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AI動画生成ツール最前線:Kling 3.0・Seedance 2.0・Sora 2・Veo 3.1・Runway 4.5を徹底解説

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2026年2月4日から15日までのわずか11日間で、Kling 3.0、Seedance 2.0、Veo 3.1と立て続けにメジャーアップデートが発表された。

2025年9月にリリースされたSora 2、そして12月に登場したRunway Gen-4.5を加え、5つのツールが、AI動画生成の覇権をかけて熾烈な競争を繰り広げている。

半年前まで「AI感が抜けない」「使い物にならない」と言われていた動画生成AIが、いまやネイティブ音声の同時生成、マルチショット(1本の動画内で複数のカットを自動生成する機能)、高精細出力を実現し、プロの映像制作ワークフローに本格的に組み込まれ始めている。

本記事では、主要AI動画生成ツール5つを、料金・品質・使い勝手・日本からのアクセス方法まで横断的に比較する。

ユースケースに合わせて、どのツールを選ぶべきかの判断材料を整理したので、クリエイターや動画マーケティング担当者はぜひ参考にしてほしい。



5大・動画生成AIモデルの機能・料金まとめ

まずは主要スペックと料金を一覧で比較する。

中国発のKling, Seedanceに対して、米国発のSora, Veo, Runwayが、開発競争・アップデート競争を繰り広げている状況だ。

大きな注目を集めているSeedance 2.0は、中国からしか利用できず、日本から利用するにはサードパーティーの迂回ルートを使う必要がある。

項目Kling 3.0Seedance 2.0Sora 2Veo 3.1Runway Gen-4.5
開発元Kuaishou(快手)ByteDanceOpenAIGoogle DeepMindRunway
最大解像度1080p(4Kは画像モデル)2K (2560×1440)1080p1080p(Ultra: 4K)720p(4Kはアップスケール)
最大尺10〜15秒(最大6カット連結)15秒25秒(Pro)8秒(延長で60秒+)60秒(ロングフォーム)
フレームレート30fps24fps24-30fps24fps24fps
ネイティブ音声対応(5言語)対応(8言語+)対応対応(空間オーディオ)Pro+のみ
画像入力1〜2枚最大9枚1枚1〜2枚対応
動画入力なし最大3本なし1〜2本対応
音声入力なし最大3ファイルなしなしなし
月額料金無料〜約$100約$10〜$100+3,000円〜30,000円1,200円〜36,400円$12〜$76
無料枠66クレジット/日3生成+120日次ポイントなしなし限定的
日本からの利用可能利用不可。迂回ルートあり可能可能可能

用途別・おすすめ動画生成AIモデル

個々のモデルの詳細を紹介していく前に、ユースケースに応じた、鉄板のおすすめモデルをまとめておく。

商用利用で法的リスクを最小化したいなら Adobe Firefly。特に中国勢のモデルは権利上の懸念が大きい。Adobe Fireflyは権利クリアな素材のみで訓練されており、Creative Cloud統合で既存ワークフローにも組み込みやすい。5秒という尺の制限が許容できれば、最も安全な選択肢である。

SNSコンテンツ(TikTok・Reels・Shorts)なら Kling 3.0。無料枠があり、マルチショットでストーリー性のある縦型動画を低コストで量産できる。日本語リップシンク対応も強みだ。

広告・マーケティングなら Seedance 2.0。参照動画からスタイルを抽出・再現できるため、既存動画を流用したバリエーション生成やコンセプト動画生成に向く(ただし、アクセスハードルが高い)。代替としてはVeo 3.1が有力で、プロンプトに的確に従ってくれるし、月額2,900円で50本生成できるコスパも魅力である。

映画・映像制作なら、フェーズで使い分けるのが合理的だ。コンセプト段階ではVeo 3.1がプロンプトの意図どおりの構図を出せるため、ストーリーボードなどに向く。マルチショットの物語構成にはキャラクターの一貫性を維持したまま6ショットを生成できるKling 3.0という組み合わせが有効だ。

予算ゼロで始めるなら、 Kling 3.0の無料枠が最も充実。Standard Mode 5秒なら約10クレジットで生成でき、1日に数本は無料で試せる計算だ。

以下では、主要動画生成モデル5種について、一つずつ強み・弱みをまとめ、実際に日本から利用する方法まで解説していく。自分のユースケースに合っていそうなモデルがあれば、ぜひ試してみてほしい。

Kling 3.0:コスパ最強のマルチショット動画

Kling AIのトップページ。Kling 3.0 OmniリリースやCanvas Agentの告知バナーが表示されている
  • 強み
    • 1本の動画内で最大6カットを生成しても同じキャラクターの見た目が崩れない
    • Omniモードで複数キャラクターの会話・動作を@メンション制御
    • 月$10〜、無料枠(66クレジット/日)で業界最安水準
    • 日本語含む5言語のリップシンク対応
  • 弱み
    • 音声に”こもっている感”あり
    • 5キャラクター超の多人数シーンで崩れやすい

Kuaishou(快手)が2026年1月31日に正式リリースしたKling 3.0は、「ソロ映画制作時代の幕開け」を掲げる野心的なモデルである。

最大の特徴は、1本の動画の中で最大6ショットを自動で分割し、カメラアングルやキャラクターの配置を変えながらも、同一キャラクターの見た目を維持し続ける「マルチショットシーケンス」だ。

従来のAI動画ツールでは、ショットを切り替えるとキャラクターの顔や服装が微妙に変わってしまう問題があったが、Kling 3.0はサブジェクトバインディング機能で参照画像(正面・横顔・3/4アングル)をロックすることで、一貫性を大幅に改善している。

Omniモードで複雑なマルチキャラクターシーンを制御

Kling 3.0のもうひとつの注目機能が「Omniモード」である。事前に作成したElements(キャラクター・シーン・アイテム)を@メンションで呼び出し、複数キャラクターの会話や動作を細かく指定できる。

たとえば、@Nana reads a book on the sofa while @Ken pours coffee and @Miku bursts through the door と書けば、3人のキャラクターがそれぞれ異なるアクションを同時に実行する。各キャラクターの話し方やトーンも Dad (whispering, in a nervous tone): I think we need to leave now. のような構文で制御可能だ。

Kling AIのOmniモードでキャラクターを@メンションしてプロンプトを入力している画面

対応言語は中国語・英語・日本語・韓国語・スペイン語の5言語で、同一シーン内で異なるキャラクターが異なる言語を話す動画も生成できる。

料金:月$10からプロ品質の動画が作れる

Kling AIの料金体系はクレジット制で、「尺」「解像度」「音声の有無」の3要素でクレジット消費量が決まる。

プラン月額クレジットProfessional 5秒の本数目安
無料$066/日(繰越なし)約1〜2本/日
Standard約$10〜$15660/月約18〜20本/月
Pro約$35〜$403,000/月約85本/月
Premier約$90〜$1008,000+/月約230本/月

実際の運用では1本の動画に対し複数回の試行錯誤が必要になるため、Standardプランの実質生産量は月5〜10本程度と見込むのが良さそうだ。

それでも1クリップあたり$0.50〜$1.50という価格は、ストック映像($50+/クリップ)やプロのアニメーター($500+)と比較すれば破格である。

API経由(fal.aiなど)では$0.10/秒(音声なし)、$0.18/秒(音声あり)で、5秒動画が約$0.50〜$0.90で生成できる。

日本からもklingai.comでそのまま利用可能で、登録はメールアドレスのみ。無料枠(66クレジット/日)も地域制限なく使え、日本語のリップシンクにも対応している。

Seedance 2.0:12ファイル同時入力のマルチモーダル制御

  • 強み
    • 最大12ファイル同時入力(画像9+動画3+音声3)で業界最多のマルチモーダル対応
    • 参照動画からカメラワーク・VFX・編集リズムを抽出して再現可能
    • ビート同期のミュージックビデオ自動生成
  • 弱み
    • 日本からの直接利用不可(中国SIM+実名認証が必要)
    • セーフティガードが不十分で著作権リスクあり

ByteDanceが2026年2月8日前後にリリースしたSeedance 2.0は、AI動画生成の概念を根本から変えるアプローチを採用している。

従来のツールがテキストプロンプトか1枚の参照画像を入力とするのに対し、Seedance 2.0は最大12ファイル(画像9枚+動画3本+音声3ファイル)を同時に参照入力できる。

そして、参照動画からカメラワーク・アクション・編集リズム・VFXを抽出し、それを新しい動画に適用できる点にある。

これにより、以下のようなワークフローが実現する。

  • 既存動画の編集: キャラクターの差し替え、シーンの延長、スタイル転送
  • テンプレートの複製: 好きな広告や映画クリップのスタイルを参照し、自分の素材で再現
  • ビート同期編集: 音声ファイルを参照入力し、ミュージックビデオのリズムに合わせたカット割りを自動生成

ハリウッドを巻き込んだ著作権論争

Seedance 2.0のリリース直後、アイルランドの映画監督Ruairi Robinsonが「2行のプロンプトだけで作った」トム・クルーズとブラッド・ピットの格闘動画がSNSで拡散し、大きな論争を引き起こした

MPA(Motion Picture Association)はByteDanceに対し「米国著作権作品の無許可大規模使用」の停止を要求している。

注意
Seedance 2.0は現時点でセーフティガードが不十分な状態にある。実在する俳優やキャラクターの肖像を生成する行為は、著作権・肖像権の侵害となる可能性がある。商用利用を検討する場合は、権利関係を慎重に確認してほしい。

日本からのアクセス:サードパーティ経由が現実的

Seedance 2.0は、現時点で中国国内のByteDanceエコシステム内でのみ正式提供されており、利用には中国本土の+86 SIM電話番号と実名認証が必要である。

日本の読者にとって現実的なアクセス方法は、WeShop AIなどのサードパーティプラットフォーム経由だ。

WeShop AIのSeedance 2.0紹介ページ。マルチモーダル入力やマルチショット対応などの機能一覧が表示されている

WeShop AIはSeedance 2.0エンジンを統合しており、メールアドレスだけで登録でき、国際クレジットカードで決済可能である。

ByteDanceは、剪映の国際版であるCapCutや、即梦の国際版であるDreaminaへのSeedance 2.0展開を予告しているが、具体的な日程は公式には未発表だ。展開が実現すれば、日本からも直接アクセスできるようになる見込みである。

Sora 2:物理シミュレーションの最高峰、しかし激しい競争で苦戦

Sora 2のコミュニティページ。ユーザーが生成した多様なジャンルの動画がギャラリー形式で並んでいる
  • 強み
    • 物理シミュレーション精度が業界最高峰(重力・衝突・流体力学)
    • 最大25秒のネイティブ連続尺(競合の約2倍)
    • Storyboard機能でシーン展開をタイムスタンプ単位で制御
  • 弱み
    • Plusプラン(月額3,000円)は720p制限でプロユースに不向き
    • Proプラン月額30,000円は業界最高額
    • 公式APIなし
    • プロンプト遵守が不安定との指摘あり

OpenAIが2025年9月にリリースしたSora 2は、「ワールドシミュレーター」というアプローチで他のツールとは一線を画している。

重力、運動量、衝突、変形、流体力学、材質特性といった物理法則を深く理解したうえで映像を生成するため、バスケットボールのバウンドや水面の波紋など、物理的な正確さが要求されるシーンでは他のツールを圧倒する。

最大25秒というネイティブ連続尺は競合の約2倍で、TikTokやInstagram Reelsの縦型動画にそのまま投稿できる長さだ。

Storyboard機能を使えば、1本の動画内の特定タイムスタンプに異なるプロンプトを配置して、シーン展開を細かく制御できる。

Sora 2のStoryboard機能。シーンごとに説明を入力し、タイムスタンプ単位で動画展開を制御できる

料金:ChatGPTセットはお得だが、解像度・透かしがネック

Sora 2の料金体系は、ChatGPTのサブスクリプションに紐づいている。

月額3,000円のPlusプランの1,000クレジットで生成できるのは720pで約12本、1080pならわずか約5本だ。

ChatGPT Plusを既に契約しているユーザーにとっては「ボーナス機能」として割り切れるが、動画生成目的だけで払うにはコスパが悪い。

プラン月額クレジット解像度最大尺透かし
Plus3,000円1,000/月720p5秒あり
Pro30,000円10,000+無制限Relaxed1080p20秒なし

一方、Proプランの月額30,000円は業界最高額だ。Kling 3.0なら同じ予算でPremierプラン(8,000+クレジット/月)を2ヶ月分賄える。

ダウンロード数45%減:中国勢に押されるOpenAI

TechCrunchの報道によれば、Sora 2専用アプリのダウンロード数は、2026年1月に前月比45%減(120万DL)まで落ち込み、課金額も32%減少した。

累計ダウンロード960万に対し、総課金額はわずか$140万にとどまっている。

Kling 3.0やSeedance 2.0など中国発モデルの急速な品質向上によって、あえてSora 2を使うべき理由が下がってきていることが要因であろう。

Veo 3.1:Geminiセットのコスパとプロンプト追従力

Google GeminiでVeo 3.1による動画生成を選択している画面。日本語UIでメニューが表示されている
  • 強み
    • プロンプト遵守の信頼性が最高(複雑なカメラワークも一発で再現)
    • 空間オーディオ対応の3Dサウンド
    • Pro月額2,900円で約50本生成可能(同価格帯で圧倒的コスパ)
  • 弱み
    • 最大8秒の尺制限(延長2〜3回で一貫性劣化)
    • 物理シミュレーションはSora 2に劣る

Google DeepMindが開発するVeo 3.1は、「映画のようなルック」と「空間オーディオ」という2つの強みで差別化している。

ユーザーの指示を的確に再現してくれるプロンプト遵守度が高く、複雑なカメラワーク指定を1回の生成でほぼ正確に再現できる。

他のツールでは3〜4回の調整が必要なシーンでも、Veo 3.1なら一発で意図どおりの構図が得られることが多い。

空間オーディオは、車が左から右に通過すれば音もステレオフィールド上で移動する3Dサウンドを実現している。環境音(海、交通、森、レストランの厨房など)の品質は特に優秀で、そのまま使用可能なレベルの音声が得られる。

料金:Gemini経由でコスパの良い選択肢に

プラン月額内容
Google AI Plus1,200円Veo 3.1 Fast(限定的)、200クレジット/月
Google AI Pro2,900円Veo 3.1 Fast、1,000クレジット/月、1080p
Google AI Ultra36,400円Veo 3.1フル、25,000クレジット/月、4K、透かしなし
API(映像のみ)$0.50/秒公式Google API
API(映像+音声)$0.75/秒公式Google API

Pro(月額2,900円)で月約50本生成できるのは、Sora 2のPlus(月額3,000円)で720p約12本と比べて圧倒的にコスパが良い。

日本からはGemini App、Google AI Studio、Vertex AI経由でアクセスでき、Gemini Pro加入で利用開始できる。

Runway Gen-4.5:60秒ロングフォームとクリエイティブ制御の老舗

Runway Gen-4.5の動画生成画面。Start Frameの指定やプロンプト入力欄、生成済みギャラリーが表示されている
  • 強み
    • Multi-Motion Brush・Director Modeでクリエイティブ自由度が最高
    • Explore Mode($76/月)で無制限Relaxed生成
    • 最大60秒のロングフォーム対応
  • 弱み
    • ネイティブ解像度720p(4KはAIアップスケール)
    • ネイティブリップシンク非対応

Multi-Motion Brushで特定領域を独立してアニメーションさせたり、Director Modeで全パラメータを細かく制御したりと、クリエイティブの自由度は今なお最も高い。最大60秒のロングフォーム生成に対応している点も、他のツールにはない独自の強みである。

Explore Mode($76/月のProプラン)では無制限のリラックスモード生成が可能で、アイデアの探索フェーズに向いている。

ただし、ネイティブ解像度は720pで、4KはAIアップスケールによるもの。ネイティブ音声はPro+プラン以上でないと利用できず、リップシンクにも対応していない。

アーティスティックな出力を得意とする一方、純粋なフォトリアリズムでは他のツールに劣る場面もある。

runway.comでグローバル提供されており、日本からの利用にも制限はない。

プラン月額特徴
Basic$12基本機能
Standard$28拡張クレジット
Pro$76Explore Mode(無制限Relaxed)

ベンチマーク1位が頻繁に入れ替わる動画生成AI業界

2025年12月のリリース時、Runway Gen-4.5は、Artificial Analysis Video Arena(匿名ブラインド比較による人間評価のEloレーティング)でElo 1,247を記録し、Veo 3やKling 2.5を抑えて1位を獲得した。

しかし、2026年1月以降にKling 3.0 Pro、xAIのGrok Imagine、Vidu Q3 Proが相次いでランクインし、2月時点では4位に後退している。

トップ8がわずか26ポイント差にひしめく状況であり、AI動画生成の競争がいかに激化しているかを象徴するエピソードだ。

ユースケースに合わせて動画生成AIを選べる時代

AI動画生成モデルは、「使えるか使えないか」というフェーズから、質が急激に向上し、自分のユースケースに向いているサービスを複数の候補から選べるようになりつつある。

多数存在する動画生成AIの選び方としては、以下がポイントになるだろう。

  • 用途を特定する: SNS向けの量産か、クライアント向けの高品質コンテンツか、会議用のストーリーボード作りか、用途によって最適なツールはまったく異なる
  • 予算を決める: 無料(Kling無料枠)から月額36,400円(Veo Ultra)まで幅広い。月間の動画本数・必要な試行錯誤の回数から、コスパのいいプランを見極める

迷ったら、まずはKling 3.0の無料枠から始めるのが最も合理的だ。

66クレジット/日という無料枠は業界最大級であり、マルチショットやOmniモードの実力を実際に体験できる。

筆者プロフィール画像

この記事を書いた人 kumori

AIツール/アプリ/ガジェットを実際に検証し、具体のユースケースまで噛み砕いて解説しています。

  • 米国の大学院で統計学(修士)
  • Python・Rによるデータ分析
  • マーケティング/広告運用(TV〜Web、数十億規模PJのリード経験)



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