2026年7月22日、Samsungが英ロンドンで「Galaxy Unpacked」を開催し、折りたたみスマートフォン3機種とスマートウォッチ2機種の計5製品を正式発表した。
パスポートのような新形状の折りたたみスマホ「Galaxy Z Fold8」が登場したほか、2026年秋発売予定のAIスマートグラスのプレビューも披露された。Foldシリーズが従来型の「Fold8 Ultra」と新設計の「Fold8」の2系統に分かれたことで、どちらを買うべきか悩ましいところだ。
ただし、円安とメモリ不足の影響もあり、折りたたみ3機種の価格は約19万〜30万円にも達し、気軽に試すことのできる価格帯ではなくなってしまったのは痛い。
AI関連で言えば、One UI 9によってGemini AIが全面統合され、アプリを跨いだ高度なタスクの自動化を可能とする「AIオートメーション」が注目だ。日本語対応は9月末の予定である。
本記事では、発表された全製品の価格・発売日をまとめ、製品ごとの特徴をサマリーする。また、予約・キャンペーン情報など、GalaxyのFold, Flipをお得に購入する方法まで整理する。
5つの新製品+スマートグラスの価格・発売日まとめ
最初に押さえておきたいのが、今年のFold 2機種の命名である。
「Ultra」が付くFold8 Ultraが従来型の縦長ブック折りで、無印のFold8が完全新設計の横折りモデルという、直感とは逆の関係になっている。
| 製品名 | 位置づけ・主な進化点 | 日本価格(米国価格) | 発売日 |
|---|---|---|---|
| Galaxy Z Fold8 Ultra | ・従来型ブック折りの正統進化・最上位 ・2億画素カメラ、5,000mAhバッテリー | 296,780円〜($2,100〜) | 8月7日 |
| Galaxy Z Fold8 | ・完全新設計の横折り「パスポート型」 ・4:3メイン画面、201gでFoldシリーズ史上最軽量 | 269,880円〜($1,900〜) | 8月7日 |
| Galaxy Z Flip8 | ・Flipシリーズ史上最薄・最軽量のクラムシェル ・カバー画面で全アプリ起動に対応 | 192,680円〜($1,200〜) | 8月7日 |
| Galaxy Watch9 | ・日常向け主力ウォッチ ・チップ改善、バッテリー約20%増 | 67,980円〜($380〜) | 8月7日 |
| Galaxy Watch Ultra2 | ・最上位ウォッチ ・5,000nit表示(世界初)、最大80時間駆動 | 137,280円($700) | 8月7日 |
| AIスマートグラス(インテリジェントアイウェア) | ・Google共同開発・Gemini内蔵 ・ディスプレイ非搭載の音声型 | 未定 | 2026年秋 (日本不明) |
※日本価格は税込・Samsungオンラインショップの開始価格(2026年7月22日時点)。スマートグラスの日本展開は未発表。
3つに増えた折りたたみGalaxyの選び方
とにかくカメラが強い「Galaxy Z Fold8 Ultra」

出典:Galaxy Unpacked July 2026公式配信(YouTube)
Galaxy Z Fold8 Ultraは、閉じれば縦長スマホ、開けば約8.0インチの大画面になる従来型のブック折りの最上位機だ。Galaxy Z Fold7の後継であり、開いた状態の厚さが0.1mm薄くなっている。
Fold7からの主な進化点は次の通りである。
- バッテリー: 4,400mAh→5,000mAhに増量。重量は215gで据え置き
- 充電: 25W→45W有線充電に高速化(ワイヤレスは20W)
- 超広角カメラ: 1,200万画素→5,000万画素(F1.9)に刷新
- ディスプレイ: メイン画面が最大3,000nitになり、反射防止コーティングを追加
やはり特徴は、圧倒的なカメラ性能だろう。カメラを重視するなら、今回の3機種の中ではGalaxy Z Fold8 Ultraが間違いなく第1候補となる。
3つのレンズを備え、約2億画素の広角、5,000万画素の超広角、光学3倍(最大30倍Space Zoom)の1,000万画素望遠という構成だ。8K/30fps撮影や、APVコーデック、Cine LUTへの対応など、動画制作者に嬉しい機能が満載だ。
APVコーデックは、編集や色調整を繰り返しても画質の劣化を抑えられるプロ向けの動画記録形式である。Cine LUTは、撮影した映像に映画調の色合いをワンタップで適用できる機能だ。
高性能な分、価格も最も高い。一番安くても296,780円と、30万円クラスの投資になる。
大画面でのマルチタスクや資料作成といった仕事用途だけでなく、とにかくカメラ性能を重視する人向けの一台といえよう。
動画・読書・ゲームにマルチに活躍「Galaxy Z Fold8」

出典:Galaxy Unpacked July 2026公式配信(YouTube)
これまでになかった横長Foldという新設計を採用したのが、この無印のGalaxy Z Fold8である。秋に登場が予想されているiPhone Foldも、この形状を採用すると噂されている。
パスポートのように背が低く幅広な形状で、開くと4:3比率・約7.6インチのメイン画面が横向きに広がる。
4:3画面は、漫画の見開きや撮影した写真を画面全体に表示するのに向いている。本体を縦に持てば雑誌やWebページを一度に広く見渡せるレイアウトになる。YouTubeなどのビデオ視聴時にも、若干表示領域が大きくなる。

出典:Galaxy Unpacked July 2026公式配信(YouTube)
もう一つの特徴は、Foldシリーズ最軽量となる重量で、なんと約201gだ。折りたたみではないiPhone 17 Pro(206g)よりも軽量で、軽くて大画面という贅沢な仕様だ。
一般的な縦長フラッグシップとほぼ同じ重さで折りたたみ大画面を持ち歩けることになる。バッテリーは4,800mAhとFold7の4,400mAhより増え、バッテリー持ちも良い。
一方でカメラは5,000万画素の広角+5,000万画素の超広角のデュアル構成で、望遠レンズは非搭載。カメラの性能は明らかにUltraの方が上だ。
開始価格は269,880円で、Ultraとの差は約2.7万円となっている。
軽いが大画面のスマホが欲しい、という折りたたみに興味を持つ多くのユーザーに刺さる設計となっている。
薄さとカバー画面を磨いたクラムシェル「Galaxy Z Flip8」

出典:Galaxy Unpacked July 2026公式配信(YouTube)
Galaxy Z Flip8は縦折りのクラムシェル型で、開いた状態の厚さ約6.1mm、重量180gと、Flipシリーズ史上最薄・最軽量を実現した。Flip7と比べて閉時0.6mm薄く、8g軽い。
進化の中心は約4.1インチのカバー画面「FlexWindow」だ。
個別の設定なしで全アプリをカバー画面から起動でき、右端からのスワイプでクイックパネル、左端から通知パネルを呼び出せるなど、メイン画面と同じ感覚で操作が完結する。
ただし、カメラ(5,000万画素+1,200万画素)、バッテリー容量(4,300mAh)、充電速度はいずれもFlip7から据え置きである。
開始価格は192,680円と、折りたたみ3機種の中ではリーズナブルだが、円安等の影響でほぼ20万円になってしまったのは痛い。
薄型化とカバー画面に魅力を感じなければ、Flip7ユーザーが買い替える必要はない可能性が高い。
重量・カメラ・価格で見る折りたたみ3機種の違い
購入判断に直結する3機種の違いをまとめておく。
ざっくり言えば、望遠カメラと最大画面を取るならUltra、軽さと4:3のコンテンツ体験を取るならFold8、そもそも大画面が不要でコンパクト重視ならFlip8、という整理になる。
| 項目 | Z Fold8 Ultra | Z Fold8 | Z Flip8 |
|---|---|---|---|
| 形状 | 縦長のブック折り | 幅広の横折り(パスポート型) | 縦折りクラムシェル |
| 重量 | 約215g | 約201g | 約180g |
| メイン画面 | 約8.0インチ | 約7.6インチ | 約6.9インチ |
| カバー画面 | 約6.5インチ | 約5.5インチ | 約4.1インチ |
| カメラ | 2億+5,000万+望遠1,000万(光学3倍) | 5,000万+5,000万(望遠なし) | 5,000万+1,200万 |
| バッテリー/充電 | 5,000mAh・45W | 4,800mAh・45W | 4,300mAh(Flip7据え置き) |
| 価格(256GB) | 296,780円 | 269,880円 | 192,680円 |
| 向く人 | 仕事・撮影を極めたい人 | 動画・漫画・ゲーム中心の人 | 携帯性と価格を重視する人 |
Galaxy Watchは日常用・アウトドア用に分化
Galaxy Watchは、Apple Watchのように、日常向けの無印と、アウトドア向けのUltraで、それぞれ進化している。

出典:Galaxy Unpacked July 2026公式配信(YouTube)
端末内AI処理で賢くなった日常向け「Galaxy Watch9」

出典:Galaxy Unpacked July 2026公式配信(YouTube)
Galaxy Watch9は、角丸四角のケースに丸型ディスプレイを組み合わせた従来のデザインを継承しつつ、中身を大きく刷新した日常向けの主力機だ。
40mmと44mmの2サイズで、開始価格は67,980円(40mm Bluetoothモデル)である。
最大の変化はチップのSnapdragon Wear Eliteへの移行だ。非常に高性能なチップで、最大20億パラメータのAIモデルを端末内で実行できるとされる。クラウドを経由せず低遅延でAI処理をこなせる設計は、来たるローカルAI時代に注目に値する。
ただし、後述のAIヘルス機能のうち、どの処理が端末内で完結するかは明示されておらず、チップの実力がどこまで体感差につながるかは現時点では不明だ。
バッテリーは前世代比約20%増で、常時表示オフなら最大40時間駆動する。
日本価格は40mm LTEが84,480円、44mmがBluetooth 73,370円/LTE 89,870円という構成だ。
「世界初5,000nit」のタフネス機「Galaxy Watch Ultra2」

出典:Galaxy Unpacked July 2026公式配信(YouTube)
Galaxy Watch Ultra2は、47mmチタン筐体のアウトドア・スポーツ特化モデルだ。
ディスプレイ輝度は前世代の3,000nitから最大5,000nitへ向上し、Samsungはこれをスマートウォッチとして世界初と謳っている。あくまで直射日光下などで一時的に発揮されるピーク輝度であり、常時この明るさで表示されるわけではないが、真夏の屋外での視認性確保には効くはずだ。
バッテリーは35%増の800mAhで、常時表示オフならなんと最大80時間駆動する。それでいて筐体は12%薄い10.7mmに抑えられた。
防水防塵はIP69Kと10ATM、ダイビング規格EN13319に対応し、ダイビングブランドMaresと共同開発したアプリ「Ultra2 Diving」が年内に提供される予定である。
トレイルラン時の高度変化の分析や、発汗量に応じた水分補給通知など、山岳・耐久系スポーツ向けの機能も追加された。
価格は米国で前世代の$650から$700へ引き上げられており、日本では137,280円(47mm LTE)。それでも、登山・トレイルラン・ダイビング志向の読者には代えがたい一台だ。
Galaxy Watch共通のAIヘルス機能は何に使えるか
Watch9とWatch Ultra2には、生体データを実用的なアドバイスに変換するAIヘルス機能が共通で搭載された。柱となるのは次の5機能である。
- バイタルサイン: 睡眠中の心拍数や血中酸素などを継続モニタリングし、普段との乖離を通知
- 心臓の健康スコア: 心血管の健康状態をスコアで可視化
- 1日の有酸素運動負荷: 運動量と回復状況からトレーニング指針を提示
- フィットネス指数: 体力を総合評価し、目標達成をサポート
- 聴覚保護: 危険な騒音レベルを検知して警告
日々の睡眠の質の変化に早めに気づく、運動のやりすぎ・不足を数値で把握するといった日常の健康管理が、アプリを開かなくてもウォッチ側から提案される形になる。
GeminiアシスタントはWatch上でも動作し、手首を上げるだけで起動できる。
SamsungのAIスマートグラスも発表、秋に発売予定
Unpackedでは、Googleと共同開発中のAIスマートグラスの新デザイン2種が披露された。
ただし、こちらは折りたたみやウォッチと異なり「プレビュー」の位置づけだ。発売は2026年秋・一部市場からとされ、価格は未発表。日本展開に関する公式情報も現時点ではない。

出典:Galaxy Unpacked July 2026公式配信(YouTube)
デザインはアイウェアブランドのGentle MonsterとWarby Parkerが担当しており、普通の眼鏡とほとんど変わらない軽さ・サイズ感だという。

出典:Galaxy Unpacked July 2026公式配信(YouTube)
ディスプレイ非搭載で、応答はすべて音声で返ってくる。つまり視界に情報を表示するARグラスではなく、MetaのRay-Banシリーズと同じカメラ・マイク・スピーカー中心だ。
OSはAndroid XRで、GeminiまたはBixbyをアシスタントとして利用できる。
想定される使い方は、目の前の看板やメニューの翻訳、メッセージの要約読み上げ、音声での経路案内、カメラで見ている内容の記録・分析などである。
Unpackedでは、フレームについたカメラで、即座に写真を撮れたり、ビデオ通話の相手に自分の視点を見せたりできることもアピールされていた。
1回の充電で約9時間駆動し、充電ケースで追加7回分の充電が可能ということで、余裕で丸一日、場合によっては1週間乗り切ることも可能そうだ。
Geminiによるタスク自動化も大きな目玉
折りたたみ3機種には、Android 17ベースの新OS「One UI 9」が初搭載される。
Androidのメジャーバージョンアップは、搭載するAndroid 17から数えて7世代分が保証されるため、長期利用でも安心感がある。
ソフトウェア面の目玉は、Gemini Intelligenceによるタスクの自動化(オートメーション)だ。
従来のチャットAIが「調べて答える」までだったのに対し、オートメーションは40以上の対応アプリ・サービスを横断し、チケットの検索、レストランやホテルの空室確認、タクシーの手配、フードの注文に必要な操作を画面上で進めてくれる。
スマホでも、単なるAIチャットではなく、「AIエージェント」のような体験が可能になることを期待させる内容だ。
また、GoogleのAIリサーチツール「Gemini Notebook(旧称:NotebookLM)」がプリインストールされる。手書きメモ・録音・写真を放り込むと議事録や資料を自動生成でき、スプリットビューからのドラッグ&ドロップにも対応するという。
ただし、購入前に知っておくべき実用情報として、オートメーションの日本語対応は2026年9月末の予定である。
つまり8月7日の発売日時点では、目玉のAI機能を日本語でフル活用できるわけではない。提供当初は米国・韓国(英語・韓国語)が先行する。
日本では8月7日発売:予約・おサイフケータイ・キャンペーン
日本市場では、折りたたみ3機種とウォッチ2機種のSIMフリーモデルがいずれも8月7日(金)発売となる。予約は7月23日(木)午前9時に始まる。
ストレージ容量別の価格(税込・Samsungオンラインショップ)は次の通りだ。
- Galaxy Z Fold8 Ultra: 256GB 296,780円 / 512GB 326,780円 / 1TB 386,780円
- Galaxy Z Fold8: 256GB 269,880円 / 512GB 299,880円 / 1TB 359,880円
- Galaxy Z Flip8: 256GB 192,680円 / 512GB 222,680円
日本モデル独自の要素として、折りたたみ3機種はおサイフケータイ(モバイルFeliCa)に対応する(背面のFeliCaマーク印字はなし)。モバイル通信は5G(ミリ波/Sub6)に対応し、Wi-Fi 7も利用できる。
予約購入キャンペーンの内容は次の通りだ。
- 選べるポイント進呈: Fold8 Ultra/Fold8は15,000円相当、Flip8は7,000円相当(d・Ponta・PayPay・楽天から選択)。購入後にSamsung Walletアプリからの応募が必須で、応募期間は8月7日〜8月23日
- アクセサリー同時購入割引: 純正アクセサリーが最大30%OFF(3点まで)
- ウォッチ等の同時購入割引: Galaxy Watch9シリーズ/Watch Ultra2、Buds4シリーズ、Tabシリーズが各10%OFF(各1点まで)
ウォッチ単体でも、対象バンドの同時購入で30%OFFになるキャンペーンが実施される。いずれも適用条件や期限が細かく設定されているため、予約前にキャンペーンページで最新の条件を確認してほしい。なお、スマートグラスの日本展開情報は現時点でない。