OpenAI CEOのサム・アルトマンは、Financial Timesのインタビューで、同社の将来計画、財務戦略、人工知能(AI)の進歩について語った。
その中で、現行のGPT-4の次のモデルである「GPT-5」を開発中であることも明言された。
ここでは、重要なポイントを、アルトマンの発言の直接の引用とともに紹介する。
GPT-5の開発中であることを明言
昨晩公開されたFinancial Timesのインタビュー記事「OpenAI chief seeks new Microsoft funds to build ‘superintelligence’」内で、OpenAI CEOのサム・アルトマン氏がGPT-4の次世代のモデルとなるGPT-5に取り組んでいることを明らかにした。
ただし、現時点ではリリース時期は明らかにされていない。
また、GPT-5のような将来のAIモデルの新しい能力を正確に予測することが難しいとして、GPT-4と比べてどのような能力が増えるかなどは、あまり議論されていない。
AGIへの強いこだわり
OpenAIは、11月のDevDayで、新しいツールやGPT-4モデルのアップグレードを発表したばかりだ。
例えば、ユーザーがオリジナルのカスタムChatGPTを作れる「GPTs」や、それを公開し収益を得ることができるGPTストアなどがある。
GPTsのようなコード実行、支払い、電子メール送信などの複雑なタスクをこなす、より強力な自律エージェントの進歩から、大きなビジネス価値が生まれるとアルトマンは予測している。
しかし、これらのプロダクトは通過点に過ぎないとして、「Those are channels into our one single product, which is intelligence, magic intelligence in the sky. I think that’s what we’re about.(これらは我々の唯一の製品であるインテリジェンス、天空の魔法のインテリジェンスにつながる手段であり、それこそが我々が目指すものだと思います)」と述べた。
OpenAIとアルトマンが、あくまでArtificial General Intelligence(AGI)の達成を目的としていることが繰り返し述べられている。
開発に要するコンピューティングパワーとGPUの供給難
アルトマンは現在自分の時間を主に二つのエリアで使っているとして、「how to build superintelligence(スーパーインテリジェンスをどう構築するか)」のリサーチと、それを実現するコンピューティングパワーの調達を挙げている。
OpenAIは、AI開発に不可欠なNvidiaのH100チップの供給難に直面している。アルトマンは来年には状況が改善されると期待しており、また、グーグルやインテルのような他社がライバルとなるAIチップを開発することで、依存度が変化する可能性を指摘している。
マイクロソフトとの提携と財務
アルトマンは、サティア・ナデラCEO率いるマイクロソフトとのパートナーシップの成功を強調した。高度なAIモデルの開発を支援するため、マイクロソフトや他の投資家からさらに資金を調達することに楽観的な見方を示している。
アルトマンは、マイクロソフトからのさらなる投資について聞かれると、「I’d hope so(そう願いたい)」と答え、さらに、「There’s a long way to go, and a lot of compute to build out between here and AGI… training expenses are just huge.(先は長いし、ここからAGIまでの間に構築しなければならない計算量も多い……トレーニング費用は膨大だ)」と付け加えた。
今年の収益は順調に伸びているとのことだが、OpenAIは高額のトレーニング費用のためにまだ採算が取れていない。