AIじゃないよ

新型iPad Pro / Airよりも、あえて新型iPad miniをオススメする理由

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iPad mini 6の発売から約3年が経ち、ついにiPad miniが第7世代にアップデートされた。

iPadのラインナップも多様化しており、今年の5月には、M4チップを採用した新型iPad Pro / iPad Airも登場したばかりだ。

数あるiPadの中でも、筆者はやはり「iPad mini」の購入をオススメしたい。

筆者は8年以上の間、iPad Proの初代からProを使い、11インチiPad Pro、12.9インチiPad Pro、iPad mini 4, 5, 6などを渡り歩き、大学院での研究生活からビジネスユースまで、iPadを使い倒してきた超ヘビーユーザーだ。

ライフスタイルの変遷とともに、最もお気に入りのiPadモデルは移り変わってきたものの、iPad miniはその独自の魅力から、絶対に手放すことのできないスタメンである。

中でも第6世代iPad miniから、USB-Cに対応し、Apple Pencil 2の磁気吸着・無線充電にも対応したことで、「iPad初心者はこれ買っておけば間違いない」端末へと昇華されたと思う。

さらに、2024年10月発売の第7世代iPad miniが、iPhone 15 Proと同じ「A17 Pro」チップを採用し、最新のiPhoneやMacに限定されると思われていた「Apple Intelligence」にも対応したことで、iPad miniは、AppleのAI技術を体験するためのデバイスとしても第一選択肢になりうる。

本記事では、多くのユーザーにとってiPad miniがベストな選択肢になり得ると筆者が考える理由と、最新のiPad Pro 第7世代、iPad Air 第5世代を含めたiPadシリーズの他モデルとminiを比較した際の優位性、魅力、具体的ユースケースを紹介していく。

iPadを初めて購入したいという人から、iPadの乗り換えを検討中の人まで、現在のラインナップからどのiPadを買うべきか悩んでいる人は、この記事を参考に、ぜひiPad miniも有力候補として考えてみて欲しい。



iPad miniの主要スペックをおさらい

2024年10月23日、iPad mini (A17 Pro)が新たに発売される。2021年9月にiPad mini 6が登場してから、実に3年ぶりのアップデートである。

外観のデザインは前世代のiPad mini 6が踏襲されているので、本記事ではiPad mini 7の登場を前に、iPad mini 6の豊富な写真とともに、iPad miniの魅力を紹介していく。

iPad mini 7、iPad mini 6のいずれも、8.3インチのLiquid Retinaディスプレイを搭載している。iPad mini 5の7.9インチから画面サイズは拡大しているが、ベゼルを狭めたことで本体サイズはほぼ同じに抑えられている。

本体サイズは、よく書店に売っている単行本の書籍(B6サイズ)くらい、あるいはiPhone 12 miniや13 miniを横に3台並べたくらいのサイズ感で、片手で軽々と持つことができる。

写真は、iPhone 12とiPad mini 6を並べてみた様子だ。

iPad ProのようなFace IDではなく、指紋認証でロック解除できるTouch IDが電源ボタンに内蔵されている。マスクを着用していても、暗い場所でも、顔を近づけることなくロック解除できるので、この点も好む人は多そうだ。

また最新のiPhoneと同じく、USB-Cポート搭載したことでLightningケーブルも不要だ。

iPad mini 7では、Apple Pencil Proにも対応し、iPad Proと同じくiPad本体横に磁石でPencilをくっつけて無線充電することも可能であるし、「探す」機能でペンシルの位置情報を取得することや、傾きや回転の検知もできるようになった。

Apple PencilをiPad Proと遜色なく利用できることは、iPad miniでのノートテイクやPDFマークアップの活用に不可欠であり、iPad miniを購入する大きな決め手になり得るので、非常に嬉しいポイントだ。

CPUパフォーマンスは、A17 Proチップを搭載し、iPhone 15 Proと同等の処理能力を誇る。

iPad Proのように、Mac Book AirやMac Book Proと同じAppleシリコンチップ(M1, M2, M4チップ)を搭載していても、非デザイナー・非クリエイターの場合、iPadOSではほとんど出番がないので、iPhone同等のチップで十分だ。

筆者自身、iPhoneはいまだにiPhone 12を利用しているし、iPad mini 6の処理能力に不満を感じたことはない。ほとんどのユーザーにとっては、A17 Proは有り余るほどのパフォーマンスを提供してくれるはずだ。

iPad miniの圧倒的な軽さ、薄さ

iPad miniが、iPad ProやiPad Airに対して圧倒的にアドバンテージがあるのは、なんといってもそのポータブル性だろう。

本体の重さもわずか297g (Wi-Fi + Cellularモデル) で、文庫本3冊分、単行本1冊分ほどの重量だ。

本体の薄型化も進んでおり、以下の写真は、iPad mini 6と、iPhone 12 miniを横に並べてみた様子だ。
驚くべきことに、iPad mini 6は、iPhone 12 miniよりも薄いのだ。

iPad mini 7になっても、厚さはiPhone mini 6と変わらないので、高スペックに進化しても、薄くて軽いポータブル性は健在である。

iPadの各モデルの重量を整理してみた表が以下だ。2024年5月7日に登場したばかりのM4チップを搭載した新型iPad Airの13インチと比べても、半分以下の重量で、他のモデルより圧倒的にiPad miniが軽量であることが分かる。

新型iPad Proの11インチモデルなどは、昔のiPad Proと比べるとかなり軽量化・薄型化が進んだ印象であるが、通勤電車で片手で長時間iPadを持って本を読む、といったユースケースでは、やはりiPad mini 7に分がある。

モデル重量 (Wi-Fiモデル)重量 (セルラーモデル)
iPad Pro 13インチ (M4, 第7世代)579g582g
iPad Pro 11インチ (M4, 第7世代)444g446g
iPad Air 13インチ (M2, 第5世代)617g618g
iPad Air 11インチ (M2, 第5世代)462g462g
iPad mini (A17 Pro, 第7世代)293g297g

iPadのようなタブレット端末を購入する動機の代表として、Mac BookのようなノートPCでは実現できないようなこと、例えば通勤電車や移動中も手軽に持ち歩けて、ベッドで寝ながら本を読んだりビデオを見たりできて、キッチンや車の中などどんな場所でも使えるポータブル性が挙げられるだろう。

iPad miniなら、ペットボトル飲料よりもずっと軽いのだから、会社や学校に行くバックパックやハンドバックに忍ばせても、全く重さを感じさせない。

それでいて、Kindleの電子書籍やPDF化した書籍を読むときも、通常の単行本サイズの画面で読むことができるので、軽量でありながら十分な画面スペースを備えている。

ポータブルなiPad miniとApple Pencilとの相性がやばい

iPad mini 7は、ワイヤレス充電に対応したApple Pencil Proをサポートしており、iPad mini 7の本体横にApple Pencilが磁気でくっつき、持ち歩くだけで充電される。

iPad mini 7 (A17 Pro)は、「Apple Pencil Pro」と「Apple Pencil(USB-C)」をサポートしているが、前世代のiPad mini 6で使えたApple Pencil(第2世代)は非対応である点には注意したい。

かつてはiPad Proだけで利用可能だったApple Pencil Proだが、今日ではその全ての機能がiPad miniでも利用できる。

イラストを描くデザイナーやアーティストでない限り、学生やビジネスパーソンのApple Pencilの主要な使い道は、ノートアプリでメモを取ったり、PDFにコメントや署名を書き込んだりといった用途に集約されるだろう。

打ち合わせのメモを取ったり、電子化・PDF化した教科書・参考書に書き込みを入れたりといった場合、iPad本体を片手で持ちながら、いつでもどこでも持ち歩けることのアドバンテージは大きい。

iPad ProやiPad Airでは、やはりそれなりに重いため、打ち合わせにiPadとApple Pencilのセットを持ち込もうとすると、PCを一台持ってきたくらいの負担感がある。

また、通勤・通学電車で座れなかった時に、立ったままiPad Pro 11インチを両手で抱えて、Apple Pencilで勉強をするのは現実的ではない。

iPad miniであれば、本当に手帳やメモ帳を持ち歩くのと同じノリで、どこにでも身軽に持っていくことができる。

通勤電車の中でも、さっと片手でiPad mini 7を取り出して、Apple Pencilでちょっとしたメモを入れる作業が、30分でも1時間でも疲れることなく行える。

PDF ViewerやPDF ExpertなどのPDFアプリをiPadに入れておけば、会社のドキュメントの確認や、電子署名の挿入が必要になったときに、カバンに忍ばせたiPad miniで速攻で作業を完了できる。

Apple Pencilは、小型のiPad miniとともに使ってこそポテンシャルを発揮すると感じる。

メディアデバイスとしての身軽さもピカイチ

ここまでビジネスや勉強の話ばかりだが、iPadを動画やゲームなどのメディア用端末として検討している人も多いだろう。

iPad miniは、iPhoneより大きい画面でありながらも、片手で持っても苦ではない超軽量ボディなので、通勤・通学中に片手で動画を見たり、新幹線や飛行機のテーブルの上で動画を見たり、紙のマンガ本と変わらないサイズ感でマンガを読めたり、メディア端末としても優秀だ。

何が一番使いやすいかは人によるだろうが、筆者の場合は、iPad Proの12.9インチや11インチだと、重量があるため寝ながら本を読むにはキツいし、出張に持っていくにしても社用のPCと合わせると重すぎて断念することが多く、結局iPhoneで乗り切ってしまうことも多かった。

その点、iPad miniは、荷物が多い出張時でも、軽いので気張らずにカバンにとりあえず突っ込んで出発できるし、自ずと使用頻度が高くなった。

また、マニアックな使い方としては、車のダッシュボードに取り付けるアタッチメントを買うことで、カーナビとしてiPad miniを活用することもできる。

ちょうどカーナビサイズなので、個人的には移動中にカーナビとSpotifyによる音楽再生を兼ねるデバイスとしても結構気に入っている。

iPadはどこまで行ってもiPad、PCは代替できない

iPad ProやiPad Airは年々スペックが向上し、現在ではAdobe Photoshopなどの高度な画像制作アプリや、DaVinci Resolveなどの動画編集アプリなども利用することができる。

iPad ProやiPad Airは、Mac Book Air/Proと同じM1, M2, M3, M4などのAppleシリコンチップをCPUとして採用しており、非常にパフォーマンスが高いので、こうしたプロ向けのクリエイティブアプリも快適に動作する。

でもそれ、本当に必要?

iPadは、MacOSを採用しておらず、iPadOSで動作しているので、どちらかというとiPhone/iOSに近く、公式に推されているPhotoshopやDaVinciでさえ、PC版の全ての機能は備えておらず、結局最後はPCでしかできない作業も残る。

また、iPadOSではファイルをアプリ間で自由に移動させることが難しく、macOSほど柔軟なファイル操作ができないし、マウスやトラックパッドがサポートされているとはいえ、Mac Bookには遠く及ばず、複雑な作業の効率が落ちる。

筆者自身も、旅行時にPCを持っていかずiPadだけで移動して、Web広告などマーケティング系の業務に使っていたところ、Facebook広告のアプリやGoogle広告のアプリで、iPadではどうしても変更できない設定が存在し、PCを持ってこなかったことを強く悔やんだ経験がある。

アプリでなくWebサービスであれば、ブラウザでPC版と同じ管理画面にアクセスすればいいじゃん、と思っても、サービス側の制限でタブレット端末で表示できる管理画面がPC版と異なるものに設定されていたり、結局PCを開かなければならない場合があまりにも多い。

結局のところ、モバイルの仕事環境を作るには、iPad ProとMagic KeyboardやSmart keyboardを使って無理にラップトップ風の作業環境を目指すよりも、Mac Book Airを買った方が安く、手間も少なく、そして完全なPCが得られてメリットが大きい。

筆者は、iPad中心の作業環境について様々な試行錯誤を8年繰り返した末に、結局、Mac Book AirとiPad miniの組み合わせに戻ってきた。

Mac Book Air + iPad mini のペアが最強

モバイルで身軽な仕事環境を整えたい場合、iPad Proを軸に組み立てる選択肢もあるが、一般的な仕事に使う可能性があるのであれば、やはり現状はMacOSなどのPC環境は不可欠であり、Mac Book Airを中心に組み立てた方が絶対にいい。

第6世代のiPad Pro 12.9インチを、Magic Keyboardと組み合わせて使用すると、本体とKeyboardがともに約700gなので、結局1.4キロに及ぶ。

一方、最新のM3 Mac Book Airの13インチモデルは、約1.24キロだ。
これに約300グラムのiPad mini 7を足しても、大体1.5キロ程度に収まる。

しかも、Mac Book側からSide Carを使うと、iPad miniをMacのセカンドディスプレイとして使うこともできる。

2画面であれば、画面の作業領域を拡張して、Spotifyを聴きながら作業したり、FinderをiPad側に表示してファイル操作をしながら作業したり、モバイル環境でも生産性を高めることができる。

  • iPadOSの様々な制約のあるiPad Pro 12.9インチが1台と、キーボードのセット
  • OSの制限がなくキーボードも備えたMac Book Airと、iPad miniのデュアルスクリーン

この二つを比べたとき、正直、前者を選ぶべき理由が全然思いつかない。

もちろん、クリエイティブ系の仕事をしている人はiPad Proを選ぶべき理由があるだろうが、一般的なビジネスパーソンは、価格もあまり変わらないので、むしろMac Book Airを検討してみることを勧めたい。

筆者が最近ずっと使っているモバイル仕事環境のセットアップは、Mac Book Air + iPad miniの2画面体制に、Bluetoothキーボードやマウスを組み合わせた以下のようなものだ。

アーティストでもない一般人は、iPad miniが最高の相棒

AppleのWebサイトや動画を見ていると、ついつい最上位のiPad Proや、発売されたばかりのiPad Airなどが欲しくなってしまう。

しかし、iPadの購入を検討するにあたっては、自分が本当にどのような用途で使うのかを、冷静に考える必要がある。

iPadなどのタブレットを購入したことはあるが、結局PCやiPhoneをいつも使ってしまい、あまり使わずに眠らせていたことのある人も多いのではないだろうか。

筆者がiPadのようなタブレット端末に求める役割は、電子書籍を快適に読み、Apple Pencilでメモや注釈を時々書き込みつつ、外出先でも、ベッドの中でも、いつでも気軽に長時間使える軽量さを兼ね揃えた端末だ。

絵も描かないしデザインもしないので、Photoshopなどの高度なアプリも不要だ。

仕事はMac Book Airをメインに使うので、負荷の高い作業や複雑なタスクはMac Book Airで行えばよく、iPad側にはあまりに高スペックなCPUも必要ない。

そんな筆者にとっては、現行iPadシリーズの中で最も安価に購入でき、それでいてスタイラスの無線充電に対応し、必要十分なスペックを備えたiPad miniは、まさに神端末である。

iPad mini 7は、Amazonで7.8万円で販売されている。

円安でAppleのデバイス価格もどんどん高騰する中、最新のiPad ProやiPad Airに惑わされずに、iPad mini 7を改めて検討してみてはどうだろう。



Comments

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  1. おつかれさまです。トラックボールとLogiのキーボード何気に、見落としがちなポイントですね。現在私(会社員)もiPad、iPad Mini、Macbook Airを併用しながら、迷走してきました。家族には大学生がおり、子の意見を聞きながら、若者のモバイル事情も注視してきました。学生さんにはiPad(板書用+支給資料の閲覧)とMacBookAirの併用、会社員の私はiPad MiniとMacBookAirが最適でした。自宅置きでWinゲーミングノートも1台必要で、ゲームと会社へのリモート接続に使用しています。本サイトから多くの刺激と考える機会をいただき、読書と自炊、携帯の情報も朗報ばかりです。私はAIの情報が本サイトに夢中になるきっかけでしたが、今後も情報の更新も期待しております。管理者様の経験を公開していただき、ありがたいです、頑張ってください。ありがとうございます。

  2. 今本当にminiとAirで悩んでいます。何度悩んだかわからないくらいですが、悩んでるのが楽しいのもあります。
    ほぼminiに偏っているのですが、miniならセルラーと思っていて、その価格差がネックです。
    もう少し悩みます(^^)

    • Cyapu様:miniでセルラー、良さそうですね!私のminiはセルラーモデルではないので、次回購入時は、無理してセルラーを検討です。理由:スマホによるテザリングが面倒、バッテリや故障リスク分散を狙いたい。miniのセルラー使用者に聞くと、使い勝手が最高だそうです(うらやましい)。文字入力の機会が多いと、MacBookAir(キーボード)も必要になるので、行き着く先は、本サイトでお勧めの機器構成になると思いました。iPadAir(純正キーボード付き)とmini使用でしたが、最後にMacBookAirを買って、iPadAirを手放しました。現在は穏やかな気持ちで、Apple沼から解放された気分です。悩むのは、とても楽しいですね。

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