AIじゃないよ

Xiaomi Pad 6S Pro 徹底レビュー:ほぼiPad Proな高性能・高コスパAndroidタブレットの実力

当サイトはアフィリエイト広告を一部掲載しています。

Xiaomi Pad 6S Pro」は、Xiaomiが2024年5月9日に発表したばかりの高性能・コスパ抜群の最新フラッグシップタブレットだ。

12.4インチの大画面ディスプレイを搭載し、高性能なSnapdragon 8 Gen 2チップセットを採用しているにも関わらず、7万円を切る驚きの低価格で販売されている。

「Xiaomi フォーカスペン」という筆圧検知にも対応した高性能スタイラスも別売りされており、iPad Pro同様、ペンは本体に磁石でくっつき充電できる。

見た目もスペックも、ほぼ「iPad Pro 13インチモデル」でありながら、iPadのおよそ3分の1の価格で購入できるので、そのコストパフォーマンスには驚かされる。

iPad、またはAndroidタブレットの購入を検討している人は、間違いなく第一候補として検討すべき品だ。

本記事では、筆者も実際に購入して使っている「Xiaomi Pad 6S Pro」について、実生活での使い心地を詳細にレビューしていく。ベンチマークテストなども行ったので、他機種との比較にもぜひ参考にしてほしい。



Xiaomi Pad 6S Pro 開封の儀:嬉しい急速充電器付き

Xiaomi Pad 6S Proは、5月に発売されてから非常に人気が続いており、6月には殆どの販売店で在庫が尽きて、長らく購入することができなかった。

記事執筆現在(2024年7月中旬)、Xiaomiの楽天公式ストアでようやく在庫が復活しており、ついに購入することができるようになった。

メモリ8GBにストレージ256GBのモデルと、12GB+512GBのモデルが存在するが、筆者は8GB+256GBのモデルを購入した。

また、今回筆者は、Xiaomi Pad 6S Proの専用スタイラスである「Xiaomi Focus Pen」(14,800円)も購入した。

他にも「タッチパットキーボード」(16,800円)など、Xiaomi Pad 6S Proをラップトップのように使うための公式アクセサリも充実している。

最近は、どのブランドでスマホ・タブレットを購入しても、Apple製品風の梱包がされていることが多くなった。

「Xiaomi Pad 6S Pro」も、ほぼiPad Proと似たような箱に入って届く。珍しいのは、本体を包んでいるフィルムが、プラスチックフィルムではなく、不織布のような素材になっている点くらいだ。

「Xiaomi Pad 6S Pro」本体には、嬉しいことに、120WのUSB-A to USB-Cの急速充電機が付属する。

最近は充電器が付属しない製品も増えてきたし、仮に付属しても、iPad Proの場合は20Wというあまりに充電スピードが遅すぎる充電アダプタがついている。

120Wという超高速チャージが可能な充電器がデフォルトで付いているだけで、数千円のバリューはある。

一方、「Xiaomiフォーカスペン」には、予備のペン先が1つ付属している。

Xiaomi Pad 6S Proのデザイン・質感レビュー

Xiaomi Pad 6S Proの外観のデザインは、競合であるApple製品/iPad Proシリーズに、かなりインスパイアを受けている印象だ。

Xiaomi Pad 6S Proと、iPad mini 6を横に並べてみた様子が以下である。

当然ながら、12.4インチのXiaomi Pad 6S Proと、8.3インチのiPad mini 6なので、サイズは大きく異なるが、背面のデザインや質感は非常に近い。

色味を含めて、iPad ProやiPad Air, iPad miniなどの「スペースグレー」カラーの背面とほぼ同じ外観・質感である。

Xiaomi Pad 6S Proの側面もほぼiPadそのものだ。Apple Pencil / Xiaomi Focus Penの無線充電のスポットもほぼ同じレイアウトである。

以下は、一回り大きい13インチのM3 Mac Book Air(ミッドナイトカラー)とXiaomi Pad 6S Proを並べてみた様子だが、Apple製品に完全に溶け込むデザインである。

Xiaomi Pad 6S Proは、256GBの下位構成で69,800円のところ、第6世代のiPad miniは64GBの下位構成で84,800円だ。

この質感&画面サイズ&スペックで、6万円台というXiaomi Pad 6S Proの価格設定が、どれだけ異端であるかが良くわかる。

なお、Xiaomi Pad 6S Pro本体の厚さは6.26mm、重さは590gとなっている。

持った感じは非常に薄く、もちろん重さは感じるものの、片手で持てるレベルである。

競合モデルと比べると、以下の表のようになる。

モデル厚さ重さ最安構成価格
Xiaomi Pad 6S Pro6.26mm590g69,800円(256GB)
Apple iPad mini 第6世代6.3mm293g (Wi-Fi)
297g (Cellular)
84,800円(64GB)
Apple M4 iPad Pro 11インチ5.3mm444g (Wi-Fi)
446g (Cellular)
168,800円(256GB)
Apple M4 iPad Pro 13インチ5.1mm579g (Wi-Fi)
582g (Cellular)
218,800円(256GB)

iPad mini 6が6.3mmとほぼ同じ厚さで、最新のM4 iPad Proが11インチで5.3mm、13インチで5.1mmとより薄くなっている。

薄さではM4 iPad Pronに劣るものの、M4 iPad Proの13インチの重さが約580gなので、重さでは、20万円越えのAppleのフラグシップタブレットと互角の勝負をしている。

Xiaomi Pad 6S Pro のディスプレイレビュー

Xiaomi Pad 6S Proのディスプレイは、12.4インチのIPS液晶パネルが採用されており、この価格帯のタブレットとしては非常に高性能なディスプレイとなっている。

M4 iPad Proと同じ有機ELディスプレイではないものの、3K解像度を誇る十分に高画質・高精細のディスプレイだ。

以下は、iPad mini 6(左)とXiaomi Pad 6S Pro(右)を横に並べた際の写真だ。

Xiaomi Pad 6S Proはベゼルが狭く、表面の88.5%が液晶部分になっており、本体サイズの割に液晶の表示領域が大きい。また、画面も非常に明るく、最大900ニトと、屋外で晴天の下でも動画やテキストを難なく見ることができるはずだ。

Xiaomi Pad 6S Proのディスプレイの1番の特徴は、144Hzという非常に高いリフレッシュレートにある。

リフレッシュレートとは、ディスプレイが1秒間に画面を更新する回数を表す指標で、ヘルツ(Hz)で表される。144Hzのディスプレイは1秒間に144回画面を更新するということだ。

最近の高級スマートフォンやM4 iPad Proで、120Hzを採用するモデルがいくつか登場しているが、144Hzは群を抜いて高い。映画を視聴する際や、動きの激しいゲームをプレイする際に、その違いを実感できるだろう。

また、Dolby VisionとHDR10にも対応している。

HDR(High Dinamic Range)の技術は、通常のディスプレイと比べて、映像の暗い部分をより暗く、明るい部分をより明るく表現できるものだ。Dolby Visionは、HDR10より更に表現できる明暗差を拡大したパワーアップ版だ。

映画などを視聴するとき、暗いシーンから明るいシーンまで、より美しい映像を楽しむことができる。HDRやDolby Visionを活かして制作された作品を、本来の画質で楽しむことができるのだ。

ただ、表示するコンテンツもHDR対応のコンテンツを探さなければならない。ストリーミングサービスや、ゲームアプリによっては、HDR対応のものがある。

例えば、Netflixであれば、プレミアムプランに入ると、HDRに対応したコンテンツを再生できるようになる。映画好きであれば、大いに恩恵を受けられるだろう。

総評して、Xiaomi Pad 6S Proのディスプレイは、高解像度、高リフレッシュレート、また広い色域の表現をバランス良く備えており、他社のハイエンドタブレットと比べても、かなり競争力のある仕様となっている。

Xiaomi フォーカスペンの使い心地レビュー

iPad ProでいうところのApple Pencilに当たるのが、Xiaomi Pad 6S Pro用のアクセサリーであるXiaomiフォーカスペンである。

デザイン面で見ても、Xiaomi フォーカスペンもまた、かなり質感は高い。

上部の金属部分と、本体の黒いマット感のあるプラスチックで構成されている。

大ボタン1つと小ボタン1つがあり、大ボタン下部を長押ししてノートを起動したり、大ボタン上部を長押ししてスクリーンショットを撮れたり、小ボタンでレーザーポインターのように画面にカーソルを表示したり、快適に使うことができる。

Xiaomi Pad 6S Proにデフォルトで入っているXiaomi公式のメモアプリ「Mi キャンパス」で、ちょっとしたイラストを描いてみたのが以下だ。

ボタンクリックでのペン/消しゴムの切り替え、2本指タップでの「元に戻す」など、直感的に使うことができ、かなり実用的なアプリだと感じられた。

1.4万円というスタイラスとしては比較的高額な価格に相応しく、8,192段階の筆圧検知など、クリエイティブ系の作業をする人にとっても十分な性能であろう。

ただし、最新のM4 iPad ProやiPad Airで採用されている「フルラミネーションディスプレイ」のように、ペン先と液晶のギャップが極限まで狭くなる技術は採用されていない。

ペン先と描写面にわずかーなギャップがあるような感覚はある。

この点は、20万円超えのiPad Proを選ぶのか、7万円切りのXiaomi Pad 6S Proを選ぶのか、価格との相談になるだろう。

ただ、プロのイラストレーターでもなければ、気にする必要がないほどの差だ。

PDFに注釈を入れることのできる「PDF Viewer」などのアプリを使って、Xiaomiフォーカスペンで書き込みを入れてみると、とても快適に文書に書き込みを行うことができる。

ノートテイクやPDFの注釈に使う程度のビジネスユーザーは、Xiaomi Pad 6S Proで大満足できるはずだ。

Xiaomi Pad 6S Pro のカメラレビュー

12インチを超える大型タブレットに、カメラとしての性能を期待している人がどれほどいるか微妙なところだが、Xiaomi Pad 6S Proは、タブレットとしては比較的高性能なカメラシステムを備えている。

背面のカメラは5,000万画素とかなり高画質で、WEB会議などで使用するであろうフロントカメラも3,200万画素を誇る。

背面のカメラユニットは、複数のカメラがあるように見えるが、50MPメインカメラ+2MPの深度センサー+フラッシュで構成されているので、あくまでカメラは1つだけである。

Xiaomi Pad 6S ProメインカメラのiPhone 12との比較

せっかくなので、屋外撮影時に、Xiaomi Pad 6S Proの50MPメインカメラと、iPhone 12のカメラとの比較を行ってみた。

手持ちのiPhoneが12しかないため、少し古いiPhone 12との比較になってしまったが、iPhone 12は現在でも7万円程度で新品が取引されており、価格帯としてはXiaomi Pad 6S Proに近いスマホになる。

まずは、Xiaomi Pad 6S Proで曇り空の日中に撮影した写真が以下だ。

同じ場所・アングルで、iPhone 12で撮影した写真が以下だ。若干こちらの方が広角になっているが、画質という意味ではパッと見の違いはない。

交通標識と自転車の近くにズームインして、Xiaomi Pad 6S Proで撮影した写真(左)と、iPhone 12で撮影した写真(右)を並べたのが以下である。

Xiaomi Pad 6S Proの方が色が鮮やかだが、木々の葉の解像感などは、そこまで明確な違いはないように感じる。

今度は近くのオブジェクトの描写を比較してみる。

まずは、Xiaomi Pad 6S Proで花壇にある花を撮影した写真が以下だ。

再び、同じアングルでiPhone 12で撮影したのが以下の写真である。

この写真から、花びらをズームアップして、Xiaomi Pad 6S Pro(左)とiPhone 12(右)を左右に並べてみる。

明るさや鮮やかさはXiaomi Pad 6S Proの方が上な気がするが、花びらの表面のディティールは明らかにiPhone 12の方が描写力がある。

総評すると、Xiaomi Pad 6S Proと、iPhone 12のメインカメラは、かなり互角に近い戦いをしているものの、細部のディティールやシャープさはiPhone 12に軍配が上がる印象だった。

12インチ超えの大型タブレットで毎日風景写真を撮る、という人は少ないであろうし、最近のハイエンドスマートフォンほど高性能ではないものの、タブレットとしては十分な品質を提供していると言えるのではないだろうか。

ドキュメントスキャンモードでペーパーレス化

こうした高性能のカメラをタブレットで活かす方法として、紙の書類をカメラで撮影して、スキャナーのように書類を電子化するという用途がある。

Xiaomi Pad 6S Proのカメラアプリには、「ドキュメント」モードがあり、紙の書類や印刷物はもちろんのこと、手書きのノートやメモも、文字の部分だけを抜き出して撮影できる。

例えば、適当に書いた付箋を、このドキュメントスキャンモードで撮影してみる。

白黒でテキストを抽出する設定にしておくと、以下の画像のように、付箋に書いたメモの部分だけが切り抜かれ、白黒の画像として保存された。

このモードを使用することで、デスクの上に置いたプリントなどを、周囲の余計な背景を自動的に取り除いた上で、綺麗なスキャン画像としてタブレット内に保存できる。

Xiaomi Pad 6S Proでは4K動画の撮影も可能

メインカメラは、4K解像度で30fpsおよび60fpsでの撮影にも対応している。

そして、動画を撮影する際のおまけ機能として、リアカメラとフロントカメラを同時に撮影する、という謎の機能が付いている。

動画配信をする際に、街の光景とセルフィーを同時に映し出したりするのに使うのだろうか。

Xiaomi Pad 6S Pro の処理能力・ゲーミング性能

Xiaomi Pad 6S Proは、QualcommのSnapdragon 8 Gen 2チップセットを搭載している。これは、Xiaomiが2024年に発売したばかりのスマホ「Poco F6 Pro」とも同じチップセットだ。

1年前に発売されたSamsungのGalaxy S23シリーズと同じチップで、1年型落ちでありつつも、ハイエンドスマートフォンで使用されていた高性能CPUである。

一般人が使用する限り、この性能を限界まで使うような高負荷アプリは殆ど存在せず、有り余るほどのスペックだと言えるであろう。

CPUとGPUの性能を定量的に把握するため、有名なCPUベンチマークテストである「Geekbench 6」と、3Dゲーム向けのGPU性能をテストする「3DMark Wild Life Extreme」の二つのベンチマークテストを行った。

まず、Xiaomi Pad 6S ProのGeekbench 6のCPUベンチマークの結果は以下の通りである。

この結果を他のタブレットやスマートフォンなどと比較してみると、以下のようになる。

機種チップSingle-Core ScoreMulti-Core Score
Xiaomi Pad 6S ProSnapdragon 8 Gen 216794231
Xiaomi POCO F6 ProSnapdragon 8 Gen 214215189
Apple iPad Pro 11 (M4)Apple M4367713340
Apple iPhone 14A15 Bionic22435476
Apple iPhone 13A15 Bionic21995216
Apple iPhone 12A14 Bionic20154501

MacのPCと同等のM4チップを採用した最新のiPad Proの性能は、流石にケタが違うほど優れている。ただ、価格差も考えると、流石にM4チップと比べては可哀想だ。

Xiaomi Pad 6S Proは、だいたい「過去1〜2年に登場したフラグシップスマホ」くらいだと考えておくと良いだろう。

一方、3Dゲームを遊ぶ際のGPU性能を測定する「3DMark」の結果は以下である。

「Wild Life Extreme」は、4K UHDの3Dグラフィックを1分間走らせるという、3DMarkのテストの中でも、かなり高負荷のテストだ。安価なスマホなどでは、そもそもこのテストを実行できないことも多い。

Xiaomi Pad 6S Proはちゃんとテストを完走でき、「Wild Life Extreme」のスコアは2,987、平均FPSは17.89となった。

海外レビューサイトのTom’s guideによれば、「Wild Life Extreme」での平均FPSは、iPhone 14 Pro Maxが19.9 FPS、iPhone 14が15.5 FPSだそうだ。

iPhone 14 Proで遊べるレベルの3Dゲームは、Xiaomi Pad 6S Proでも恐らく同様に遊べるということになる。

原神などかなり高負荷の3Dゲームであっても、問題なく遊ぶことができるレベルだと思われる。

大容量バッテリーと120W急速充電

Xiaomi Pad 6S Proは、10,000mAhもの大容量バッテリーを備えている。

M4 iPad Proの13インチモデルが10,340mAhのバッテリーを備えているされており、それに匹敵する容量だ。

これだけの容量になると、充電にもかなりの時間がかかるが、幸い、Xiaomi Pad 6S Proには購入時に120Wの急速充電器が付属している。

120Wで充電すると、40分ほどでフル充電に達する。

単純に考えて、120Wでなく、iPad Proの購入時についてくる20Wの充電器などを使用した場合、フル充電までに6倍の時間がかかるため、4時間 vs 40分間ということで、圧倒的なアドバンテージである。

実際、筆者が丸1日家で使っていても、夜になってもバッテリー容量がかなり残っていた。

ブラウザやメールなどの通常使用で10〜11時間ほど使い続けることができ、高負荷のゲームをする場合でも〜5時間ほどバッテリーが持つものと思われる。

Xiaomi Pad 6S Proのソフトウェア・アプリレビュー

Xiaomiのスマートフォンやタブレットには、AndroidベースのXiaomiオリジナルカスタムOSである「Hyper OS」が搭載されている。

Xiaomi Pad 6S Proには、 Android 14ベースのHyper OSが入っている。

Hyper OSには、Xiaomiのスマホやタブレット同士の連携機能や、スマートホームデバイスなどとの便利な連携機能が備わっている。

iPadのステージマネージャがAndroidでも

特にタブレットとして使用する上で利便性が高いのが、「スプリットスクリーン」機能と「フローティングウィンドウ」機能である。

AppleのiPadなどにもある機能だが、ブラウザのウィンドウなどを開いているときに、画面を左右に分割して、別のウィンドウを開くことができる。

例えば、以下のように、ブラウザでWebサイトを閲覧しながら、Googleドライブのアプリでファイルをアップロードする、なんていうこともできる。

また、「フローティングウィンドウ」を使うと、アプリウィンドウを好きなサイズにリサイズして、画面上の好きな場所に置くことができる。

iPadでいうところの「ステージマネージャ」に当たる機能であるが、Xiaomi Pad 6S Proでもかなりスムーズに動作して、ウィンドウのリサイズもフリーサイズで自由自在に変えられて便利だ。

以下は、ブラウザでWebサイトを見ながら、フローティングウィンドウでGoogleドライブのアプリを小さく表示している状態だ。

これらの機能は、Android標準の機能でもあるのだが、HyperOSでUIや操作性が向上している。

アプリを全画面表示しているときに、3本指で左右スワイプするとスプリットスクリーンで別のアプリを立ち上げられたり、ウィンドウ上部にある3つのドットから簡単にスプリット・フローティングなどを切り替えられる。

HyperOSの「ワークステーション」がすごい

フローティングウィンドウを、さらに柔軟に使うことのできるように拡張したHyperOSの独自機能が、「ワークステーション」である。

この機能を使いこなせば、Xiaomi Pad 6S Proの大画面を活用して、たくさんのアプリを同時に開いた状態でマルチタスクを自由自在にこなすことができる。

画面の右上からスワイプして、ワークステーションモードのアイコンをタップすると、ワークステーションモードを起動できる。

ワークステーションモードでは、アプリアイコンをタップすると、すべてのウィンドウがフローティングウィンドウとして起動する。

例えば、Webブラウザ、電卓アプリ、カレンダーアプリ、メモアプリを4つ立ち上げて、それぞれのウィンドウを好きなサイズに変更して並べることができる。

タブレットでありながら、ほぼ、ノートPCを使っているのと変わらない感覚まで近づけることができるのだ。

Xiaomi Pad 6S Proのその他仕様:指紋認証, オーディオ

電源ボタンの指紋認証

Xiaomi Pad 6S Pro 本体を縦に持った時の右上に、電源ボタンがあり、そのボタンが指紋認証を兼ねている。

iPad AirやiPad miniで採用されているTouch IDと非常に似た仕組みだ。

指紋認証の精度も、スピードも、ともに非常に反応が良いと感じる。

筆者が実際に人差し指を登録して、使用する中で何度もボタンをタッチしたが、丸1日触っていても指紋認証に失敗することはなかった。

6基のスピーカー搭載で迫力のオーディオ

また、Xiaomi Pad 6S Proのオーディオシステムは、タブレット製品の中では、特にこだわりが感じられる仕様になっている。

合計6基ものスピーカーを搭載しており、本体を横に持った時の左右両方に、スピーカーの穴が空いている。

このスピーカー構成のおかげで、実際に本体を横にした状態で音楽を聴いてみると、左右で広がりのある立体的なサウンドを感じられる。

音量もかなり大きいため、自分の部屋の中では、音量バーが3分の1程度の位置でも、かなり大きく感じる程度だった。屋外など騒がしい環境下でも、明瞭に聞き取ることができるだろう。

また、ディスプレイがDolby Visionの映像コンテンツに対応していたように、スピーカーシステムもDolby Atmosに対応している。

Dolby Atmosは、映画館などでも採用されている立体音響技術で、NetflixやPrime Videoなどで立体音響に対応したコンテンツを再生すると、より没入感を楽しめる。

ちなみに、3.5mmヘッドフォンジャックは搭載されていない。イヤホンやヘッドホンを使用したい場合は、Bluetoothによる無線接続をするか、USB-Cをイヤホンジャックに変換するアダプターが必要だ。

総評:人類の大半はXiaomi Pad 6S Proで十分なはず

最安構成でも256GBのストレージを備え、69,800円という魅力的な価格で販売されている「Xiaomi Pad 6S Pro」。

格安のタブレットであるにも関わらず、ディスプレイのクオリティは非常に高く、明るく高精細で、低価格さを全く感じさせない。

また、筆圧検知にも対応した「Xiaomi Focus Pen」を使えば、PDFへの書き込みや署名、イラストの作成など、ビジネスユースからプロユースまで、活躍の場が広がる。

もちろん、モンスター級の処理能力を有する最新のM4チップ搭載iPad Proには、スペックでは敵わない。

しかし、Xiaomi Pad 6S Proは、1世代前のフラグシップスマホ並みのスペックは備えていおり、一般的なユーザーのブラウジングやコンテンツ視聴、PDFや電子書籍の閲覧編集などの用途では、必要十分すぎるスペックなはずである。

Xiaomi Pad 6S Proは、多くのユーザーが重視するであろうディスプレイ等に注力しつつ、タブレットにしては高性能すぎるカメラや、一生使わないLiDARスキャナ、有り余るCPU性能など、殆どの人にとって不要な要素を捨て去ったことで、劇的なコストパフォーマンスの改善を実現しているのだろう。

多くのユーザーにとって、AppleのiPad Proや、SamsungのGalaxy Tab S9などのフラグシップタブレットはオーバースペックであり、Xiaomi Pad 6S Proこそが、現時点の最適解に近いタブレットだと言っていい。



Make a comment

*
*
* (公開されません)