筆者は、iPhone 4Sの時代から、12年以上にわたってiPhoneを愛用している。
長いiPhoneライフの中で、定期的に新しいiPhoneに買い替えたり、社用のiPhoneとの2台持ちをしているうちに、「新しいiPhoneが届いたら、必ず行う初期設定」が、自分の中で確立されてきた。
世間一般では、詳細な設定は意識することなく、なんとなくiPhoneを使っている人も多いだろう。
しかし、iPhoneは、適切な初期設定を行うことによって、iPhoneの劣化を防いだり、無駄なサブスク料金を抑えたり、プライバシーを守ったり、大きなメリットを享受できる。
そこで本記事では、長年のiPhoneユーザーである筆者が、何台ものiPhoneの購入・売却を繰り返す中でたどり着いた、全てのiPhoneユーザーにおすすめしたい初期設定項目の数々をまとめた。
Appleが仕掛けた最大の罠「iCloud」サブスク地獄を防ぐ
iPhoneを購入すると、しつこく、本当にしつこく、何度も何度も表示されるのが、「iPhoneをバックアップできません」「iCloudバックアップが作成されていません」という不穏なメッセージだ。
初心者は、もしかしてデータが消えてしまうの・・・?と不安に思い、ついつい「iCloudバックアップ」をオンにしてしまいがちだ。
しかし、これは罠である。
iCloudは、わずか5GBしか無料容量がないため、バックアップをしようものなら初日からiCloudの容量を使い果たし、Appleの月額サブスクリプションに課金することが確定してしまう。
バックアップは一度作成したら容量が減ることはないため、全く役に立たないデータの塊が貴重なiCloudの容量を食い続け、月額450円やら月額1500円ものサブスク料の支払いを、何年もの間、止めることができなくなる仕組みになっている。
これは、はっきり言ってしまえば、AppleがiCloudに課金させるため、あなたの不安を煽っている過剰広告であり、無視するのが正解だ。
データを守りたいとしても、iCloudバックアップをオンにするよりも、もっと適切な方法がある。
以下、「iCloudの罠」に陥らないための、本当に推奨できるデータ保管法/バックアップ法をまとめておく。
写真はiCloud以外のクラウドに保管しよう
iCloudの容量が一瞬でなくなってしまう最大の要因は、iPhoneで撮影した写真の自動アップロード機能である。
iCloudは、メールやアプリデータの同期など、iOSの重要なコア機能にも使用されている。
その貴重な容量を「写真」が埋めてしまうと、他のコア機能まで道連れで使えなくなるので、やむをえずiCloudに課金して容量を拡張するしかなくなってしまう。
写真さえiCloudに同期しなければ、筆者のように10年iPhoneを使い続けても、iCloudは2GB以下しか使用していない。
写真は、iCloudに保管するのではなく、他社の無料またはコスパの良いクラウドサービスを使うべきなのだ。
無料でもらえる容量が大きいオススメのクラウドストレージとしては、以下が挙げられる。
サービス | 容量 | 特徴 |
---|---|---|
1. pCloud | 無料で10GB | ・サブスク不要で1回買い切りのライフタイムプランが存在 ・無料でもバージョン履歴、暗号化など機能充実 |
2. Ice Drive | 無料で10GB | ・サブスク不要で1回買い切りのライフタイムプランが存在 ・独自の暗号化アルゴリズム |
3. Google Drive | 無料で15GB ただし、Gmailなどと合算 | ・無料でもらえるベース容量として最大 |
筆者が使っているのは、スイス発の独立系クラウドの「pCloud」である。
Googleドライブは、無料容量は大きいものの、GmailなどのGoogleのコア機能と容量が共通なので、こちらも写真で容量を浪費するのは危険だ。
pCloudであれば、無料で10GBもの容量がもらえ、iPhoneアプリの完成度も非常に高く、iPhoneの写真の自動アップロード機能ももちろんある。
しかも、万一、pCloudが大量の写真やビデオで容量が一杯になってしまっても、pCloudは1回買い切りのライフタイムプランを提供しており、2-3万円台で一生涯使える2TBものストレージが手に入る。
iCloudよりも圧倒的に無料容量が大きく、課金するとしてもサブスク不要で圧倒的にコスパが良いので、強くお勧めできるクラウドストレージだ。

iCloudバックアップをオフにする
設定アプリで以下のように進んでいき、iCloudバックアップをオフにしておこう。
バックアップをオフにすると不安に感じるかもしれないが、後述するように、連絡先やメッセージなどの重要なデータは元々iCloud上に同期されているし、LINEなどはアプリ内の公式機能を使ってバックアップをする方がより確実で安全だ。
今どき、ほとんどのデータはオンライン上に保管されており、「iPhoneを落としたら全データを失う」なんてことが起きるのは非常に特殊なケースだ。
設定 > Apple Account > iCloud > iCloudバックアップ

iCloudと同期すべき項目はこれだけ
次に、以下のように進んでいき、iCloudに「同期」するデータの種類を細かく設定する。
ただし、基本的には全てオンにしておいた方が便利なので、ほぼデフォルトのままで良い。
連絡先、メッセージ履歴、メモ、リマインダー、カレンダーなどの重要な情報がiCloudに同期されていれば、バックアップを取る必要がそもそもないのだ。
AppleアカウントのIDとパスワードさえ忘れなければ、別のiPhoneやiPadからログインすれば、これらのデータへのアクセスは復活する。
設定 > Apple Account > iCloud > iCloudに保存済み

1点だけ変更すべきは、「iCloud写真」をオフにしておくことである。
これによって、iCloudを経由してiPhone, iPad, Macの連絡先やカレンダーがスムーズに同期される利便性を維持しながらも、「写真」によって無駄に容量を浪費することを防ぐことができる。
大切なアプリのバックアップは、個別に設定しておく
スマホを紛失したり破損したりした場合の最大の不安は、LINEなどのメッセージアプリの大切な履歴が消えてしまうことだろう。
特にLINEは、デフォルトではトーク履歴が端末の中にのみあるため、端末が故障すると、トーク履歴も丸っと消えてしまう。
(※多くのアプリはオンライン上にデータが保管され、ログインすれば復活するので、LINEのようなアプリは珍しいケース)
LINEであれば、「設定>トークのバックアップ」と進み、週1回などの定期的なバックアップをオンにしておくと良い。

データの重要性を問わず全て一括でバックアップする「iCloudバックアップ」は、実行に時間も容量も必要なので、低頻度になりがちだ。
すると万一の時、最後に取ったバックアップが半年前で、最近のLINEの履歴はすべて失われる、という本末転倒なことが起きがちだ。
LINEのようなデータが自端末のみに保存されるタイプのアプリを使う場合には、そのアプリ専用のバックアップ機能を個別に設定しておく方が、遥かに実用的だ。
中古売却価格に大きく影響する「バッテリー充電上限」
iPhoneは、リセールバリューが非常に高いのが大きなメリットの一つだ。
15万円で最新iPhoneを購入して2年しっかり使った後も、メルカリで10万円で売れたりする。
しかし、大切なのは、2年後の売却を見据えて、iPhoneを無駄に劣化・摩耗させないことだ。
中でも、1円もかけずにiPhoneの価値を高められるオススメの裏技が、「バッテリー充電上限」を設定することだ。
これは、フル充電したとしても、設定した上限(90%など)までしか充電されないようにする機能だ。最新のiPhoneはバッテリー持ちがいいので、筆者の場合は上限90%でも余裕で丸一日持つ。
設定>バッテリー>充電

自分の使用頻度から逆算して、ギリ丸一日充電が持つ上限を選んでおけば、バッテリーの劣化を防ぐことができるのだ。
iPhoneを中古で売却をする時には、バッテリーの劣化具合を示す「バッテリー最大容量」が、価格を左右する非常に重要な指標になる。
iPhoneを1〜2年使い込んだ後でも、最大容量を90%以上に保てていれば、中古価格は大きく上昇が見込める。
設定>バッテリー>バッテリーの状態

同じような効果を持つ設定として、「バッテリー充電の最適化」という項目もある。
これは、ユーザーが朝起きる時間などの利用パターンを学習して、外出直前まではフル充電を行わないようにして、バッテリーを保護する機能だ。
生活リズムが一定の人は、これをオンにしても良いだろう。
しかし、1日の中で何度も充電するとか、日によって起床時間が全く異なる人の場合、充電されていると思ったらされていなかった、といったストレスがありうるので、筆者としては「バッテリー充電上限」で常時90%程度に制限しておく方がオススメだ。
「背面タップ」という裏技を知っているか
長年のiPhoneユーザーでも知らない人が多い隠れ機能が、「背面タップ」である。
これは、文字通りiPhoneの背面を指でトントンと叩くことで、さまざまなショートカットを呼び出すことのできる機能である。
「アクセシビリティ」設定の非常に目立たないところに隠れているので、存在すら知らなかった人も多いのではないだろうか。
設定>アクセシビリティ>タッチ>背面タップ

背面タップには、ダブルタップとトリプルタップにそれぞれ異なるショートカットを割り当てることができる。
ダブルタップするとスクリーンショットを撮ったり、画面の向きを固定したり、いちいち設定を開かなくても、背面を叩くだけで瞬時にアクションができる。
よく使う設定がある人は、オンにしてみることをオススメする。筆者は、誤タップ防止のためにも、トリプルタップだけをオンにしている。

フリック入力を高速に打てるようにカスタマイズ
iPhoneでの日本語入力は、フリック入力を使っている人がほとんどであろう。
フリック入力は、デフォルトでは、同じ文字を2連続で打ち込もうと連続タップすると、「ああ」ではなく「あ→い」と50音の次の文字に移動してしまう。
「ああ」と打つには数秒待ってからタップする必要があるので、スピーディーに文章をタイプしたい場合、この機能は無駄でしかない。
そこで、キーボードの設定で、かな入力時に「フリックのみ」を利用するように変更しておくことをオススメする。これにより、2連続でタップすると、瞬時に「ああ」と入力できる。
設定>一般>キーボード>フリックのみ

コントロールセンター&ロック画面の超便利カスタマイズ
iPhoneの画面を上から下に引っ張ると出てくる「コントロールセンター」や、画面オフ時の「ロック画面」は、実はかなり高度なカスタマイズが可能である。
コントロールセンターのアイコンカスタム&複数タブで整理
コントロールセンターで長押しすると、アイコンの配置をカスタマイズすることのできる以下のような画面になる。
ここでは、あまり使わないショートカットアイコンを削除することができ、また逆に「コントロールを追加」をタップすると好きなショートカットアイコンを追加できる。

さらに、画面右側に小さいハート、音楽、電波マークがあり、全部で4ページものタブを利用できる。
頻繁に使う項目、通信やWi-Fi関連の項目など、用途に応じてタブを使い分けることで、たくさんのショートカットを整理整頓して並べることが可能だ。
ショートカットとして追加できる項目は、ボイスメモや文字サイズのほか、様々なアプリのショートカットを幅広く利用できる。

iPhone購入後、一度はコントロールセンターの配置を見直して、自分が使いやすいようにカスタマイズしよう。
ロック画面クイックアクションを差替え
コントロールセンターだけでなく、ロック画面に表示するアイコンやショートカットもカスタマイズが可能である。
ロック画面を長押しすると、カスタマイズができる状態になる。

フラッシュライトやカメラなどの基本機能はもちろんのこと、様々なアプリがロック画面に追加可能なコントロールを用意している。
例えば、AIチャットアプリのChatGPTやGeminiのボイスモードを、ロック画面から瞬時に呼び出す、なんてことも可能だ。

ロック画面の編集モードに入った上で、どんな項目が利用可能かを一度眺めてみると、便利なショートカットが見つかるかもしれない。
フラッシュライトの明るさ&ビーム幅の調整
これはコントロールセンターなどで利用できるフラッシュライトの機能の紹介になるが、iPhoneのフラッシュライトは、かなり細かく明るさや照射幅を調整することが可能だ。
コントロールセンターのフラッシュライトを長押しすると、スライダーが出現し、上下の移動で明るさの強弱を調整、左右の移動で照射範囲を広げたり狭めたりできる。

明るすぎる/暗すぎるといったシチュエーションに応じて、ちょうど良い明るさに変更できるので、覚えておくと地味に便利なことが多い。
iPhoneのポテンシャルを解放するカメラ&写真カスタム
iPhoneの魅力の代表の一つは、カメラの性能の高さであろう。
非常に高画質な写真を気軽に撮影して、iMessageやLINEなどで家族や友人に気軽にシェアすることができるのが魅力だ。
しかし、ここでも設定を少し工夫するだけで、後々の写真バックアップ時の画質を向上させたり、iMessageやLINEで送る写真の画質を改善したりすることができる。
iPhoneのカメラ性能を最大限に引き出す解像度設定
iPhoneのカメラアプリは、デフォルトだと容量を節約するために低画質モードで撮影している場合があるので注意が必要だ。
特に、iPhone 16 Proなどの極めてカメラ性能が高く、RAW撮影にも対応しているモデルでは、予め設定を変更しておかないと、折角のカメラ性能を活かしきれない。
特に、デフォルトでは12MPになっている解像度を、24MPに引き上げておくことは必須だ。
また、「ProRAW」撮影のオプションをオンにしておくと、「ここぞ!」というシーンで最も高解像度な48MPでの写真撮影が可能になる。
設定>カメラ>フォーマット>ProRAWと解像度コントロール

「ProRAW」をオンにしたとしても、全ての写真がRAWになってしまうわけではない(RAWはあっという間に本体の容量を消費してしまう)。
「ProRAW」をオンにしていると、カメラアプリ画面で「RAW最大」というオプションが表示されるようになり、これをタップすることで、48MP撮影のオンオフを切り替えられる。
大切な瞬間は48MPで撮影しておくと、将来的に現像して印刷するなど用途の幅が広がるのでオススメだ。

iMessageやLINEで送信する画像を高画質に
LINEなどでiPhoneで撮影した写真を送信すると、実は自動的に圧縮されてしまい、相手には低画質の画像しか届かない。
送信された側の相手は、せっかく写真を保存しても、低画質版しか手元に残らないので、将来的に旅行などの思い出を見返した際に、非常に残念な思いをするだろう。
送信する側としても、せっかくならiPhoneの魅力を最大限に活かして、高画質版を送っておきたい。
送信する画質の設定は、実は設定から変更することができる。
iMessageであれば、以下の手順で「低解像度モード」をオフにしておこう。
設定>メッセージ>低解像度モード

また、LINEについても、設定>写真と動画>送信する写真の画質
で、「高画質」に設定しておくことで、送信する写真の解像度を改善できる。

写真アプリの“ホーム画面”をスッキリ整理
iPhoneの写真アプリは、どんどん高機能化が進んでおり、改めて見てみると、全く使ったことのない機能も多数あり、画面がごちゃごちゃしている。
「旅行」機能は旅行に行かなければ全く不要だし、「ピープルとペット」などもペットを飼っていなければ使い道もない。
写真アプリで一番下までスクロールすると、「カスタマイズと並べ替え」という設定画面があり、実は不要な機能をオフにすることができる。

ミニマムな写真アプリの機能だけを残すのであれば、「最近」や「アルバム」だけオンにしておけば良いだろう。
また、各セクションを並び替えることも可能なので、使いやすい写真アプリをカスタマイズすることができる。

情報のダダ漏れを防ぐプライバシー&セキュリティ設定
iPhoneには、位置情報など、あなたのプライバシーに直結する情報がたくさん詰まっている。
適切な初期設定を行うことで、自分の位置情報がダダ漏れになるなどの思わぬトラブルを防ぐことができるので、以下のような項目は見直しておこう。
アプリのトラッキングを一括拒否
iPhoneで新しいアプリをインストールすると、毎回、アクティビティトラッキングを承諾をするかどうかのメッセージが表示される。
これは、アプリを跨いでユーザーの利用履歴や行動のトラッキングを行って、広告配信を最適化するためなどに用いられる機能だ。
アプリインストール時にいちいち拒否するのが面倒なので、設定から一括で拒否しておくと楽である。
設定>プライバシーとセキュリティ>トラッキング>アプリからのトラッキング要求を許可

位置情報サービス “常に許可” をゼロに
また、アプリインストール時に許可を求められる「位置情報」も、基本はアプリ利用時のみに制限しておくと安心だ。
設定>プライバシーとセキュリティ>位置情報サービス
と進んでいくと、インストール済みのアプリ全てについて、一気に位置情報の許可レベルを確認できる。
これが「常に」になっているアプリは、アプリを使っていない時でさえ、常時あなたの位置情報を把握できる状態になっているので、プライバシーの懸念が大きい。
基本は、すべて「使用中のみ許可」またはオフに変更しておくことを勧める。

アプリをロック/非表示
iPhoneでは、個々のアプリについて、Face IDで認証しなければ開けないように設定することが可能である。
私用と仕事用のアプリを分けたり、家族で使っている iPhone & iPad で子どもに触られると困るアプリをロックしたり、セキュリティを高めることができる。
アプリアイコンを長押しするだけで、ロックをかけることができ便利である。

この機会にパスワード管理アプリを使い始める
新しいiPhoneを入手すると、いつも使っているアプリやサービスに、改めて全てログインし直さなければいけなくなって面倒くさい。
もし、まだあなたが「パスワードマネージャー」アプリを使っていないのであれば、是非ともこの機会に使い始めることをオススメする。
パスワードマネージャーアプリを導入して、様々なログイン情報を一括で管理しておくと、設定>一般>自動入力とパスワード
で自動入力をオンにすることで、保存したパスワードが自動入力できるようになる。

筆者が愛用しているのは無料でも利用できるBitwardenというパスワードマネージャーだ。
様々な選択肢が存在するが、無料アプリの中では最も利用できる機能が多く、またApple公式のパスワードアプリと比べてWindowsやAndroidにも対応しており汎用性が高い。

ディスプレイを見やすく/目に優しく
iPhoneには、周辺の明るさや時間帯によって、自動で画面の表示を調整してくれる機能がある。
夜間に目に優しく使えるメリットがあるが、一方で、勝手に明るさや色味がコロコロ変わってしまいストレスになるデメリットもある。
無駄なストレスを防ぐため、画面表示系の機能は、オンオフを自分の好みに合わせて設定しておくことが大切だ。
明るさの自動調節のオンオフ
暗い場所では自動的に画面が暗くなり、真夏の炎天下では自動的に画面が明るくなる、といった「明るさの自動調節」が、デフォルトではオンになっている。
便利である一方で、夜遅い時間で画面を暗くして使いたいのに、勝手にiPhoneが画面を明るくしてしまってイライラすることも少なくない。
これも非常に目立たないところにある設定だが、設定>アクセシビリティ>画面表示とテキストサイズ>明るさの自動調節
でオンオフを切り替えられる。

ブルーライトを減じるTrue Tone / Night Shift の設定
「True Tone」は、蛍光灯の下か、太陽光の下か、暗い場所かなどに応じて、画面の色味がフレキシブルに変化する機能である。
夜間にブルーライトでチカチカする画面にならず、暖かい暖色系の黄色っぽい画面になるので、目に優しい感じはする。
一方で、頻繁に色味が変わり、黄ばんでいるような印象が気になる人は、オフにしておいたほうがいい。

「Night Shift」も似たような機能で、夜の指定した時間になると画面を暖色にしてくれる機能である。
必要な人はオンに、画面の色味を一律に保ちたい人はオフにしておこう。
いざという時に命を守るSOS&安全機能
iPhoneには、万が一の時に、緊急通報を自動でしてくれるSOS機能なども備わっている。
設定>緊急SOS
iPhone 14以降だと、自動で事故の衝撃を検知して緊急通報を行い、さらに事前に登録した家族に通知を送ってくれる「激しい衝突事故発生後に通報」機能がある。
また、ボタンを長押しすることで緊急通報をすることができるショートカットなども用意されている。
登山など危険なアクティビティに参加する場合などは、オンにしておいて損はない。

また、緊急時に血液型や連絡先などを画面に表示してくれる「メディカルID」は、是非ともあらかじめ設定しておきたい機能である。
設定>アプリ>ヘルスケア>メディカルID

購入直後30分の初期設定で、豊かなiPhoneライフを
この記事で紹介したiPhoneのオススメ初期設定は、全て確認しても、30分もかからずに実行できるものだ。
これらの設定を行なっておくだけで、iPhoneのバッテリーの寿命が伸び、数年後の売却時の中古価格が高くなり、さらにSOSが必要な場面で命まで守ってくれるかもしれない。
本記事で紹介した設定項目は、いずれも長年iPhoneを使うなら知っておきたい必須の設定項目ばかりである。
筆者の設定を参考に、自分なりのカスタマイズを行うことで、あなたのiPhoneライフがより快適になることを祈っている。