iPhoneを使っているが、それほどアプリを試したことがないという人は、iPhoneの真価を発揮できていない。
iPhoneが仕事でも勉強でも本当に手放せないデバイスになるのは、自分のニーズにドンピシャで合致するアプリと出会い、それを使いこなした時だ。
しかし、自分が使ったことのない新しいアプリを探すのは面倒だ。検索してみても、機械的に定番のアプリを並べただけのメディアの記事が大量に出てきて、真に役立つアプリを見つけるのは難しい。
そこでこの記事では、iPhone 4S時代からiPhoneを使い始め、早13年が経つ筆者が、長年の経験から、本当に頻繁に使っているオススメのiPhoneアプリを厳選して25個紹介する。
紹介するアプリは、無料のものから有料のものまで様々だが、いずれも筆者が実際に毎日使っており、すべてのiPhoneユーザーに1度は試してみて欲しいアプリばかりだ。
長年iPhoneを使っている人でも、知らないアプリが1つは見つかるはずだ。
ぜひ参考にして、あなたのiPhoneライフをさらに充実したものにしてほしい。
iPhoneでノートを書く・管理する:Evernoteからの乗り換えも
iPhoneでメモやノートを書く機会は、どんなユーザーでも頻繁にあるはず。この分野は、ユーザーのニーズが特に高い分、多種多様なアプリが登場している。
中でも定番のノートアプリといえば、かつてはEvernoteであった。2008年にリリースされた当初、シンプルで使いやすいノートアプリとして大きな人気を集めた。
しかし最近では、Notionなどのオールインワンアプリの登場や、全く違うアプローチを採るObsidianなどのアプリの登場によって、競争は年々激化し、ユーザーの選択肢は増え続けている。
ここでは、筆者もよく使っているノート・メモアプリを複数紹介し、それぞれの持つ特徴や強みを解説する。
Evernoteの無料プランの2台制限などを受け、乗り換え先を検討している人にも役立つはずだ。
Obsidian:文章を書く全ての人にオススメ
筆者が最も使っている時間が長いアプリは、このObsidianだ。個人的には、EvernoteやNotionなどのサービスよりも使いやすく、美しいインターフェースだと感じている。
「Obsidian」は、iPhoneを含め、Mac, iPad, Windows, Android, Linuxなどあらゆるデバイスで利用できるテキストエディタ・ナレッジ管理アプリだ。
非常に高機能なテキストノート管理アプリであるにも関わらず、無料で利用でき、Mac, iPad, iPhoneなど端末を跨いでiCloudでノートを同期することもできる。
「Markdown」と呼ばれる文法を使ったプレーンテキストファイルをローカルに保存することで動作しているが、リンクや画像も簡単に埋め込むこともできるし、ノート同士をリンクすることもでき、EvernoteやNotionなどのクラウド専用のノート・データベースアプリとほぼ同じ目的に使える。
Obsidianの特徴でもある「Markdown」ファイルとは、文字の装飾をプレーンテキスト上で簡易に実現してしまう便利なフォーマットだ。
例えば、「**文字列**
」というようにアスタリスク記号2つで文字を挟むと太字になったり、「[文字列](https://URL)
」と括弧記号2種を使うだけでハイパーリンクが設定できたりする。
もちろん、これらを暗記しなくても、ObsidianではiPhoneのデフォルトキーボードの上にツールバーが用意されており、主要なテキスト装飾はワンタッチで呼び出せる。
また、Obsidianの特徴として、Markdownテキスト中に[[ファイル名]]
と記述するだけで、ノート同士・ファイル同士を容易にリンクさせて、Notionのように、Wikiのようなデータベースを構築することもできる。
Microsoft OfficeのWordのように、いちいち右クリックでハイパーリンクを追加するなどの煩わしい作業がないし、あくまでテキストファイルなので動作がサクサク高速で、とにかくストレスなく文章を書くことができるのが魅力だ。
Obsidianは、作成されたノートはユーザーの所有物であるファイルとして手元にあるべき、との思想が明確で、自分の大切なノートを企業のクラウドに人質に取られるようなEvernoteやNotionのようなサービスに対するアンチテーゼとも言える。
ノートはPCで使い慣れたフォルダ-ファイル構造を使って整理することができ、またノートに添付した画像なども併せてiPhone上のフォルダ内に保管できる。
筆者の場合、特にブログの記事を執筆するためにObsidianを使っており、記事ごとにマークダウンファイルと添付画像をまとめたフォルダを作っている。
更に、Markdown以外にも、Canvasと呼ばれるオープンソースのマインドマップのファイル形式にも対応しており、ノードと矢印を作って、マインドマップ・ロジックツリーなどをiPhone上で作成することができる。
以下の画像は、Canvasでごく簡単なフロー図を作り、ノードの中で画像ファイルへのリンクを挿入してみた例だ。
マインドマップツールは有料のことも多い中、これも無料で利用できるので、実にありがたい。
また、数多くのユーザーによって開発されたアドオン機能が、コミュニティパッケージとして一覧・検索可能で、自分好みの様々な機能を後から追加することが可能だ。
一般的に広く使われているMarkdown形式を使用しているため、将来的に他のアプリに移行するのも容易なので、ぜひ一度はObsidianでのノート管理に挑戦してみて、肌に合うかを確認してみることをオススメする。
iA Writer:美しくシンプルな執筆体験
iA Writerは、Obsidianと似ているが、よりシンプルなMarkdownテキストエディタアプリだ。iPhoneやiPad、Mac、Windows、Androidで利用することができる。
Obsidian、Scrivener、Ulyssesなど、多数存在するMarkdownライティングアプリ群の中で、独自のスタンスを貫いている。
有料だが、1回買い切りでずっと使い続けることができるので、EvernoteやNotion、Ulyssesなどの月額サブスクリプションが必要なアプリが嫌な人は、検討してみる価値はある。
iA Writerは、Obsidianと比べると、ずっとアプリの構成がシンプルで、「文章を美しい画面で書く」という一点に振り切ったアプリだ。
「フォーカスモード」と呼ばれる編集中の段落以外を隠してくれる集中モードや、シンプルで見やすいインターフェース、iCloudやDropboxとの連携、WordPressなどのブログサービスへの直接投稿機能などが特徴である。
Obsidianのようにコミュニティプラグインで機能を拡張していくことはできないし、深いフォルダ階層をツリー形式で確認したりもできないが、それが逆によく、文章を書く以外のノイズがない。
何かを思いついた時の行き場の決まっていない殴り書きのメモなどを、サッとiA Writerで作成して、とりあえず全部保管して、iPhone, Mac, iPadなどで同期して後日確認するために使っている。
ちょっとしたメモをとりあえず置いておく場所が欲しい、でもEvernoteなどに月額サブスク料を払いたくない、という人に、ぜひお勧めしたい。
Notion:あらゆるノート・データを一元管理
「Notion」は、ノート作成、プロジェクト管理、データベース管理、ウィキなど、幅広い機能を備えたオールインワンのクラウドノート・データベースアプリだ。
よく言えば超高機能、悪くいえば複雑で、使い込めば使い込むほど新しい活用法が見えてくる。
EvernoteやOneNoteのようなノートアプリ、Trelloのようなタスクアプリとしてだけでなく、もっと複雑なデータベースやウィキとしても利用でき、1つのツールでありとあらゆるワークフローを代替できてしまう、高機能・カスタマイズ性が特徴だ。
例えば、個人やチームのタスクを、カンバンボード、カレンダー、リスト形式で管理するテンプレートを使えば、TrelloやAsanaのようなグループウェアと同じことが実現できてしまう。
ノートの中に他のノートをリンクとして挿入したり、ノートの中にスプレッドシートのようなテーブルを挿入したり、テーブルの中にノートやノートブックを埋め込むことができたり、基本機能を組み合わせていけば、多様な用途に適したデータベースをオリジナルで構築することができる。
しかしながら、その分、すべての機能を使いこなすには、多くの学習時間が必要になる。
実際、Amazonで「Notion」と検索してみると、大量のガイドブックや入門書、プロジェクト管理の教科書が出てきて、解説本がたくさん発売されるくらいには複雑・高機能であることが分かる。
とはいえ、そんな複雑な機能をマスターするなんて面倒、という人のために、公式や他のユーザーが用意した「テンプレート」が多数用意されているので安心して欲しい。
議事録を日付や参加者の情報と共に整理するためのデータベースや、企業の社内文書を整理してみやすくWebページのようにまとめるためのデータベースなど、ありとあらゆるシーンに適したノートブック・データベースが用意されている。
たくさん機能があるからといって、全部使わなければならないわけではないので、まずは基本的なノート、ToDo管理の場として使ってみることをオススメする。
気に入って機能をマスターできたら、将来的には、チームでの作業や、会社のタスク管理までNotionに統一することができるかもしれない。
Notability:PDF注釈も録音もできる手書きノート
Notabilityは、その名の通りノートアプリだが、ここまで紹介してきたテキストベースのノートアプリではなく、フリーハンドでイラスト・図形・蛍光ペンなどを書き加えることができ、画像の挿入なども可能な、テキスト・手書きを組み合わせたノートアプリだ。
どちらかというと、iPadでApple Pencilとともに使ったほうが、通常の紙のノート+ボールペンという組み合わせの感覚に近く、快適にノートテイクができる。
iPhone単体で使う場合には、ゴリゴリと手書きノートを作るというよりは、ちょっとしたアイディアを書き留めておいたり、写真やイラストを混ぜないと伝わらない内容を整理するといった使い方になるだろう。
それでも、iPhone単体で利用するのに十分に便利な機能が備わっている。
実は手書きのメモを白紙から作るだけでなく、PDFをインポートして、Notability内でPDFの閲覧と、PDFへのハイライト・注釈づけをすることが可能だ。
さらに、録音機能があり、講義を録音しながらノートを書き込み、後から音声と同期してノートを復習することができる。
学生ならば授業のスライドをPDFでiPhone読み込んで、録音しつつスライドにメモを書き込みながら授業を受けたり、ビジネスパーソンならば会議資料をiPhoneに読み込んで、ハイライトを加えながら会議に参加するといったことができる。
一昔前でいうところの、手帳を持ち歩くようなイメージで、iPhoneで簡単なメモ取りや、資料の確認、録音ができるのが大きな魅力だ。
iPhoneで予定やタスクを管理する
カレンダーやTo Doリストの管理も、たくさんのアプリが存在するが、自分に合ったものを選びたい。
ここでは、シンプルで美しいインターフェースで予定・タスクを管理できるアプリを紹介する。
Notion Calendar:美し過ぎるカレンダーアプリ
Notion Calendarは、元々、Cronという名前で開発されていた美しいインターフェースのカレンダーアプリだ。
その後、Notionによって買収され、現在はNotionと深く統合されて、Notionのカレンダー機能を拡張するアプリとなった。例えば、カレンダーの予定にNotionのページを紐つけてMTGの議事録を添付するといったことができる。
ただ、Notionを利用していない人であっても、Googleカレンダーと同期して利用できるので、特に支障はない。
Mac版も存在するため、MacとiPhoneで共通してNotionカレンダーを利用すれば便利だ。
複数のタイムゾーンを一つのカレンダーに表示したり、Mac版ではMTGの候補日時を簡単に抽出・メール送信できる機能がついていたり、カレンダーアプリ単体としても結構高機能である。
デザイン性の高いカレンダーアプリは有料のものも多い中で、無料で利用できる美しいカレンダーアプリとして優秀だ。
加えて、ウィジェット機能により、iPhoneのホーム画面から、いつでもカレンダーや予定を確認できるのも便利だ。
筆者は、Notion Calendarのウィジェットで、月カレンダーと、直近の予定を表示してくれるウィジェットを気に入って使っている。
Microsoft To Do:ほどよいシンプルさが魅力のToDo管理
Microsoft To Doは、Microsoftが提供するタスク管理アプリで、iPhone, iPad、Android、Windows、Mac、Webブラウザなど様々なデバイス横断で利用できる。
極めてシンプルで、だからこそ使いやすいインターフェースが特徴で、タスクの作成、整理、優先順位付け、期限設定などのTo Doアプリの基本的な機能を備えている。
To Do管理・プロジェクト管理ツールは多数存在し、例えばTrelloやAsanaなどのビジネス向けのプロジェクト管理ツールの無料版を個人で使えば、Microsoft To Doと似たような機能に加えて、カレンダーやガントチャートなど更に多様なビューを利用できたりする。
しかし、単純に直近やることリストをメモる程度の用途では、そういった多機能ビジネスツールでは、ほとんどの機能を使わずに終わるので、無駄に動作が重かったり、無駄に画面がゴチャつく傾向にある。
筆者は、様々なタスク管理法・プロジェクト管理法を試してはみたものの、結局、直近やることリストをシンプルに書き出して、上から順に処理していく方法が肌に合っていた。
Microsoft To Doは、そういった簡素なタスク管理を行っているユーザーにピッタリのアプリだ。
様々なプラットフォームで利用できるので、iPhoneで追加したタスクが、自宅のMacでも、会社の社用Windowsでも確認できるというのも、重要なポイントだ。
iPhoneでメール・ドキュメント・情報を処理する
iPhoneは、通勤途中にニュースを確認したり、メールを処理したり、PDFなどのドキュメントをサクッとチェックするのにも向いている。
ここでは、メールやPDFを快適に閲覧するアプリ、ニュースや情報の収集を楽にするアプリなど、ビジネスパーソンに役立つアプリを紹介する。
Spark:メールアプリはこれ一択
Sparkは、iPhone、iPad、Mac、Android、Windowsで利用できるメールクライアントアプリだ。AI機能を強化する有料版もあるが、基本機能は無料で、筆者もずっと無料版を使っており、何ら不満がない。
複数のメールアカウントを1つのインボックスで管理でき、メルマガ・サービス通知などのメールを自動でカテゴライズして表示してくれるスマート受信箱などの機能が特徴である。
メールを左右にスワイプすることで、未読・既読にしたり、メールをアーカイブしたり、メールをスヌーズして再通知を受けたりといった直感的な操作も魅力だ。
筆者は、多数のメールアカウントと、Mac, iPad, Windows, Androidなど私用・社用で多数のデバイスを持っているため、iPhoneの機種変更をしたり、MacやiPadを購入するたびに、ゼロからGmailアカウント、Outlookアカウント、iCloudアカウントなどなどのメールアカウントを手動で追加・設定し直すのがあまりに面倒だと感じていた。
その点、Sparkならば、一度メインのメールアドレスでSpark自体のアカウントを作成すると、そのアカウントに紐つけた全てのメールアカウントに、一発でログインすることができるようになる。
したがって、ずっとiPhoneを使っていて、新たに購入したiPadでも全てのメールアカウントを受信できるようにしたいという場合に、iPadで1回だけログインすれば、全てのメールアカウントをiPadにも引き継げる。
これだけでも、筆者としてはSparkを使い続ける理由になる。
シンプルで見やすいインターフェースと、メルマガなどを自動で束ねてくれる機能性、そして複数のアカウントを統合したメールボックスを容易にマルチデバイスで管理できるという点で、非常におすすめできるメールアプリである。
PDF Viewer Pro:無料が信じられない超高性能PDFアプリ
PSPDFKitによって開発されているPDFの閲覧、編集、署名アプリである「PDF Viewer Pro」は、iPhoneでちょっとでもPDFファイルを使用する予定がある人は、絶対に入れておいて損のないアプリだ。
有料版もあるが、無料版で十分過ぎるほどの機能が搭載されており、多くの人は無料の機能だけで使い続けることができるはずだ。
PDF Viewer Proでは、PDFをタブを分けて快適に閲覧できるのに加えて、ハイライト(蛍光ペン)やテキストボックス、手書きの注釈などを加えることができる。
参考書などで勉強をしているときにハイライトを引いたり、仕事で書類の内容確認をするときに手書きでサクサクコメントを入れたり、様々な場面で非常に役立つ。
また、閲覧と注釈だけでなく、PDFのページの削除・順番変更なども、無料版で行えてしまう。
仕事でPDFファイルの一部のページだけを抜粋して相手に送りたい、といったことは頻繁に起こるため、その際に必要なページだけ抜き出す作業をiPhone上で行えてるのはとても便利だ。
iOSの「ファイル」アプリと連動しているので、iPhone内に保存しているPDFはもちろんのこと、iCloudやGoogleドライブなどのクラウドサービスに保存しているPDFも閲覧・注釈・編集を行うことができる。
筆者は、特に参考書や教科書をPDF化して勉強することが多いため、iPhoneとiPadで、iCloud上にアップした参考書PDFを移動中に読んだり、勉強中にメモを書き込んだり、非常に高頻度で長年にわたって愛用しているアプリだ。
勉強中の学生や社会人、仕事でPDFの確認や注釈つけが発生する人には、特に強くお勧めしておきたい。
ReadKit:自分専用のニュースフィードを作ろう
「ReadKit」は、「RSSリーダー」と「あとで読む」アプリが一体化したアプリだ。
Feedly、Inoreader、Feedbin、NewsBlurなど主要なRSSサービスや、Instapaper、Pocket、Pinboard、Wallabagなどのあとで読むサービスに対応している。
さて、昔からのインターネットユーザーでなければ、そもそも「RSS」も「あとで読む」も、使ったことがない人も多いのではないだろうか。
RSSフィードとは、ウェブサイトの更新情報を配信するための仕組みだ。ブログ記事やニュース記事などの最新情報が公開されると、そのタイトルや要約、リンクなどがRSSフィードに自動的に追加される。
RSSリーダーアプリを使って、お気に入りのサイトのRSSフィードを事前に「購読」しておくことで、わざわざサイトを訪問しなくても、メールアプリに新着メールが届くような感じで、新着の記事をチェックできるようになる。
ReadKitアプリを開くだけで、事前に登録したお気に入りサイトの新着記事が一覧で表示され、気になった記事を読んだり、未読・既読マークを付けたり、気になった記事を「あとで読む」に登録したりといったことが、非常にスムーズにできる。
いわば、自分専用のニュースアプリを、自分で作ることができるようなイメージだ。朝の通勤電車内で、たとえばAI関連のWebサイトの更新情報を一気読みして、最新情報を頭に入れた上で出社、というようなことができる。
一方、「あとで読む」サービスは、Web上で見つけた「後で読みたい記事」をワンクリックで保存して、アプリなどからオフライン環境を含めていつでもどこでもアクセスできるようにするサービスだ。
情報収集中に、大量の記事を一旦「あとで読む」サービスにどんどん突っ込んでいって、時間があるときに順に読み進めたり、フォルダ分けやタグ付けによって保存した記事を整理したりといった使い方ができる。
ReadKitアプリ上では、InstapaperやPocketなどの「あとで読む」サービスも、RSSフィードと同じく表示することができるので、まずはRSSで最新の記事を一気にチェックし、その上で気に入った記事を「あとで読む」に保存しておいて、時間があるときにゆっくり読む、という効率的なインプットが可能だ。
ReadKitには、iPhone版だけでなくiPad版やMac版も存在するので、通勤電車の中でのニュースの斜め読みにiPhoneを使って、夜に自宅でiPadやMacでゆっくり記事を読むといった使い方ができるのも魅力である。
また、特定の条件に応じて自動で記事をフォルダ分けする「スマートフォルダー」などの機能も使いこなすと、大量のWebサイトの更新情報を集めたい場合に有効だ。
Reeder:デザインが美しいRSSフィード&あとで読むアプリ
Reederもまた、RSSフィードとあとで読むサービスを管理するための定番アプリだ。
シンプルで洗練されたデザインが特徴で、デザイン上の好みとしてReadKitではなくReederを選択する人も多いように思う。
ReadKitとReederは共に人気のあるRSSリーダーアプリだが、いくつかの違いがある。
Reederならではの強みとしては、デザインの美しさに加えて、ウィジェット機能にも対応していることから、iPhoneのホーム画面に最新のRSSフィード/直近で保存した「あとで読む」を表示させることができる。
カレンダーの予定と並べてウィジェットを配置すれば、1日の予定とニュースをまとめてチェックできて便利だ。
また、料金形態としてもReederとReadKitにはいくつか違いがある。
Reederは、1回買い切りの有料アプリで、一度料金を払えば数年間使い続けることができる(iPhone版なら700円)
ただし、数年に一度、Reeder 3, Reeder 4, Reeder 5といった感じでメジャーアップデートがあり、その際には新しいアプリとしてリリースされるので、改めて購入し直す必要がある。
また、Reederは、iOS版とmacOS版は別々のアプリなので、両方のデバイスでReederを利用したい場合には、両方に課金をする必要がある。
一方、ReadKitは、年間1,000円、もしくは月間300円のサブスクリプションで、継続的に課金が発生する。
ReadKitは、Reederとは異なり、iOS/iPadOS版とmacOS版で同一の機能を提供するユニバーサルアプリなので、1度課金すると、その課金は全てのデバイスで共通して使うことができる。
ReadKitのサブスクリプションが嫌な人は、ライフタイムプランも用意されており、iPhone版のみなら1,500円、iPhoneとMac両方の永続ライセンスは3,500円で提供されている。
どちらも一長一短で、機能も似通っているため選ぶのが難しいが、iPhoneのみで使用予定でアプリのデザイン重視ならReederを、iPhoneとMacを横断して使用する予定があり長期的にアップデートを受け続けたいならReadKitを選ぶ、というのが正解ではないか。
Instapaper:「あとで読む」サービスの鉄板
ReadKitとReederの紹介の過程ですでに触れたが、「あとで読む」サービスはとても便利だ。
「あとで読む」アプリの代表格として、無料で利用でき、フォルダ分けなど基本的な機能を一通り備えている「Instapaper」をお勧めしたい。
Safariなどのブラウザで見つけた気になるニュースや、あとで見返したいWebページなどがあったとき、ブラウザのタブを無限に貯めて行ってしまう人も多いのではないか。
ブラウザなどで保存したいページがあったとき、共有メニューからInstapaperアプリを選択することで、一箇所にあとで見返したい情報を集約していくことができる。
Instapaperのアカウントを作って、先に紹介したReadKitやReeder上でInstapaperのログイン情報を入力すれば、RSSフィードと同じ画面でReadKit等のアプリ上で一括で確認することができて便利だ。
ただ、Instapaperのアプリもついでに入れておくことで、上記のようにブラウザから共有メニューを使えるようになったり、過去に見た記事をフォルダ分けして管理したりといった場合にも便利なので、ReadKitやReederと合わせてインストールしておくことをお勧めする。
生成AIの力をiPhoneに:メール代行から英語学習まで
ChatGPTやClaude 3など、最近話題沸騰になっている超高性能な大規模言語モデルは、Web版だけではなくiPhone版アプリも提供されている。
これらを使いこなすことで、メールの文章作成など簡単なタスクをAIにやってもらえるようになったり、海外旅行中に現地語の看板を撮影して解説してもらったり、英会話の練習相手になってもらったり、iPhoneをさらに便利なデバイスに昇華させることができる。
ここでは、主要なチャットアプリから、Google検索に代わるAIによる検索アプリ、AIとの英会話アプリまで、AIを活用したiPhoneアプリを5つ紹介する。
ChatGPT:iOSへの統合も噂される鉄板の最強AI
ChatGPTは、言わずと知れたOpenAIによって開発されたGPT-4, GPT-3.5などの大規模言語モデル(LLM)とのチャットができるサービスだ。
Bloombergのレポートによれば、AppleとChatGPTを開発するOpenAIが合意して、来たるiOS18には、ChatGPTが搭載されるとも噂されている。
特に最新のGPT-4モデルの精度は非常に高く、メールの要点を伝えてビジネスメールを執筆してもらったり、Excelなどの関数を書いてもらったり、勉強中にわからない点を質問したり、学習から仕事まで様々な場面で優秀なアシスタントとして活躍してくれる。
最新のGPT-4モデルを使うためには、月々3,000円がかかるChatGPT Plusに登録する必要がある。
無料版では1世代前のGPT-3.5しか利用できないので、やはり回答の精度が低く、一度でもGPT-4を使えば無料版では満足できなくなってしまう。
ただ、ChatGPT Plusであれば、GPT-4が使えるだけでなく、DALL-E 3という画像生成AIによるイラストや画像の生成もできたり、GPTsと呼ばれる特定のタスク特化のカスタムChatGPTを使えたり、さまざまな機能が強化されるので、月々3,000円もそこまで高すぎるとは思わない。
PC版でもChatGPT Plusのサブスクリプションは共通なので、PCで仕事で利用することも多い人であれば、ChatGPT Plusに登録して損はないだろう。
実際に、プレゼン資料に貼り付けられるようなベクターデザインをDALL-E 3で生成させた例が以下のものだ。iPhone上でも、言葉の指示によって、指定した通りの画像を手に入れることができる。
また、当サイトで過去に詳細な使い方を解説しているが、ChatGPTアプリには「Voice」機能があり、音声入力に対して、音声でAIが返事をしてくれる。
これを応用すれば、日本語を英語に翻訳し、英語を日本語に翻訳するような同時通訳の役割をChatGPTに果たしてもらうこともできてしまう。
あらゆるシーンで役立つので、まだ十分にChatGPTを活用しきれていない人は、ぜひ一度は有料版に課金して、各機能を試してみることをお勧めしたい。
Claude:絶対王者ChatGPTのほぼ唯一のライバル
元OpenAIの社員が立ち上げたAnthropic社が開発するClaude 3も、GPT-4などと同じく大規模言語モデルサービスの一つだ。
Claude 3の最上位モデルである「Claude 3 Opus」は、ChatGPTの最上位モデルGPT-4の性能を凌ぐとも言われており、競争の激しい大規模言語モデルの間で、GPT-4と唯一肩を並べるTOP2の精度を持つ。
筆者自身、Claude 3 Opusの力には度々驚かされており、特に日本語での作文能力がGPT-4以上に高いと感じている。
ビジネスメールを書かせたり、英文を日本語に翻訳させたりすると、ほとんど手直しが必要ないレベルの完璧な日本語文が生成される。
基本的な機能は、ChatGPTアプリとほぼ同じであり、チャットができたり、写真を添付して画像に写っている内容について質問したりといったことができる。
実際に、ドイツの薬局で見つけた入浴剤のパッケージを写真に撮り、何が書いてあるのかを尋ねると、入浴剤の詳細を詳しく解説してくれた。海外旅行の際などに、パッケージや看板に書いてある内容がわからない場合などにも、画像も読み取れるマルチモーダルなAIアプリは非常に便利だ。
Claudeアプリの無料版で使えるのはChatGPTでいうところのGPT-3.5に相当する「Claude 3 Sonnet」モデルまでで、最上位の「Claude 3 Opus」を使用するにはChatGPT Plusと同じ月額利用料が必要になる。
ChatGPTとClaude 3を両方使っていると月々40ドルかかってしまうので、それぞれを利用してみて、自分のユースケースに適したモデルを選ぶことをお勧めする。
特に日本語での文章作成でAIを利用することを予定している人は、ChatGPTではなく、Claudeアプリをメインで使ってもいいかもしれない。
Perplexity:AIを使って「検索」する新しい体験
ChatGPTやClaudeの弱みは、AIモデルの学習段階で使用したデータに知識が限定されており、最新のニュースなどについては答えることができないという点だ。
そうした大規模言語モデルの弱みを補い、リアルタイムのウェブ検索機能を備えているチャットAIが、「Perplexity」である。
Perplexityも詰まるところはAIとのチャットアプリだが、ChatGPTなどの類似ツールと比較すると、Perplexityはとにかく情報検索に特化しており、GPT-4やClaude 3 Opusなどの最新AIが、Web上の情報を検索・結果を要約して回答を生成してくれる。
有料版では、ユーザーの質問の意図の裏側まで読み取って、ユーザーに追加質問をしながら、より良いWeb検索とより良い回答の生成を行う「Pro Search」がほぼ回数無制限(1日300回〜)で利用できる。
しかも、有料版では、回答の生成を担当するAIモデルを、Perplexityのオリジナルモデルだけでなく、OpenAIのGPT-4やAnthropicのClaude 3 Opusなど、非常に精度の高い他社のモデルからも選ぶことができる。
そのため、生成される検索結果を要約した文章も、そのまま学生のレポートや会社の資料に含めても大丈夫なレベルの、非常に自然な文章が出力される。
Perplexityアプリで検索結果として表示される回答は、引用元が脚注で明記されるため、どのようなWebサイトから情報を収集してきたかも、ちゃんと分かるようになっている。
リアルタイムの情報検索と、信頼できる情報源に基づく正確な回答により、学習や研究、日常の疑問解決など、様々な場面で活躍が期待できる。
また、ChatGPT PlusやClaude Proなど複数のAIアプリに課金をしたくない場合に、Perplexityだけ課金しておけば主要なAIモデルがすべて利用できるので、実は非常にお得にAIチャットボットを利用する方法でもある。
当サイトでは、Perplexityの機能や使い方を詳しく解説した記事もあるのでぜひ参考にしてほしい。また、初回登録時に10ドルの割引を受けられる紹介コードもあるので、興味がある人はこちらから登録してみて欲しい。
スピーク:無限に英会話を楽しめる最強アプリ
「スピーク」は、AIとの英会話に特化したアプリだ。
フリートーク形式で、アドリブが効くので、決まったセリフをAIが返してくるのではなく、こちらが何を言うかに応じて、AIが話題を展開していってくれる。
英会話教室に通わなくても、フリートークでの会話練習が好きなだけできるのが非常に心強い。
英語初心者であっても、AIが喋っている英語の日本語訳や、こちらからの返答の例が表示されるので、会話に詰まることなく練習を継続できる。
こちらが発言した内容は全てテキストとして書き起こされ、後から見直したりできるほか、AIがその内容をチェックして、より良い表現の提案などもしてくれるので、会話が一通り終わった後の復習にも非常に役立つ。
人間との会話練習では、自分の発言の記録が残るわけではないので、後から自分の表現を改善するための復習が難しいので、これはAIならではの大きな利点だろう。
また、何度失敗しても、相手がAIであれば全く恥ずかしくないので、とにかく何回も練習を繰り返すことができるのが素晴らしい。
筆者は、かつて米国の大学院に進学する前に、1時間20ドルほどを払ってネイティブの講師との英会話練習をしていたが、今やAIを使えば格安で大量の会話練習ができるのだから、これから英語のトレーニングをする世代が本当に羨ましい。
ELSA Speak:英語の発音のパーソナルコーチ
「ELSA Speak」は、スピークと同じく英語のトレーニングのためのアプリだが、よりハードコアに発音の改善に徹底的に振り切ったアプリだ。
ユーザーの発音を分析し、母音や子音の発音、イントネーション、リズムなどについてリアルタイムでフィードバックを提供する。
例えば、会話文の練習では、指定された会話文をユーザーが読み上げると、1音1音をAIが聞き取って、発音を評価してくれる。
少しでも発音が変なところがあれば、該当する音節が黄色・赤色にハイライトされる。うんざりするぐらいに細かい発音矯正を受けることができる。
AIアプリならではの利点として、同じ文章を100回、1000回とやり直してもAIが評価を続けてくれるので、本当に発音が改善して完璧な評価が受けられるまで、永遠に練習を続けられる。
また、どこが間違っているかが視覚的に分かりやすく表示されることで、自分がいつも「th」の発音でつまづくなあ、といった感覚も自然と湧いてくるので、苦手な発音記号の練習などの対策を立てやすくなる。
「スピーク」アプリでの英会話から更にステップアップして、発音のトレーニングをしたい人に、強くお勧めしておきたい。
当サイトでは、AIを活用した3つのアプリで、英語力を高める方法を整理した記事もアップしているので、ぜひ参考にして欲しい。
iPhoneのセキュリティを向上させる
iPhoneをはじめスマートフォンが生活の中に溶け込んで、ごく一般的な人も、様々なアプリやWebサイトのアカウントをたくさん持つことが当たり前になった。
たくさんのサービスに会員登録する中で、IDとパスワードの組み合わせがワンパターン化してきてしまう人も多いのではないだろうか。
そういったパスワード管理の面倒くささや、セキュリティ上の懸念を解消するツールがあるので、現代の必需品として、これらも紹介しておきたい。
Bitwarden:無料で使えるパスワード管理アプリ
パスワード管理アプリ「Bitwarden」は、オープンソースで開発されており、高度な暗号化技術を用いてパスワードを安全に保管・管理できるパスワードマネージャーだ。
パスワードマネージャーとは、従来のようにパスワードを自分で考え記憶するのではなく、アプリに自動で生成させて、それをアプリにまとめて保管しておく、というツールのことだ。
多くのパスワードマネージャーは有料でそれなりにお金がかかるが、Bitwardenの優れた点は、無料プランでも機能制限が少なく、無制限のパスワード保管や同期が可能なことだ。
新しいサイトやアプリでアカウントを作成するときに、Bitwardenでパスワードを生成し、そのまま保管しておくことで、次回以降、Bitwardenの自動入力でログインすることができるようになる。
初回にBitwardenでパスワードを生成したサイトには、次回以降アクセスした際、キーボード上に表示される「パスワード」から、指紋認証やFace IDを使ってBitwardenのロックを解除すれば、瞬時にログイン情報が自動入力される。
自分でIDとパスワードの組み合わせを考えて暗記しておくのには限界がある。
しかし、多数のサービスを使っているとどうしても複数のサイトで共通のIDとパスワードを使うことになり、そうすると一つでもアカウント情報がログインすると、全てのアカウントが芋づる式にハッキングされてしまう、というリスクがある。
そうしたときに、パスワードマネージャーを利用することで、セキュリティと利便性の両方を達成することができる。
なお、SafariやiCloudにデフォルトでパスワードの自動生成や保管をする機能が備わっているが、あえてこれを使わずにBitwardenを利用するのには理由がある。
SafariやiCloudのキーチェーンを使うと、iPhoneとMacなどAppleデバイスで統一して利用している場合は良いが、WindowsやAndroidなどApple以外の端末でパスワードを確認できなくなってしまう。
そうすると、会社のPCからどうしても何かのサービスの自分のアカウントにログインしたいときに、iPhoneやMacを万一持っていなかったら、ログイン情報が自分でも全くわからない、という事態に陥る。
その点、iPhone, iPad, Macだけでなく、WindowsでもLinuxでも使えるBitwardenを利用することで、いつでもどこでも自分のパスワード管理庫にアクセスできるようになるため、汎用性が高い。
Authy:全人類が設定すべき2段階認証の鉄板
「Authy」は、2段階認証(2FA)を簡単に導入できるアプリだ。
2段階認証とは、パスワードに加えてもう1つの認証方法を組み合わせることで、アカウントのセキュリティを高める仕組みのことを指す。
例えば、パスワードを入力した後に、Authyなどのアプリが生成した6桁の数字を入力する、といった具合だ。これにより、たとえパスワードが漏洩しても、2段階目の6桁の数字にアクセスできない限り、第三者にはログインができないため、セキュリティが強固になる。
Authyの機能は非常にシンプルで、2段階認証に必要な6桁のワンタイムパスワード(OTP)を生成することに尽きる。
事前にAuthyアプリをインストールし、2段階認証に対応したサービスのパスワード設定などで2段階認証をオンにして、認証コードをAuthyで生成する設定にしておけば、以降、ログインのたびにAuthyアプリを開いて6桁の数字をコピペすれば良い。
特に、上で紹介したBitwardenなどのパスワードマネージャーへのログイン時には、全てのパスワードが保管されており漏洩した際のリスクが高いので、絶対に2段階認証をオンにしておいた方がいい。
筆者の場合、GmailなどのGoogleアカウント、DropboxやpCloudなどのクラウドサービス、その他2段階認証を設定可能なサービスは、すべて6桁コード(Authy)を使った2段階認証をオンにしている。
6桁コードの生成を行えるアプリは、Google Authenticatorなど複数存在するが、Authyは、iPhone, iPad, Macなど各デバイスでアプリが提供されており、利便性が高く、また将来iPhoneを買い替える際の引き継ぎなども容易なので、筆者としてはAuthyを特にお勧めしたい。
iPhoneで勉強・仕事・睡眠のリズムを管理する
iPhoneはいつでもどこでも持ち歩け、ベッドにも持ち込めるので、生活のトラッキングに使うのに特に適している。
ここでは、勉強や仕事に集中するための時間管理アプリや、睡眠の深さなどを測る睡眠トラッキングアプリを紹介する。
Tide:自然の音でリラックス・集中するタイマーアプリ
「Tide」は、森の音、海の音、雨の音などの自然環境サウンドを聴きながら、勉強や仕事を25分+5分をワンセットで行う「集中」モードや、サウンドによる入眠支援から起床時のスマートアラームを備えた「睡眠」モードなど、タイマー・アラームを使用できるアプリだ。
シンプルなポモドーロタイマーとしても使用できる上、美しいインターフェースで、美しいサウンドを聴いてリラックス・集中することができるのが魅力だ。
サウンドの種類を増やすには、有料版に課金する必要があるが、無料版でも海、雨、森など基本的なサウンドは聴くことができ、タイマー機能の制限などもないので、無料版で十分その魅力を味わうことができる。
筆者は、勉強中によくTideを利用することが多い。
歌付きの音楽などを聴くと集中が削がれるので、Tideの自然環境サウンドを聴くことで、周囲の雑音を打ち消しながらも、集中の邪魔にならない静かな自然音の中に身を置くことができる。
25分というタイマーの設定も変更可能なので、筆者は50分集中して作業をして、1時間おきに立ち上がったりストレッチしたりといった休憩を入れる、というタイマー設定を使っている。
それぞれの人が、自分に最適な設定にして使え、集中時から睡眠時まで使えるタイマー・アラームがオールインワンで提供されているので、非常にありがたいアプリだ。
Forest:集中すればするほど木が育つ育成ゲーム
Forestもまた、ポモドーロ・テクニックを活用した勉強・仕事に使えるタイマーアプリだ。
ポモドーロ・テクニックでは、25分の作業と5分の休憩を1セットとし、4セット行った後に長めの休憩を取る。短い時間に区切ることで集中力を維持しやすくなり、休憩を挟むことで脳の疲労も防げる。
Tideがサウンドとデザインによるリラックス要素を強みとしていたのに対し、Forestはイラストやゲーミフィケーションを特色としている。
Forestでタイマーをセットして作業を開始すると、アプリ内に木が植えられる。
アプリから離れずに集中し続けると木が成長するが、他のアプリを使うと木が枯れてしまう仕組みだ。
集中した時間に応じてコインを獲得でき、それを使って新しい種類の木をアンロックできる。集中した時間と頻度に応じて木々がレベルアップしていくというのは、さながらゲームアプリのようで、Tideとはまた違った魅力がある。
スマートフォンの画面を触ってしまうのを防ぐことができるので、勉強・仕事をしようと思ったらついついYouTubeやXを見てしまう・・・という人にお勧めだ。
Sleep Cycle:いびき・寝言の録音もできる睡眠トラッキング
Sleep Cycleは、iPhoneで利用できる睡眠トラッキングアプリだ。
このアプリは、睡眠中の動きや音を分析することで、睡眠の質や睡眠サイクルを追跡する。また、最適なタイミングで目覚めることができるスマートアラーム機能も備えている。
眠りに着く前に、iPhoneを充電した状態で枕の近くに置くだけで、簡単に睡眠データを収集できる。
睡眠の質と睡眠時間をグラフ化して詳細に分析できることに加えて、寝ている間にいびきや寝言、周囲の騒音など何かしらの音があった場合の録音が可能なので、いびきや睡眠時無呼吸の検出も行うことができる。
筆者の場合、アレルギー鼻炎なので、いびきをしている時間が長く、何時にいびきを書いているかが視覚的にわかりやすい上に、いびきの音声の録音を聞き返すことができるので、周囲にどれくらいいびきが聞こえているかを推し量ることができる。
また、道路の音など騒音がある家の場合には、自分の睡眠が浅い原因が、周囲の騒音にあるということが、録音トラッキングにより判明するといったこともあるだろう。
まだ睡眠時のトラッキングをしたことがない人は、ぜひ一度試してみて、自分が知らないうちに大きないびきをかいていないか、睡眠の妨げになる周囲の環境音などがないか、チェックしてみることをお勧めする。
日常生活のあらゆる場面でiPhoneをもっと活用する
ここまで大まかな生活シーンやカテゴリごとにオススメのiPhoneアプリを紹介してきたが、それらのカテゴリに収まりきらなかったが、絶対に外せないアプリたちもまとめて紹介する。
あらゆるアプリを組み合わせて、独自のワークフローを作れるアプリから、買い物からお出かけまで役立つ日常系アプリまで、これらも筆者が長年使い続ける必須のアプリである。
ショートカット:iPhoneの機能を無限に拡張できるApple純正アプリ
iPhoneの「ショートカット」アプリは、日常的なタスクを自動化し、効率化するための強力なツールだ。
このアプリを使うと、複数のアプリやアクションを組み合わせて、ワンタップやSiriへの音声コマンドで実行できるショートカットを作成できる。
例えば、Siriに「帰宅」と言うだけで、自宅までの経路を表示し、自宅のエアコンを起動し、お気に入りの音楽を再生し、家族にメッセージを送信するといったことが可能になる。
ショートカットアプリでは、ギャラリーから既存のショートカットを追加したり、自分でゼロからショートカットを作成したりすることができる。
ギャラリーにあるものだけでも、複数の画像からGIFアニメーションを作ったり、何かと役立つショートカットが充実しているので、ぜひ幾つかショートカットを試してみて欲しい。
自分でオリジナルのショートカットを作る場合についても、ビジュアルで分かりやすい画面で、ノーコードでアプリ同士の連携を指定できる。
プログラミングの知識がなくても高度なアプリ間の連携を実現できるのが利点だ。
例えば、録音した音声を音声認識AIモデルの「Whisper」にテキスト化させた上で、OpenAIのAPIを使ってGPT-4に校正させ、複雑な言葉を含む音声でも、超正確に書き起こしてくれるショートカットを作ることまでできてしまう。
当サイトでは、実際にWhisperとGPT-4を組み合わせたショートカットの作り方を、チュートリアル形式で解説しているので、より高度なショートカットアプリの活用例に興味がある人は、ぜひそちらもチェックしてみてほしい。
もちろん、そこまでマニアックでなくても、自分がよく使う動作をショートカット化して、ワンタップで実行できるようにしておくと本当に楽だ。
例えば、筆者は当サイトの運営のためにもiPhoneでスクリーンショットを頻繁に撮影するため、カメラロールがスクリーンショットで埋め尽くされてしまうことがある。
そこで、カメラロールからスクリーンショットを一括で削除するショートカットや、複数の写真ファイルの名前変更を一括で行えるショートカットなどを作成して、よく使っている。
Keepa:Amazonの価格履歴で常にベストな買い物を
Keepaは、Amazonの価格情報確認という非常にピンポイントな機能に特化したツールだ。
特定の商品について、過去の価格推移を閲覧することができるので、例えばAnkerのモバイルバッテリーが欲しい時に、直近で値下げされた時はなかったか、最後のセールでいくら安くなっていたかなどをチェックできる。
この記事で紹介した他のアプリに比して、単機能すぎる気もするが、多くの人はAmazonで月1以上は買い物しているのではないかと思うので、現代人の生活必需品と言っても良いのではないか。
特に、ブラックフライデーなどの行事での割引セールでは、セールの直前に価格を引き上げて、セールになったら大幅割引しているように見せる・・・といった手法もよく使われるので、「このセール価格は本当に過去と比べてもお得か?」をチェックできるKeepaを使うのはマストだ。
ロケスマ:痒い所に手が届く「地図」アプリ
「ロケスマ」は、チェーン店の一覧や、コインパーキングなどの施設の一覧を、地図上にピン形式で表示してくれるアプリだ。
例えば、車で移動している時に、移動先の駅の周辺にコインパーキングがあるか、また周囲のどのコインパーキングが安いのかを、地図の上で直接調べることができるので、非常に便利だ。
また、カフェ、ファミレス、回転寿司、牛丼チェーンなどの飲食店はもちろん、コンビニやドラッグストアなどの買い物場所、ガソリンスタンドやカーシェアポートなどの車移動に必須の情報など、痒いところに手の届くマップが大量に用意されている。
GoogleマップやAppleマップのアプリでは、「牛丼屋すべて」といった検索をするのはなかなか難しく、特定のジャンルのチェーン店を地図上でわかりやすく表示できるロケスマは、唯一無二のツールだ。
ロケスマのアプリ上でピンを指定して、そこまでのナビをGoogleマップのアプリで表示する、といった使い方もできるので、GoogleマップやAppleマップを補完するように活用できる。
Yahoo!カーナビ:普通のカーナビが要らなくなる最強のカーナビ
Yahoo!カーナビは、その名の通り、普通の車についているカーナビの機能をほぼ全て網羅したiPhoneアプリだ。
Googleマップでもルート案内は可能だが、高速道路での分岐など、日本ならではの道路事情から、どうしてもナビが分かりにくいことがある。Googleマップか、車に元からついているカーナビかを選ぶ必要がある場合、カーナビを選んでしまうことが多い。
その点、Yahoo!カーナビは、日本のYahoo!が開発しているだけあって、首都高での分岐が続くゾーンを含め、車に備え付けのカーナビとも遜色のない、非常に分かりやすいナビの表示をしてくれるのが魅力だ。
高速道路の料金表示などにも対応しており、複数のルートを比較して選べるので、これもGoogle Mapと比べると網羅性・柔軟性が高いように思える。
iPhoneにYahoo!カーナビアプリを入れておけば、カーシェアやレンタカーを使用する際に備え付けのカーナビが使い物にならなくても、最新かつ高精度のナビを利用することができて助かる。
筆者は、運転席の周りのエアコンに挟んで取り付けるスマートフォンの車載マウントを購入して、カーシェアやレンタカー利用時でも、見やすい位置でiPhoneを固定し、カーナビアプリを表示している。