpCloudだが、最大5人のユーザーで容量を共有できるファミリー向けライフタイムプランで、大幅割引セールが開始された。
家族やカップルで一生涯使えるクラウドストレージが、iCloud+やGoogle Oneのサブスク料金の約2年分の価格で購入できるので、圧倒的にコストパフォーマンスが高い。
プラン | 通常の割引価格 | ファミリーデーセール特別価格 |
---|---|---|
Family – 2TB | 595ドル | 399ドル |
Family – 5TB | 販売なし | 599ドル |
Family – 10TB | 1,499ドル | 1,049ドル |
pCloud Encryption | 150ドル | 各ファミリープランに無償付帯 |
ちなみに、個人用プランの通常価格が2TBで399ドルなので、pCloud Encryptionがおまけで付いてくることを考えると、たとえ1人で使う場合でも、今回のファミリーデーセールを利用した方がお得だ。
最大容量の10TBプランに至っては、個人プラン(1,190ドル)よりも、ファミリープランの10TBプランの方が安い(1,049ドル)という逆転現象が起きているので、単身者にも嬉しいセールとなっている。
今回のファミリーデーセールの期間は2025年5月25日まで。
pCloudは、無料でも10GBものストレージ容量が得られるので、まずは使ってみることをオススメする。
iCloud+やGoogle Oneのサブスク地獄に気をつけろ
家族がiPhoneであればApple純正の「iCloud+」プランを、家族がAndroidであればGoogleフォトやGoogleドライブの「Google One」プランを契約している人が多いのではないか。
いずれのサービスも、家族5人でのストレージ容量の共有が可能で、一見すると安価な月額サブスク料金だが、積もり積もるサブスク料を冷静に計算すると、非常に高額であることに気付く。
- Apple iCloud+ 2TBプラン 月額1,500円(=年額18,000円)
- Google One 2TBプラン 月額1,450円/年額14,500円
うっかり課金を始めると、2年、5年、10年と時間が経ち、いつの間にか数十万円単位でAppleやGoogleにサブスク料金を支払うことになってしまう。
しかも、クラウドストレージは、一度データをアップロードすると、他社サービスへの引越しが非常に面倒くさい。
家族の写真を一度iCloudやGoogleフォトに保存し始めると、脱会することも難しく、あっという間に多額のサブスク課金が生じてしまう。
iPhoneやAndroidを買うと、やたらとクラウドストレージの課金に誘導されるが、気軽に大手のクラウドサービスに手を出してはならないのだ。
pCloud「ライフタイムプラン」の魅力
そんな時、救世主となるのが、買い切り型のライフタイムプランを提供している独立系のクラウドサービス「pCloud」である。
一度の支払いで一生使えるライフタイムプランなら、外付けSSDを購入するのとあまり変わらない価格で、バックアップ不要の安全なクラウドストレージが手に入る。
家族やカップルで撮影した写真やビデオをすべてアップロードして、容量を気にせず大切な思い出を共有しながらも、サブスク料金はかからないという夢のような状態を実現できる。
もちろん、容量はファミリー内で共有するが、各ユーザーのアカウントは独立しているので、家族に勝手に自分のフォルダを覗かれる心配はないので安心してほしい。
今回のセールは、5TBや10TBなど複数人での共有に適した大容量プランも安くなっている。
プラン | 通常の割引価格 | ファミリーデーセール特別価格 |
---|---|---|
Family – 2TB | 595ドル | 399ドル |
Family – 5TB | 販売なし | 599ドル |
Family – 10TB | 1,499ドル | 1,049ドル |
pCloud Encryption | 150ドル | 各ファミリープランに無償付帯 |
家族全員が写真・ビデオ・書類を保管しておくための場所として最適な選択になるだろう。
ライトユーザーであっても、ファミリープランなら、2〜10TBを最大5人で分け合えるので、ストレージを余らせて無駄にしてしまうこともない。
逆にヘビーユーザーの場合、自分1人で数TBを使い切る自信があれば、将来家族に1%〜5%程度のスキマを分け与えることも見越して、上位の10TBのプランなどを選択するのも良いだろう。
ゼロ知識暗号化が可能な「pCloud Encryption」の魅力
今回のファミリーデーセールでは、ストレージ容量だけで考えても非常に安いのだが、さらに追加で「pCloud Encryption」というアドオン機能が無償付帯するのも特徴だ。
pCloudは、スイス企業ということもあってか、ユーザーのプライバシーを特に重視しており、Google Drive、iCloud、Dropboxなどの競合他社のサービスには存在しないレベルの暗号化機能を提供している。
Googleドライブなどの他社サービスは、もちろんログイン時にパスワードは必要であるが、データ自体は平文でクラウド上に存在しているので、究極、Googleのスタッフであれば中身を把握できてしまう。
その点、「pCloud Encryption」を有効にすると、pCloudの中に「Cryptoフォルダ」が作られ、このフォルダの中身は、すべて暗号化された上でアップロードされる。

クラウド上には暗号化したデータが保管されており、ユーザーの端末側で暗号化を解除しなければ中身を閲覧できない仕様なので、pCloudの開発スタッフですら、データの内容を把握できない。
マイナンバーやパスポートなどのID類、所得や税金関係の書類、その他誰にも見られたくないデータなど、機密性の高いデータの保管場所として最適だ。
通常は、pCloud Encryptionを有効にするには、ライフライムプランに追加で、150ドルの支払いが必要なので、今回のファミリーデーセールで無償付帯するのはかなりメリットが大きい。
pCloudの実力を詳細レビュー
pCloudは、コストパフォーマンスが優れているのはもちろんのこと、クラウドとしての機能も非常に充実しており、アプリの完成度も高い。
安かろう悪かろうではなく、なんなら業界No.1と言えるレベルのダウンロードスピードを誇っていたりするので、iCloudやGoodleドライブ、Dropboxからの乗り換え先としても十分なスペックだ。
当サイトでは、過去に詳細なpCloudのレビュー記事もアップしているが、簡潔にpCloudの主要なスペックや機能をおさらいしておく。
- 超高速なダウンロード速度 – 筆者の比較テストでは1GBのファイルを5秒でダウンロードでき業界No.1
- メディア再生機能と外部共有機能が充実 – 音楽やビデオのアプリ内蔵プレーヤー、パスワード付き共有リンクなどの機能も充実
- 無料でも15日間/最大1年間の変更履歴 – 変更履歴からファイル・フォルダを復元できるRewind機能
- クロスプラットフォーム対応 – Windows、macOS、Linux、iOS、Androidなど全主要プラットフォームに対応
こうした充実の機能の中でも、筆者が特に気に入っているポイントを、以下紹介する。
業界トップクラスのダウンロード速度
主要なクラウドストレージサービスの上り・下りの通信速度を比較するため、筆者の環境で1GBのファイルのアップロード・ダウンロードのテストを行った結果が以下の表だ。
なにより目を引くのは、pCloudの圧倒的なダウンロード速度だろう。
他社が数十秒かかるのがザラである中で、わずか5秒で1GBのファイルをダウンロードできてしまった。
サービス | ダウンロード(1GB) テスト結果 | アップロード(1GB) テスト結果 |
---|---|---|
pCloud | 4秒、7秒、8秒 | 2分37秒、3分5秒、3分6秒 |
Dropbox | 30秒、40秒、41秒 | 39秒、40秒、40秒 |
Google Drive | 13秒、13秒、15秒 | 32秒、33秒、34秒 |
OneDrive | 41秒、42秒、43秒 | 1分32秒、1分53秒、1分55秒 |
クラウドストレージを選ぶにあたって、最も体感に影響するのがダウンロード速度だ。
ファイルを閲覧しようとしたときに、即座に表示されなければ、ストレスが溜まってしまうためだ。
最もユーザビリティに影響するダウンロード速度で妥協がないのは高く評価できる。
なお、pCloudのアップロード速度は若干遅めになっているが、筆者自身、5年間pCloudを利用する中で、あまりアップロードを意識したことはない。
PCではバックグラウンドで自動で同期されるため、アップロードがいつ終わっていようが意識すらしないし、スマホの写真もせいぜい50MB程度のアップロードなので、それほど遅いと感じる機会もないのだ。
スマホ版 pCloud アプリの完成度が非常に高い
pCloudは、PCで快適に利用できるのはもちろんのこと、iPhone版やAndroid版のアプリでも、開発の努力が感じられるのが好印象だ。
当然のことながら、pCloudのスマホアプリはとても使いやすく、サクサク動作する。
スマホで撮影した写真やビデオの自動アップロード機能も備わっており、画質や保存先、年月毎のフォルダの自動整理なども可能だ。
iCloudフォトや、Googleフォトなど、OS公式の同期機能と遜色なく快適に使用できる。

pCloudへのアップロードが完了したメディアファイルは、自動で削除する機能もあり、iPhone本体やAndroid本体の容量を節約できる。

筆者は、iPhoneを利用しているが、iCloudの写真同期はオフにして、すべてをpCloud上で管理している。
そのため、pCloudのライフタイムプランを購入してから、iPhoneは常に最も安価でストレージ容量の少ないモデルを購入しており、端末代も大きく節約できている。
また、pCloudのスマホアプリは、かなり高度なメディアプレーヤーを内蔵している。
pCloud上に保存している音楽ファイルやビデオファイルを、pCloudアプリ上で直接再生することができるのだ。

クラウドアプリなのに、音楽ファイルのプレイリスト作成機能などまで用意されているので、クラウド上に保存したmp3ファイルを使って、自分だけのSpotifyを実現できる。

無料でもらえる10GBから試してみるべし
コストパフォーマンスよし、機能性よしのpCloudだが、最も重要なのは、自身の用途に合うかどうかだ。
今回のセールで手に入るライフタイムプランは非常に安価で、2-3年であっという間に元が取れるが、まずはpCloudの無料プランで使用感をお試ししてみることをオススメする。
pCloudは、これもまた太っ腹なのだが、登録するだけで無料でもらえる容量が10GBと、非常に大きいのが特徴だ。
無料ユーザーでも機能の制限がほとんどなく、15日間ものファイル履歴など、他社であれば有料サブスク必須のプレミアムな機能も、無料で利用できるのがありがたい。
当サイトで過去に各クラウドサービスの無料容量の比較なども行っているが、やはりpCloudが最も無料ユーザーに優しいクラウドと言っても過言ではない。
自分1人で、あるいは家族で使えるクラウドストレージを探している人は、まずは無料プランから、pCloudを体験してみてほしい。