今月、M3 Mac Book Airが突然登場したのを受けて、数年ぶりに、新しいMacを購入した。
せっかく、購入したばかりのMac Book Airのセットアップをゼロから行うので、私がどのような初期設定を行っているのか、Mac初心者や初めてMacを使う人のために、まとめてみることにした。
長年Macを使ってきた筆者にとっては、いずれの設定も、快適なMacライフを送るために必要不可欠なもの。
これなしではPCを使うのがストレスになってしまうほどだ。
筆者は、大学在学中から10年以上Mac Book Air, Mac Book Pro, Mac miniなどを使用してきた。
大学院時代にはプログラミングや機械学習のお供としてMacを利用し、私生活でもミラーレス一眼で撮影した写真や映像のAdobe LightroomやPremier Proでの編集などに利用しており、世間的にはヘビーユーザーと言えるだろう。
人それぞれ好みは異なる部分もあるだろうが、1ヘビーユーザーのオススメ設定として、ぜひ参考にしてほしい。
Macの神トラックパッドを更に快適に使うオススメ設定
Mac Book Air / Proを使用する大きな利点の一つは、他社製PCを引き離す、超高性能のトラックパッドだろう。
筆者も、WindowsのノートPCで仕事をする際にはマウスがないとストレスを感じるが、Macの場合、2本指スクロール、スワイプによるジェスチャー、ピンチズームなどが非常に滑らかに動作するため、トラックパッドのみでもあまりストレスを感じない。
そんな必需品のトラックパッドを、より一層快適に使えるよう、以下の設定項目2つだけは、是非とも変えておくことをおすすめしたい。
セットアップ時に変更必須の項目は、以下の2つだ。
- 「軌跡の速さ」を速くする
- 「タップでクリック」を有効にする
トラックパッドの「軌跡の速さ」
「軌跡の速さ」は、カーソルが画面上で移動する速さをコントロールできる。
カーソルを速くすれば速くするほど、より少ない指の移動距離で、より広いスペースを移動できるということになる。
画面のハジからハジまで移動するために、トラックパッドに指を何回も置き直すことなく、ワンストロークで画面中を移動できるようになるので、疲労感に大きく影響してくる。
トラックパッドをタップするだけでクリック
「タップでクリック」もまた、デフォルトでオンになっていないのが不思議なくらいの必須機能だと思う。
クリックする際に、ぎゅっと指を押し込んでクリックするのではなく、スマホと同じようにトラックパットに触れるだけでクリックができるようになる。
トラックパッド使用時の指の負担を下げ、また周囲に聞こえるカチッカチッという音もなくなる。
タップでクリックをオンにすると、意図せずあちこちをクリックしてしまうのでは、と思うかもしれないが、その心配はほとんど不要だ。
Macのトラックパッドは非常に高精度なので、カーソル移動のために指先をトラックパッドに付けても、不思議とクリックとは認識されず、クリックしようと思ってタップした時だけクリックになる。
どういった技術で識別しているのかは不明だが、とにかく違和感なく利用できてスゴいので、一度オンにしてみて欲しい。
マウス利用時の疲労感を軽減する必須の設定
マウス利用時の「軌跡の速さ」
トラックパッドと同様に、マウスも利用する人は、マウスの「軌跡の速さ」も上げておくことをオススメする。
トラックパッドとは別に設定項目が存在するので、トラックパッド、マウスそれぞれ、好みの速さに調整しておこう。使い慣れれば速さはMAXで問題ない。
少ない移動距離で、画面全体を移動できるようになるので、マウス利用時の腕の疲れが圧倒的に軽減される。
一日中パソコンに向かって仕事をしているような場合、マウスやキーボードによる手首の疲れ、腱鞘炎などに悩まされている人も多いかもしれない。
高性能なマウスや、トラックボールマウスなどを購入してまで、腕や手の疲れの軽減を図る以前に、まずは軌跡の速さの変更は絶対に試しておくべき設定だ。
Mac Bookでも作業領域をドンと拡張!ディスプレイ設定
作業スペースが大きく変わる解像度設定
Mac Book Airの13インチや、Mac Book Proの14インチを購入した場合、15/16インチのモデルに加えて、画面の作業スペースが限られている。
特に、購入直後のMacのデフォルトの状態では、文字サイズが結構大きく設定されているので、ブラウザとワード、メッセンジャーなどの複数のウィンドウを開いた状態では、かなりスペースが足りないと感じるのではないだろうか。
実は、画面サイズはそのままでも、画面に表示されるウィンドウやテキストの量を大きく増やす方法がある。
設定から「ディスプレイ」を開き、解像度の設定で最も文字が小さい「スペースを拡大」というオプションを選ぶと、画面のスペースがグッと広がるのが即座に実感できるだろう。
勝手に画面の色・明るさが変わるのを止める
Macは、デフォルトでは、環境の明るさに応じて自動で画面が暗くなったり明るくなったり、画面が茶色っぽくなったり青白っぽくなったりする。
一応、Macの周りがどのような環境であっても、画面が同じ色に見えるように工夫・調整してくれている「Ture Tone」という機能によるものだが、正直かなり邪魔だと感じる。
夜でもないのに日陰に入ると勝手に画面が暗くなったり、画面がTrue Toneで茶色になっていることを忘れて撮影した写真をチェックしていて、本来の色味をチェックできていなかったり、とにかくストレスが多いので、筆者はオフにしている。
動画や映画を見る場合にも、やはり本来の色味で閲覧ができるように、True Toneは切っておくべきだろう。
Mac Bookのキーボードのファンクションキーで簡単にディスプレイを明るくしたり暗くしたりできるのだから、これらの機能がオフでも、自分が本当に画面が暗くなって欲しい時だけキーボードで明るさを変更すれば済む。
Dockの見た目スッキリ・使いやすさ向上のオススメ設定
特にWindowsからMacに乗り換えた場合、Macの画面下に表示されるDockは新鮮なものかもしれない。
それなりに大きく画面下のスペースを占拠しているので、Dockを使いやすく、見栄え良くカスタマイズするのはMacの使い心地を大きく左右すると思う。
Dockのカスタマイズは、かなり各人の好みによるとは思うが、筆者のおすすめ設定を紹介しておく。
Dockが作業スペースを侵食しないように隠す
特にMac Book AirやMac Book Proなどのラップトップで、画面の作業スペースが限られている中で、画面下部の数センチをDockで占拠してしまうのは非常に勿体無い。
「Dockを自動的に表示/非表示」をオンにすると、使っていない時はDockが画面外に隠れるようになる。
そうすると、画面いっぱいにウィンドウを拡大して作業ができるので、限られたラップトップの画面領域をフル活用することができる。
いつでもDockの見た目が変わらないようにする
「アプリの提案と最近使用したアプリをDockに表示」がオンになっていると、直近で利用したアプリが、Dockの右側にいくつか表示されるようになる。
頻繁に使用するアプリはそもそもDockに登録してしまえばいいし、そこまでではないアプリを直近使ったからといって勝手にDockに追加されるのは、個人的には気持ち悪い。
毎回、Dockを表示するたびに、そこに何のアプリのアイコンが表示されているかが変わってしまうのは嫌なので、「アプリの提案と最近使用したアプリをDockに表示」はオフにしている。
フォルダの中身が見えないようにする
デフォルトでは、Dockの右下に、ゴミ箱アイコンとダウンロードフォルダへのショートカットが表示されている。
「ダウンロード」に限らず、「書類」などよく使うフォルダをここに登録しておくと、なにかと便利だ。
ただし、デフォルトでは、フォルダをDockに追加すると「スタック」というフォルダの中身のファイルを重ねて表示するモードになる。
これもまた、画像をダウンロードすると画像が見えてしまったり、.dmgや.zipファイルをダウンロードすると別に美しくもないアイコンが勝手に表示されてしまったり、見栄えがゴチャゴチャしてよろしくない。
「ダウンロード」フォルダの上で右クリックすると、表示形式を変更することができるので、「スタック」形式が好きでない人は、「フォルダ」形式で表示するように設定を変更しておくことをオススメする。
Finderでやっておくべき必須の設定
Windowsでいうところのファイルエクスプローラーが、MacのFinderだ。フォルダやファイルにアクセスするためのメインツールになる。
Finderも、様々なカスタマイズが可能になっており、自分が使いやすいように変更しておくのがオススメだ。ここでは、筆者がオススメするMacを買ったら最初にやるべき設定を紹介する。
デスクトップに余計なアイコンが表示されないようにする
デフォルトでは、MacにSDカードや外付けドライブ、iPhoneなどを接続した場合に、デスクトップにそのドライブのアイコン(ショートカット)が表示される。
また、Macではアプリをインストールする際に、.dmg
という形式のファイルをダウンロードしてインストールすることが多いが、.dmg
はディスクイメージとして認識されるため、.dmg
ファイルを開くたびにデスクトップに無駄なショートカットアイコンが増えていく。
自宅で外付けSSDを常時繋いでおく場合などにも、どっちにしろFinderでSSD内のファイルにはアクセスするわけで、デスクトップに常時SSDのアイコンが表示されているのは無駄だし邪魔である。
こうしたストレスを軽減するために、Finderのウィンドウを開いた状態で、左上のメニューから「設定」を開き、「一般」「デスクトップに表示する項目」のチェックを全て外しておくことをオススメする。
サイドバーの表示項目をカスタマイズする
Finderのサイドバーに表示される項目は、自分の好きなようにカスタマイズすることができる。
筆者の場合、Macのミュージックフォルダ、ビデオフォルダ、ピクチャフォルダは使用していないため、これらは表示領域を節約するためにチェックを外している。
一方で、AirDropでiPhoneとの間でファイルを送受信したり、デスクトップ・書類・ダウンロードフォルダは非常に頻繁に使うので、サイドバーに常時表示しておくようにしてある。
Google Drive、Dropboxなどのクラウドストレージサービスを利用している場合も、それらのドライブへのショートカットをサイドバーに加えておくと良いだろう。
ちなみに筆者は、pCloud Driveというクラウドストレージアプリを利用している。
おすすめのクラウドストレージについては、当サイトの以下の特集記事も参考にしてほしい。
表示しておくと便利なFinderのマイナー情報
あまりメジャーな機能ではないかもしれないが、Finderには、現在どの階層のフォルダを開いているかが一目でわかる「パスバー」や、ディスクの空き容量を表示してくれる「ステータスバー」が備わっている。
デフォルトでは表示されていないので、Finderのメニューの「表示」から、これらの表示領域をオンにしておくことをオススメする。
「パスバー」を表示しておくことで、ドキュメントをフォルダ分けして整理する場合などにパスが分かって便利だし、パスの途中のフォルダをクリックして上の階層に瞬時にジャンプしたりといったこともできる。
「ステータスバー」があれば、常に空き容量を確認できるので、Mac Book Air / Proの256GBモデルなど容量が限定されたモデルを購入した場合に、ストレージマネジメントをする上で便利だ。
CapsLockを許すな!絶対にやるべきキーボードのカスタマイズ
WindowsでもMacでも同様だが、キーボードにある使い道のないキーの代表といえばCapsLockだろう。
Mac Book Air/Pro本体のキーボードはもちろんのこと、外付けキーボードを使う際にも、他のもっと有用なキーとして使えるように、CapsLockを無効にして、別のキーを割り当てておこう。
Macの設定アプリ上からも、キーボードのCaps Lockなどのキーの割り当てを変更することは可能だが、より柔軟な設定が可能なアプリ「Karabiner Elements」はMacユーザーの必須ツールだ。
Karabinerを使うと、内蔵のキーボード、外付けのキーボードなど、異なるデバイスごとにキーの割り当てを変更したり、function keyの特定のボタンだけを別のキーに変えたりといった柔軟な設定が可能になる。
Macの設定アプリを使うよりも、ずっと利便性が高いので、こちらのアプリを利用することをお勧めする。
各人の好みに合わせて割り当てを変更したいキーを選べば良いが、筆者は以下のように、全てのデバイス共通で、CapsLockキーを、左コントロールキーに変更している。
Macでは、「control + F」「control + B」などのキーボードショートカットで、文字入力中にカーソルの移動をすることができる。
これらのキーボードショートカットを利用すると、ホームポジションから一切指を動かす必要なく、カーソル移動、deleteやbackspaceなどを使えるので、疲労軽減にさらに貢献してくれる。
CapsLockキーを左controlにリマッピングすることによって、これらのショートカットを左の小指でCapsLockを押すことで呼び出せるようになるので、非常に便利なのだ。
瞬速タイピングを可能にする音声入力の裏ワザ
使ったことがない人も多いかもしれないが、Macには音声入力機能が備わっており、キーボードショートカットで簡単に音声入力モードを呼び出すことができる。
これを活用すれば、長文のテキストを打つ際などに、口でしゃべった内容が瞬時にタイピングされていく、という革新的なライティング体験をすることができる。
しかも、音声入力モードとキーボードでの通常の文字入力モードは、非常にスムーズに行き来することができる。
例えば、ある段落はマイク入力によってテキストを入力し、次の段落では複雑な単語があるのでキーボードで入力するなど、途中で作業を止めることなく、柔軟に入力方法を入れ替えながらライティングに集中することができるのだ。
おすすめの設定は、Macの設定の「キーボード」の項にある「音声入力」をオンにして、音声入力モードを呼び出すショートカットとして右コマンドキーのダブルクリックを設定しておく方法だ。
これによって、打ち込むのが面倒な長い文章の段落を書く際に、さっと右コマンドキーをダブルタップして、すぐに口で喋り始めて音声入力を行うことができるので、とても便利だ。
メニューバーがスッキリ!ノッチに隠れるアイコン問題を解決
MacBook AirやMacBook ProなどのMacBookシリーズには、画面上部にノッチと呼ばれるインカメラが設置されている領域があり、ディスプレイの上部中央に空白地帯が存在する。
様々なアプリを追加する過程で、メニューバーのアイコンが多くなってくると、ノッチの下にアイコンが隠れてしまうという問題が発生する。
また、ノッチに隠れてしまうほどたくさんのアプリを入れていない人であっても、明らかに常時表示しておく必要のない常駐アプリのアイコンが右上のメニューバーに溜まってくるとストレスだ。
表示するアイコンと表示しないアイコンを選択し、本当に常時表示させておくべき情報量を絞り込むことができるアプリが「Hidden Bar」だ。
アイコンの表示順を好きに入れ替えることができる上に、常時表示エリアと、「<」という矢印マークをクリックした際だけ表示するエリアを作ることができる。
例えば筆者は、バッテリー残容量、Wi-Fi、設定、日時だけが表示されるようにしている。
ほとんど使うことない無駄なアイコンが一掃されるので、美観も改善されるし、ノッチにアイコンが隠れてしまう問題も解消することができる。
また、隠してあるアイコンも適切に並び替えを行なって、できるだけ右側の方によく使うアプリのアイコンを配置しておくことで、Hidden Bar展開時に一部のアプリがノッチに隠れてしまっても、必須のアイコンにはアクセスできる状態を保つことができる。
筆者の場合、Googleドライブなどのクラウドストレージのアイコンは、たまにアクセスしたい時があるので、非表示領域の右側に配置している。
コピペしたテキストの余計なフォーマットを削除
Webサイトなどからテキストをコピーして、Wordなどにペーストする際に、元のフォントや背景色までもコピーされてしまい、書式・フォーマットをいちいち戻さなければいけないのはとても面倒だ。
プレーンテキストだけをコピーして、プレーンテキストだけをペーストできるようにするには、残念ながらMac純正では設定項目がないので、無料のアプリを入れる必要がある。
「Get Plain Text」というアプリを入れて、フォーマットの「自動消去」にチェックを入れておくと、テキストをコピー&ペーストした際に、書式設定を削除したプレーンテキストとしてペーストすることができる。
書式・フォーマットも一緒にコピーしたいときには、この「自動消去」設定をオフにすれば良いので、困ることはない。
不要なアプリの完全なアンインストールを実現
通常、MacOSではアプリをゴミ箱に入れるだけでアンインストールしたことになるが、関連ファイルが残ってしまう。
「AppCleaner」は、MacOSでアプリケーションを完全にアンインストールするための有名アプリだ。
アプリケーションに関連するすべてのファイル(設定ファイル、キャッシュ、ライブラリファイルなど)を検出し、まとめて削除することができる。
しかも、ドラッグ&ドロップでアプリをAppCleanerウィンドウにドロップするだけで、簡単にアンインストールができる。
Mac App Store以外に、WEB上で見つけた様々なアプリを入れている場合、アンインストール方法をそれぞれのアプリについて把握しておくのが難しくなるので、AppCleanerを入れておいて、不要なアプリは全て投げ込んでしまうのが一番楽だ。
zipなど圧縮ファイルの利便性を向上させる
MacOSにも、デフォルトでzipファイルの圧縮や解凍ができるアーカイバーが備わっているが、zipファイルにパスワードをつけたり、大きなファイルを複数に分割して圧縮したりといった機能は備わっていない。
「Keka」は、そういった一通りの必須機能を備えたMacOS用のオープンソースのファイルアーカイバーアプリだ。
Mac App Storeでは有料アプリとして販売されているが、公式サイトからはオープンソースソフトなので無料で入手できる。
Macを利用していて、仕事などでzip圧縮ファイルをよく使う場合などは、必須と言っていいだろう。
ついでに、多様なアーカイブ形式に対応しており、ZIP、7z、TAR、GZIP、BZIP2など、様々な形式のファイルを圧縮・解凍することもできる。
.zipファイルのパスワードや分割圧縮機能だけでも結構便利なので、ぜひ入れておくべきだ。
有料だがこれだけは入れて!Better Touch Tool
Macのただでさえ強力なトラックパッドのジェスチャー機能を、さらに高性能にしてくれるのが「BetterTouchTool」というアプリだ。
特にトラックパッドを多用するMac Book Air / Proユーザーにとっては、まさに必須のアプリで、王道・有名な有料アプリケーションの1つと言っていいだろう。
また、BetterTouchToolには、おまけでWindowsのようなウィンドウリサイズ機能がついてくるため、これまた必須の機能と言える。
2年間の更新プランで10ドル、一生涯使えるプランで22ドルと、そこまで高額ではないので、せっかくMacを買ったら是非とも導入して欲しい。
トラックパッドやマウスのジェスチャーを設定
「BetterTouchTool」を使えば、マウス、トラックパッド、Touch Bar、キーボードなどの入力デバイスにショートカットを割り当てることができ、Apple純正の限られたジェスチャーを大幅に拡張できる。
トリガー(ジェスチャーなど)とアクション(起動するコマンドなど)の組み合わせを自由に設定できるので、例えば3本指のスワイプでMission Controlを起動するなど、macOSで廃止されたジェスチャーを復活させることができる。
例えば筆者は、3本指でトラックパッドをクリックすると、マウスのミドルボタンをクリックしたのと同じになるようにしたり、TipTap (3本指のうち、2本を固定して、左・中・右を動かす)したときに、ブラウザの戻る・新規タブ・進む機能が使えるようにしている。
これによって、指や手首の動きを最小限に留めながら、よく使う機能を簡単に呼び出すことができるので、非常に便利だ。
また、設定ファイルは共有することができるので、Web上でユーザーのおすすめ設定をインポートして真似することもできる。
Windowsなら当たり前の必須機能ウィンドウスナップをMacでも
BetterTouchToolには、Windowsのウィンドウスナップ機能と同様の機能が含まれており、トラックパッドのジェスチャーを魔改造するのに加えて、ウィンドウスナップ機能がついてくるのも嬉しい。
ウィンドウスナップとは、ウィンドウを画面の端にドラッグするだけで、簡単にウィンドウのサイズを変更し整列させるための機能だ。
例えば、ウィンドウを画面の左右の端にドラッグすると、ウィンドウが画面の半分のサイズに自動的にリサイズされる。また、ウィンドウを画面の上端にドラッグすると最大化される、といったような機能だ。
スナップエリアをカスタマイズして、好みの位置やサイズにウィンドウを配置することも可能だ。
Windows PCであればデフォルトでついている機能だが、残念ながらMacではデフォルトで備わっていないため、BetterTouchToolのようなサードパーティーのアプリを導入する必要があるのだ。
有料だがこれだけは入れて!Alfred 5
Macでは、Command + Spaceをクリックすると、「Spotlight検索」が利用できる。
Spotlight検索は、Mac内にあるファイルを検索したり、アプリ名を検索してエンターキーを叩くだけでそのアプリを起動したりと、純正のシンプルなランチャーとして最低限の機能を備えている。
よく使うアプリが増えてくると、いちいちLaunch Padを開いてアプリアイコンを探すのは面倒になっていくので、キーボードでテキストを打ちながら、即座にアプリ名を打ち込んで起動できるのはとても便利だ。
そうしたランチャーの機能を、さらに高機能にするのが「Alfred 5」だ。
これもまた、BetterTouchToolと並ぶ王道オブ王道のMacアプリと言える。
Alfredは、ウェブ検索、計算、スペルチェック、システムコマンドなど、Spotlightにはない多くの追加機能を備えている。
例えば、冒頭に「Google」と打ち込むと、その後に続く単語を、即座にブラウザ上でGoogle検索してくれる。
こうした検索先は設定からカスタマイズすることができ、「drive キーワード」と打ち込むとGoogleドライブ上のファイルを検索したり、「maps キーワード」と打ち込むと、即座にそのキーワードでGoogle Mapを検索できたりする。
筆者は、仕事でGoogle Workspaceを使っているので、GmailやGoogleドライブをキーボードショートカットでどこからでも検索可能なのは非常に便利だ。
また、スニペットやクリップボード履歴なども機能として備わっており、Macの利便性が大幅に向上する。
スニペット機能を使えば、「!date」と入力したら今日の日付「20240328」に自動で変換してくれるようにしたり、メールでよく使う定型文を瞬時に打ち込むことができたりする。
さらにWorkflowsと呼ばれるカスタマイズ機能を使えば、Alfredのランチャー上からChatGPTに直接質問できるようにすることも可能で、まさに可能性は無限大だ。
Macのポテンシャルを引き出すには初期設定が重要
Macを快適に使うためには、ユーザーごとに合った設定を行うことが重要だ。
本記事では、10年以上のMac歴を持つヘビーユーザーの視点から、Macを購入した直後に行うべき初期セットアップを一通り解説してみた。
トラックパッドの設定、キーボードのカスタマイズ、Finderの効率化などから、デフォルトで入っていて欲しいレベルの必須アプリの紹介まで扱った。
一見些細な設定でも、日々の使い勝手に大きな影響をもたらし、作業効率を大幅に向上させる設定やアプリなので、ぜひ参考にして欲しい。
MacOSは非常に高機能で完成度の高いOSだとは思うが、ウィンドウスナップのように、Windowsで当たり前の基本的な機能が欠けていることもあり、デフォルトの設定で使い続けるだけでは勿体無い。
本記事で紹介した設定を参考に、自分なりのカスタマイズを施すことで、より快適で生産的なMacライフを送ることができるだろう。
長年の経験から生まれたこれらのオススメ設定は、Macを購入したばかりの初心者の方から中級者まで、幅広いユーザーの役に立つはずだ。あくまで筆者の好みではあるので、これをヒントに、自分好みの設定を見つけていってほしい。