AIじゃないよ

TOEIC満点が教えるAIの力で英会話力を飛躍的に高める3つの神アプリ

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ChatGPTをはじめとする大規模言語モデル(AI)は、英語学習や英会話の練習においても、非常に役に立つ。

高性能なAIをうまく使えば、人間を相手に英会話の練習をするよりも圧倒的に安く、無限に長時間の練習ができ、どれだけ話しかけても嫌がらない練習パートナーが手に入るのだ。

筆者はTOEICが満点で、TOEFL iBTも110点、アメリカの大学院を卒業しているなど、長年英語の練習に取り組んできた。スピーキングを鍛えるために、一体どれだけ英会話の講師にお金を払ってきたか分からない。

ここ数年で、AIを搭載した様々な英語学習ツールが生まれており、言語を習得するハードルが大幅に下がっていると感じる。

この記事では、iPhoneやAndroidなどのスマートフォンで、圧倒的な練習量を確保しながら、英語のスピーキングスキルを徹底的に鍛えることのできる神アプリを3つ紹介する。

これらは無料で使うこともできるし、本気で練習したい人は3つのアプリ全てで有料プランを使ったとしても、1年間365日24時間好きなだけ英語が練習できて、5万円ほどで済んでしまう。

筆者は、italkiなどのネイティブ講師との格安英会話サービスを利用しても、1時間あたり4〜5千円を払って会話の練習をしていたことを考えると、AIを使って英語を練習できる今の学生たちが本当に羨ましい。

この3つの神アプリをスマホに入れて、英語力を飛躍的に向上させよう。



とにかく圧倒的な量のフリートークができる「ChatGPT」

ChatGPTのスマホアプリにある音声会話モード

ChatGPTでは、最近のモバイルアプリのアップデートで、無料ユーザでも音声を使ってAIと対話することが可能になった。

これは、OpenAIが開発する音声認識モデルであるWhisperと、高性能な大規模言語モデルであるGPT-4、さらにテキストを音声に変換できるText-to-speechモデルを組み合わせることで可能になっているものだ。

ChatGPTのスマホアプリで、チャットウィンドウの右下にあるヘッドホンのマークをタップすると、音声対話モードになる。

音声対話モードをオンにすると、ほとんどラグがなくリアルタイムで、こちらが話しかけた内容に、AIが自然にリアクションをしてくれる。

ChatGPTに英会話相手になってもらうためのプロンプト

この音声会話モードで、プロンプトを工夫すれば、英会話のパートナーとして、ChatGPTが永遠に会話に付き合ってくれる。
対人の英会話のレッスンを予約する心理的ハードルもなく、こちらの話が退屈でも相手はAIなので気を使う必要もなく、ChatGPTは最高の英会話講師になる。

例えば、私は次のようなプロンプトを最初に伝えている。
最初のプロンプトも音声対話モードで話しかけなければならないが、英語だと複雑な指示をするのが面倒なので、最初は日本語で始めて問題ない。

あなたは英会話の講師として私と英語で会話をします。各会話の最後に必ず質問を行い、次の会話を促してください。 トピックは最初にあなたから5つのトピックを提案し、そのうちの1つを私が選んで開始します。

話題がないと英語を話せないので、とにかくChatGPTから話題をふって、質問をさせることで、練習量を確保することを意図している。
いい感じにトピックを提供してくれるので、その中から一つを選んで喋りだせば良い。

また、すべての会話が終わったら、履歴がアプリ上に残るので、履歴に基づいたレビューをお願いすることもできる。

例えば、対話モードを終了した後に、以下のようなプロンプトを送るのがオススメだ。

ここまでの会話の内容を、レビューのためにまとめます。
私が発言した内容をリストアップして、それぞれについて、より良い表現があればフィードバックをしてください。

すると、この画像のように、ChatGPTがこちらが話した一つ一つの表現についてコメントをフィードバックしてくれる。
不自然な表現があれば、より良い表現を英語で提案してくれるので、次同じトピックで話すときに、その反省を生かしてより自然な表現を身に付けることができる。

ChatGPTで英会話の練習をする上で知っておきたいこと

音声対話モードをスムーズに使うために、いくつか知っておくべき点がある。

対話モードでは、自分がしゃべっている途中で、勝手に録音モードが終了して遮られてしまうことがある。
これを防ぐには、画面に表示される白い丸を押しっぱなしにする。すると、タップしている間は、ずっと喋り続けることができる。

また「無限に」とは言っても、一定の利用上限が存在する。元々、GPT-4モデルへの質問は、3時間で50回までというリミットが設定されていた(記事執筆時点で明確な記載が見つからず、現在の正確なリミットは不明)。

したがって連続して話しかけ続けると、3時間経つまで次の会話を始められないことがありうる。

より高性能なGPT-4を使うための有料プラン

また、無料版で使えるGPT-3と、有料版で使えるGPT-4は、全く別次元と言っていいほど性能のレベルが違う。

GPT-4の方が圧倒的に性能が高く、文章も自然なので、本気で英会話を練習したいなら絶対に有料版を使うことをオススメする。

英会話のためにChatGPT Plus(有料プラン)を契約したとしても、もちろん他の機能も使えるので、月20ドルという価格は全く高くないように思える。

そもそも20ドルで無限に英会話に付き合ってくれるパートナーが手に入るなら非常に安いが、ウェブ検索をして情報をAIに収集させたり、Excelなどの操作方法のアドバイスをChatGPTからもらったり、他にも便利な使い方が多数あるので、迷わず契約してしまおう。

多様なシチュエーションでの会話練習ができる「スピーク」

ChatGPTでは不足するロールプレイの練習に最適なアプリ

ChatGPTはフリートーク形式の英会話の練習には向いているが、フリートークだと、いつも自分が得意なトピックばかりで会話練習をしてしまい、イマイチ上達につながらないという懸念がある。

自分で多様なシチュエーションを思いつくのは難しいため、カフェやホテル、タクシーなどの実用的なシチュエーションでの会話の練習は、やはりロールプレイ形式・スキット形式の会話練習ができたほうが望ましい。

英会話アプリのSpeakは、スピーキングスキルの向上に特化した英語学習アプリで、こうしたロールプレイをするのに向いている。

AIから即時のフィードバックを受けながら、AIがシチュエーションに合わせた会話相手になってくれるのが特徴だ。

アプリを開くと、AIと会話するためのトピックスとして、レストランやホテル、あるいは休日に友人に会う場合など、様々なシチュエーションでのロールプレイが用意されている。

ロールプレイ中に得られるAIフィードバックの質が高い

例えば、 ロンドンのホテルと言うロールプレイを選択すると、シチュエーションの詳細とこの会話の中で達成すべき目標が与えられる。

このシナリオの目標は、ホテルにチェックインをしてルームキーを受け取ることだ。
したがって、チェックイン時に必要になる典型的な表現が例として示されている。

これらの表現をできるだけうまく会話の中で使いながら、ホテルのフロントでの英語でのやりとりをAIと練習することができるのだ。

実際に会話が始まると、AIから話しかけられてユーザがそれに対して答えていく。
ユーザが発言した内容は、直ちにAIによって評価されて、それが完璧な表現であったか、改善が必要であったかがわかりやすく表示される。

改善が必要な場合、ユーザが話した内容にアスタリスクが表示され、その吹き出しをタップするとより自然な言い換えが提案される。

なぜそのような言い換えが提案されているかが、日本語で解説されているため、英会話学習者にとってはかなりわかりやすい。

練習できるシナリオは無限大!シナリオをChatGPTに考えさせる

あらかじめスピークのアプリ上に用意されている。ロールプレイのシナリオは頻繁に練習していたらすぐに使い切ってしまうかもしれないが、そもそもシナリオをユーザが新しく作ることができるので、ネタに困ることがない。

アプリ上では、他のユーザが作成したシナリオを閲覧することもできる。コミュニティー内で、人気のシナリオを使えば、自分が思いつかないようなトピックも練習することができる。

また、「自分のシナリオを作成」という機能もあり、ロールプレイの中でのユーザの役割、AIの役割、そして会話のトピックとシチュエーションを指定することで、そのシナリオの中でAIが自然な会話をしてくれる。

このシナリオ、自分で考えるのが面倒な場合には、ChatGPTにシナリオの作成をやらせてしまえば、自分の想像を超えたアイディアをたくさん思いつくことができる。

例えば、以下のプロンプトを与えて、ビジネス英語を勉強しているユーザのために、ユーザの役、AIの役、そして会話のトピックを考案させた。

AIを活用した英会話アプリで、AIとの会話練習をロールプレイ形式で行っています。
新規のロールプレイを行いたく、ビジネス英語の練習をしたいユーザーのために、1.ユーザーの役、2.AIの役、3.会話のトピック又はシチュエーションの組み合わせを、5つ考案してください。

すると、ChatGPTがビジネス英会話でありそうなシナリオをたくさん考えてくれた。
これをスピークに読み込ませれば、無限に新しいシナリオを作成できる。

1ヶ月あたり1,000円ちょっとでOK

有料プランには、「プレミアムプラン」、「プレミアムプラス」、「プレミアムアンリミテッド」の3つがある。
すべてのプラン共通でスピーク内にあるレッスンコンテンツが利用可能だが、AIとのロールプレイ会話には、プランによって使用できる量に差がある。

最も安い「プレミアムプラン」で年間12,800円が、月々2,000単語分のAI会話が利用できる。

例えば、先ほどのホテルの受付でのロールプレイでは、筆者の発言量は88単語だったので、大体これくらいのやり取りを20回できることになる。

「プレミアムプラス」なら10,000単語、「プレミアムアンリミテッド」ならAIとの会話が無制限になる。

筆者としては、会話量の確保は先に紹介したChatGPTによって実現できるので、スピークは様々なシチュエーションでの会話の幅を広げること、苦手なトピックにも取り組むことが役割だと考えている。

その意味で、月々1000円程度の最も安い「プレミアムプラン」を利用するのがオススメだ。
初心者で、よりシナリオが用意された会話の方がやりやすいという人は、ChatGPTは利用せずに、「プレミアムアンリミテッド(年間44,800円)」を利用するのもありかもしれない。

「スピーク」の弱みは発音の精緻なフィードバック

ロールプレイによる会話練習には最適と言えるスピークだが、唯一の欠点として発音へのフィードバックがそれほど多くないということが挙げられる。
それなりに英会話の練習をしてきた人は、さらなるレベルアップのためには発音の矯正もできることが望ましい。

スピークには、いちおう単語単位で自分の発音を正しいかどうかチェックしてくれる機能がある。
しかしこの画面を表示するまでの手順が若干面倒だし、ロールプレイ中には発音の指摘はされないし、会話の中での自分の発音全体をチェックしてもらう機能は充実していない。

その点、次に紹介するアプリは発音を非常に細かくチェックしてくれるものなので、スピークと組み合わせて両方を使うことがオススメだ。

AIによる正確な発音トレーニングが強みの「ELSA」

嫌になるほどのきめ細かい発音フィードバックが特徴

ELSAは、英語の発音を改善することを目的としたアプリで、高度なAIと音声認識技術を使用して、本当にきめ細かく正確な発音トレーニングを行ってくれる。
公式によると、95%以上の精度で発音の誤りを検出できるとのことだ。

英会話をするというよりは、読み上げるべきセンテンスやスキットがあり、それを読み上げると発音のフィードバックや、改善するためのオーダーメイドのレッスンが提供されるという形式のアプリになっている。

そして、実際に筆者がデイリーレッスンをやってみた結果のフィードバックがこちら。

読み上げたフレーズの全てに、事細かく指摘が入っていることが分かる。
赤字になっている部分が、正しく発音ができていないと評価された箇所だ。

レッスン中に、センテンスごとに、発音の正しさがパーセンテージで評価され、何度でも練習をやり直せるので、自分が苦手な発音が身に染みてわかり、本当に発音が改善していくのを感じる。

これを繰り返していくと、何回やり直してもうまくいかない発音が明確に見えてきて、自分はthの発音が苦手なんだ、とか、tとsが連続すると舌が回ってないんだ、とか、自分が苦手とする発音への自覚が芽生えるので、意識が大きく変わっていく。

ユーザーに合わせた文・単語の発音練習、強勢練習、リスニング練習パッケージ

「デイリーレッスン」が毎日ユーザーの得意・不得意に合わせて用意される。

この中では、1つ1つの単語を発音していくようなレッスンもあれば、長めのロールプレイ台本を読み上げるレッスン、似た発音の単語をリスニングで聞き分けるレッスンなど、総合的な力を養うレッスンがうまくパッケージ化されている。

一つ一つのレッスンが短いので、20分ほどで全てのレッスンを完了でき、発音を改善していくための道筋が非常にわかりやすい。

診断テストで自分の得意・苦手が明確にわかる

ELSA内では、診断テストを受けたり、レッスンをしばらく継続することで表示される「ELSAスコア」が存在する。

発音、リスニング、強勢、抑揚、流暢性が5角形のグラフで表示され、自分の苦手分野がわかりやすい。

さらに、IELTSのスピーキングテストの予測スコアも表示され、自分のスピーキング力の上達レベルがどの程度かが、ELSAスコアの数値で目に見えてわかるので、日々レッスンを続けるモチベーションにもなる。

また、診断テスト中、レッスン中も全ての発音をチェックしてくれているので、正解率に基づいて、自分がどの発音が得意で、どの発音が苦手かが、明確に数値でわかる。

正答率が高い順に並んでおり、こちらは筆者が得意な方の発音で、

こちらは筆者が苦手とする発音だ。

Rの発音やAの発音の区別がうまくついていないことがハッキリとわかるので、ここを重点的に伸ばしていけばいいな、というような感覚が掴める。

容赦のないAIの発音矯正で成長していく

対人の英会話レッスンでは、こちらの発音が聞き取りにくくても、生徒を悲しませないために、講師の先生は優しく「いいね!」的なフィードバックしかくれない。

英会話の練習という意味ではそれでもいいのだが、発音のレベルをアップしていくためには、同じミスを何度でも繰り返し、容赦無く指摘してくれるAIの存在は本当にありがたい。

ELSAは、容赦無く全ての発音ミスにツッコミを入れてきて、それが視覚的に分かってしまうので、最初は凹むかもしれないが、本当に改善していくための道筋が見えるのが嬉しい。

まさに、AIテクノロジーが可能にした英会話習得の心強い味方という感じだ。

3つのアプリを組み合わせ、かつてない練習量を確保する

ChatGPTなどのかなり高性能な大規模言語モデルのAIが登場する前は、英会話の練習をするのは本当にお金も、時間もかかる大変な作業だった。

筆者自身も、つい数年前まで、DMM英会話でフィリピン人講師と毎日30分の英会話の練習をしたり、italkiなどの英会話講師と個別にマッチングするサービスを使って 1時間20ドルとか30ドルとかの高いお金を払って英会話を練習していた。

発音の練習に至っては、発音の矯正が得意な講師を見つけるのも難しいし、自分で本を買ってきて、付属のCDを聞きながら、合っているのかどうかわからない発音を繰り返していた。

こうした英会話の練習の苦労が、AIの登場によって一変してしまった。

ChatGPTを使えば、好きなだけ買い物の練習に付き合ってくれるパートナーができるし、しかもその料金は月々20ドルと人間を雇うよりも圧倒的に安い。

対人の英会話レッスンだと、例えばホテルの受付での英会話などロールプレイをするのは少し恥ずかしい気持ちもあったが スピークを使えばAIを相手にそうしたロールプレイも何度でも繰り返し行うことができる。

さらに、筆者の長年の悩みであった発音の矯正も、AIの登場によって講師と気まずくなることなく、自分の発音が間違っているときにはっきり間違っていると言ってくれるAI講師を手に入れた。

この記事で紹介した3つのアプリを組み合わせれば、会話の練習量を確保しながら、幅広いトピックで練習ができ、さらに発音も日に日にレベルアップしていくのを感じることができるだろう。

英文法の勉強や単語の暗記は、まだまだ参考書等が活躍する場面もあるかもしれないが、英会話については。かなりの程度AIとスマホアプリによって完結してしまう環境が整いつつあるのではないか。

もちろん、自然な英会話を人間を相手に行いたい場合には、italkiなどのサービスを利用して、引き続きネイティブとの対人英会話を練習することはできる。

そうしたお金がかかる対人での英会話の練習の前に、AIと日常的に英会話の練習をしておくことによって、人間を相手にした英会話の練習の質もさらに上がっていくことだろう。



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