生涯2TB使えて279ドル!pCloud春セールは買いなのか?

Published Mar 20, 2026
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目次:Overview

スイスのクラウド企業「pCloud」が、3月末までの期間限定で、1回買い切り型の「ライフタイムプラン」を大幅割引価格で販売している。

例えば2TBのPremium Plusプランは、平時は399〜599ドルで販売されているところ、今回のセールではわずか279ドル/2TBで購入できる。

プラン容量セール価格通常時価格
Premium500 GB139ドル199ドル
(定価299ドル)
Premium Plus2 TB279ドル399ドル
(定価599ドル)
Ultra10 TB799ドル1,190ドル
(定価1,890ドル)

セールは2026年3月31日までの期間限定で、以下の特設ページからアクセスした場合のみセール価格が適用されるので注意が必要だ。

一生使い続けられる2TBもの大容量ストレージが、わずか279ドルで手に入り、しかもクラウドならではのバックアップ機能やファイル履歴機能まで含まれている。

毎月サブスクが必要なiCloud、Google Drive、Dropboxなどと比べると、圧倒的にコストパフォーマンスが高い。それどころか、外付けSDDやNASを自前で構築するよりもお得感がある。

本記事では、筆者自身が6年前にpCloudの2TBプランを購入した経験に基づき、今回のセール内容の分析と、ユースケースに応じた推奨度/非推奨度を解説する。

サブスク永久課金を抜け出す「買い切りクラウド」の損益分岐点

iCloudやGoogle Oneに、毎月千円ちょっとを支払っている人は多いはず。毎月の金額は小さくても、5年、10年と積み重なれば10万円単位の出費だ。

この「サブスク永久課金」から抜け出す唯一の方法が、一度の支払いで一生使える「買い切り型」のクラウドストレージである。

買い切り型のクラウドサービスは非常に希少だが、その最有力候補の一つが、スイス発のクラウドサービス「pCloud」だ。pCloudは2013年創業のクラウドストレージで、iCloud, Google Drive, Dropboxのように写真・動画・ドキュメントをクラウドに保存・同期するサービスである。

主要クラウド各社の2TBプランを比較してみると、pCloudの圧倒的なコストパフォーマンスが分かる。

今回のセール価格の2TB=279ドルを踏まえると、3年ほどで元が取れ、あとは生涯0円で使い続けられる計算だ。

サービス無料容量2TB価格対応OS
pCloud10GB買い切り399ドル
(春セール:279ドル)
Win, Mac, Linux, iOS, Android
Dropbox2GB毎年14,400円Win, Mac, Linux, iOS, Android
iCloud5GB毎年18,000円Win, Mac, iOS
Google Drive15GB毎年14,500円Win, Mac, iOS, Android
OneDrive5GB毎年21,300円
(1TB, Office付帯)
Win, Mac, iOS, Android

外付けHDDやNASの購入・維持コスト(本体代、電気代、故障時の交換費用)を考えても、大容量のクラウドバックアップとして十分に選択肢に入るコストパフォーマンスだ。

また、無料でもらえるストレージ容量も大きいので、課金しないとしても、ぜひ無料プランのアカウントを作っておくべきだ。

無料プランでもファイルサイズ制限なし、転送速度制限なし、15日間のファイル履歴、共有リンクなど主要機能をほぼ制限なく利用できる点は良心的である。

pCloudの主要機能レビュー

価格が安いクラウドストレージと聞くと、UIが古かったり、速度が遅かったり、信頼性が低かったり、「安かろう悪かろう」な品質を心配する人も多いかもしれない。

しかし、pCloudは、機能面を競合のDropboxなどと比べても、全く劣らないどころか、クラウド業界の中でも特に充実した機能を備えている。

ここでは、実際にpCloudを6年以上愛用している筆者が、日々使う機能を中心に、その使い勝手をレビューしていく。

業界No.1クラスの圧倒的なダウンロード速度

筆者が独自に行ったテストでは、大手クラウドストレージ各社と比べても、ダウンロードスピードはpCloudが圧倒的に高速だった。

下りがDropboxの10倍のスピードとなっており、クラウド上のファイルの閲覧やダウンロードのストレスが最小限になっている。

サービスダウンロード(1GB) テスト結果アップロード(1GB) テスト結果
pCloud4秒、7秒、8秒2分37秒、3分5秒、3分6秒
Dropbox30秒、40秒、41秒39秒、40秒、40秒
Google Drive13秒、13秒、15秒32秒、33秒、34秒
OneDrive41秒、42秒、43秒1分32秒、1分53秒、1分55秒

※テストは下り700Mbps, 上り230Mbpsの回線を用いて筆者がデスクトップで行った。

一方、アップロードの速度は比較的遅めである。大容量ファイルのアップロードは、通常はPCのバックグラウンドで行うことが多いので、体感上のストレスはほとんどない。

また、pCloudは「ブロックレベル同期」に対応しているのも重要だ。ファイルの変更時に全体を再アップロードするのではなく、変更のあった部分(ブロック)だけを転送する。

100ページのPDFの1ページだけを編集した場合、その差分だけがアップロードされるため、大きなファイルでも同期が高速だ。

スマホアプリの完成度:自動バックアップ・メディア再生

iPhoneやAndroidで撮影した写真やビデオをどのように保存しておくかは、多くの人の永遠の課題であるはずだ。pCloudは、スマホアプリの完成度も非常に高く、写真やビデオの保管先・バックアップ先としても優秀だ。

自動アップロード機能を有効にしておけば、撮影した写真が勝手にアップロードされていくし、アップロード済みのファイルを一括で削除し、端末の容量を節約することもできる。

pCloudのiOSアプリの自動アップロード設定画面。ファイルの整理やアップロードモードの設定項目が並んでいる

また、内蔵メディアプレーヤーもpCloudの隠れた強みだ。

音楽ファイルはアーティスト・アルバム・プレイリストで整理され、FLAC(ロスレスオーディオ)にも対応する。

音楽プレーヤーでは、再生速度の変更やスリープタイマーを利用できる。動画プレーヤーも再生速度調整が可能だ。

pCloudのiOSアプリ内蔵音楽プレーヤー。アルバムアートとプレイリスト操作メニューが表示されている

アプリも頻繁に更新され、UIのクオリティも高いので、スマホ版を使っていて気持ちが良いのも地味に大切なポイントだ。

PC版の完成度:仮想ドライブ・任意フォルダ同期

pCloudには「Drive」「Sync」「Backup」という3つのファイル管理モードがある。痒いところに手が届く設計だ。

  • Drive(仮想ドライブ):PCの外付けドライブのように、クラウド上のファイルをローカル容量を消費せずに同期できる。
  • Sync(同期):PC上の任意のフォルダをクラウドと双方向同期する。ローカルにファイルの実体があるため、オフラインでも作業できる。
  • Backup(バックアップ):指定したフォルダやドライブをクラウドに自動バックアップする。

pCloudの中核機能が「pCloud Drive」と呼ばれる仮想ドライブだ。PCにマウントすると、WindowsではP:ドライブ、macOSではFinderのサイドバーに表示され、あたかもローカルのHDD/SSDのように操作できる。

ファイルをローカルにダウンロードせず、必要なときだけクラウドからストリーミングする。そのため、ローカルの容量をほとんど消費しない。

macOS FinderにマウントされたpCloud Driveの仮想ドライブ。ローカルドライブのようにフォルダが一覧表示されている

また、Sync機能では、Dropboxのように専用の「同期フォルダ」にファイルを移動する必要がなく、PC上の既存フォルダをそのまま同期対象に指定できるのが嬉しい。

デスクトップやドキュメントフォルダなど、普段使っているフォルダをそのまま同期できる。

pCloudデスクトップアプリの同期設定画面。ローカルフォルダとpCloudフォルダの同期ペアを設定できる

開発者向け:Linux対応・WebDAV・API連携

pCloudは開発者にとっても使いやすいクラウドサービスだ。

充実した開発者向けツールが提供されているということは、すなわちAIエージェント時代に適したクラウドであるとも評価できる。Claude CodeやCodexと連携させることで、クラウド上のファイルをAIエージェントに操作させることも可能であるためだ。

WebDAVに標準対応しているため、rcloneやCyberduckなどの外部ツールから簡単に接続できる。特定のフォルダだけをVPSから定期的にバックアップしたり、自作スクリプトからファイルを直接操作したりと、自動化の幅が広がる。

公式APIはOAuth 2.0認証に対応し、HTTPベースのJSON APIとバイナリプロトコルの2種類を提供している。SDKはC、Java、JavaScript、PHP、Swiftが用意されており、自動バックアップスクリプトやCI/CDパイプラインとの統合など、幅広い活用が可能だ。

Linuxネイティブ対応は大きな差別化ポイントである。AppImage形式(インストール不要で実行できるポータブル形式)で配布されており、Ubuntu、Mintをはじめ主要なディストリビューションで動作する。

Google DriveやiCloudにはLinux版が存在しないため、Linuxをメイン環境としている開発者にとっては貴重な選択肢だ。

その他の充実機能:共有リンク・Rewind

pCloudのファイル共有も優秀だ。単にリンクを発行するだけでなく、きめ細かな制御が可能だ。

  • パスワード保護付き共有リンク
  • 有効期限付きリンク
  • ダウンロード統計の確認
  • カスタムブランディング(ロゴ、カバー画像、メッセージの追加)
  • ファイルリクエスト(相手にファイルをアップロードしてもらう)
  • Fair Share:共有フォルダの容量はオーナーのストレージのみを消費する仕組み。たとえば、筆者が2GBのフォルダを同僚に共有しても、同僚のpCloud容量は一切減らない。

Rewind(巻き戻し)機能は、アカウント全体を特定の日時の状態に復元できる機能だ。

個別ファイルのバージョン履歴(無料15日、有料30日)とは別に、削除済みファイルを含むアカウント全体を丸ごと巻き戻せる。有料アドオンのExtended File History(EFH、年額約5,850円/$39)を追加すれば、ファイル履歴を365日間に拡張できる。

競合クラウドストレージとの比較

他社のクラウドストレージとも価格・機能を比較してみる。

数少ない「買い切り型」クラウドストレージの3社と、サブスク料金の大手クラウド4社との比較を行ってみた。

「買い切り型」クラウドストレージ3社の比較

「サブスクを払いたくない」という動機でpCloudを検討しているなら、同じく買い切りプランを提供するIcedriveとInternxtも候補に入る。

項目pCloudIcedriveInternxt
2TBライフタイム399ドル
(春セール:279ドル)
299ドル299ドル
E2E暗号化有料アドオン無料(1フォルダ限定)全ファイル標準
ブロックレベル同期ありなしあり
仮想ドライブありありなし
メディアプレーヤー高機能基本的なし
WebDAVありなしなし
ユーザー数2,200万人以上推定15万人非公開
設立2013年2019年2020年

Icedriveは価格で勝るが、セール価格を考慮するとpCloud優位だ。Icedriveはブロックレベル同期やWebDAVに未対応である。2019年創業でユーザー数も約15万人と小規模であり、長期的な存続リスクはpCloudより高い。

Internxtは、全ファイルがE2E暗号化(ユーザー以外が中身を見れない)と、セキュリティに特化している印象だ。メディアプレーヤーやWebDAV、仮想ドライブといった実用的なクラウドストレージ機能は不足している。

総合的に見て、機能の充実度・実績の選択肢という点でpCloudが最もバランスが良い。 ただし、セキュリティが超・最優先ならInternxt、価格が超・最優先ならIcedriveも検討に値する。

日常利用で比べる(Google Drive・Dropbox・iCloud・OneDrive)

「買い切り」に拘らないのであれば、サブスク式の主要クラウドサービスも視野に入る。

日常利用で最も重視されるのは、エコシステムとの連携、ドキュメントの共同編集、そしてデバイスとのシームレスな統合だ。

項目pCloudGoogle DriveDropboxiCloudOneDrive
無料容量最大10 GB15 GB2 GB5 GB5 GB
2TB年額約15,000円($99.99)約14,500円約14,400円約18,000円約21,300円(※1TB+Office付)
買い切り399ドル
(春セール:279ドル)
なしなしなしなし
ドキュメント共同編集なしGoogle Docs/SheetsPaper、Office連携Pages/NumbersMicrosoft 365統合
メディアプレーヤー高機能(FLAC対応)ベーシックなしベーシックベーシック
E2E暗号化有料アドオンなしなし一部(Advanced Data Protection)なし

pCloudの弱点は、ドキュメント共同編集機能がないことだ。Google DocsやMicrosoft 365のようなリアルタイムコラボレーションには対応していない。チームで同一ドキュメントを同時編集する用途には向かない。

一方、買い切りプランの存在、充実したメディア再生機能、Linux対応は、大手4社にはない明確な強みである。

まずは無料枠の10GBから試してみよう

6年前に2TBのライフタイムプランを購入した筆者は、完全に元を取れたと思っている。大容量のクラウドストレージを、実質無料でこれからもずっと使い続けられるというメリットは大きい。

pCloudに興味を持ったなら、無料枠で実際の使い心地を確認することをオススメする。

  1. pCloud公式サイトでアカウントを作成する。クレジットカードは不要。
  2. 登録時にデータリージョン(EUまたはUS)を選択することになるが、プライバシー重視ならEU(ルクセンブルク)を選ぼう。
  3. メール認証を完了し、デスクトップアプリ(pCloud Drive)をインストールする。これだけで数GBの追加容量が解放される

無料枠で数日間使ってみて、問題なければセールでライフタイムプランを購入するのが、最もリスクの低い導入方法だ。

買い切り型の安心感、充実した機能、高速な転送速度という組み合わせは、2026年現在でも他に類を見ない。

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